第21章 ベップ温泉爆誕
人外魔境オオイタと言えばこれですよね。
次は修羅の国のラーメンが上陸なのか?
人外魔境オオイタも少しずつ豊かになってきた。相変わらず村人の所得も低く働く場所も無いのだが、以前よりは大分マシになってきた。行商人が一月に一度やって来て。小物や生活必需品を売ってくれるので、村人もそれを楽しみに働いているようだ。そして行商人は帰る時に村の農産物を持って帰るので結構儲かりだしたそうだ。この村の作物は街で大変評判が良いらしい。
「男爵様、これが新しい村人の名簿でございます。」
「あれ、大分増えたみたいだね。」
「はい、現在村人は400人程に増えております。農作物の育ちが良く、魔獣たちの被害もなくなった おかげで村を出て行く者が減りました。街に出稼ぎに行っていた者達も帰って来る者達が出始めまし た。」
「そうか、村が住みやすくなったなら良かったよ。」
「すべて男爵様のお陰でございます。」
「はは、俺は何もしてないよ。アーサーやバーバラのお陰だな。」
一方ゴブリン達の方は更に増えていた、今ではゴブリン村はゴブリン町となって人口?1000匹だ。彼らの繁殖力は凄かった。しかし、上位に成ると余り増えなくなって来てるらしい。
アーサーはゴブリン達を引き連れて、森の危険な動物や魔獣を毎日狩っていた。お陰で肉と毛皮がどっさり取れて、肉は燻製等にして保管している。
バーバラは、ゴブリンヒーラーを引き連れて畑の浄化や病気の村人やゴブリンの治療。そしてゴブリンの雌に毛皮の加工や燻製肉の作り方指導等を行っていた。
ゴブ吉はゴブリン達に読み書きを教えていた。やたらと本を欲しがるので、街に行く度に本を大量に買ってきている。最近では寺子屋なる教室を開いて、才能の有りそうなゴブリンを育てているらしい。
うむ、凄い。ハッキリ言って人間の村より発展してるっぽい。あの3人はそう言えば100年ぶりに階層突破し300年前の勇者達に匹敵する怪物だったのだ。彼らの能力は俺には理解できない程凄かったのを忘れていた。
「主殿、一大事でござる。」
「どうした、アーサー?」
「森の中にダンジョンらしき入口が有るでござるよ。」
「ダンジョンが、何で有るんだ?」
「さあ?」
聞いた俺が馬鹿だった。ダンジョンが何故有るのか知ってる人間などいないからだ。そもそも何時から有るかもわかって無いのだ。神が人に試練と祝福をを与える為だと考えられていたのだ。
「アーサー案内してくれ、ゴブ吉やバーバラも連れて行こう。」
「御意。」
そして俺達4人とゴブリンの狩猟隊10匹はダンジョンの入り口を目指して森の中を進んだ。2日程森の中に入ると強い魔獣が出現する様になってきた。ゴブリン狩猟隊が苦戦する相手だ、オーガ級の魔獣だった。最もアーサーやゴブ吉には問題にならない相手だったが。
「うむ、こ奴らはもう少し鍛えねばなりませぬな。これでは主の役に立ちませぬ」
アーサーはゴブリン守備隊が不満らしい。ハイソードゴブリンだからオーク級とやっと戦えるクラスだからしょうがないと思うのだが。
「やはり、ジェネラルソード以上でないと主の役には立ちませんな。」
「そりゃあ、ジェネラルソードゴブリンだったら強いよな、お前の一つ下のクラスだからな。」
「うふふ、私も早くプリンセス級のヒールゴブリンを育ててマスターのお世話をさせますわ。」
「いったい何の世話をさせるつもりだ。バーバラ。」
「それはもう、下の世話とか色々ですわ。」
「ふっふっふ、ゴブ吉も負けてられないごぶね。」
「師匠に強い子分を作ってやるゴブ!」
「そんなに強いゴブリン作ってどうすんだ?」
「強くなると色々出来て便利ごぶよ?良いゴブリン町が出来るゴブ。」
「そう、主の護衛は強くなくては。」
「ふふふ、マスターの子孫繁栄の為ですわ。」
どうも3人共別々の目的があるようだ、バーバラの目的はちょっと困るのだが。バーバラにはどうも言いにくい。ずっと面倒を見て貰っているので頭が上がらないのだ。ハッキリ言って尻に敷かれている状態だ。そしてバーバラの尻はとても良い尻なのだ。
「ここか、アーサー。」
「はい。ここでござる。」
村からかなりの距離がある。約2週間かかったので、森の真ん中位まで来たはずだ。確かにここに近づくにつれ魔獣が強くなってきた。このダンジョンから出てきているせいかも知れない。聞いた話だとダンジョンからたまに、魔物が溢れる程出る事が有るそうなのだ。
「ここがそうなのか?」
「主殿、街のダンジョンの入り口ににていませんか?」
「そう言われてみればそうだな。森の中にいきなり洞窟があるのも変だ。」
「取りあえず入ってみるか。」
ダンジョンに入る時の何時もの陣形を組む。アーサーが先頭でゴブ吉・バーバラ・俺の順番だ。それに今回はゴブリン10匹が俺の後ろについてきている。
「あれ?」
「おお、仲間でござるな。」
ダンジョン1階層はゴブリンの住む層だった。ゴブリン達が寄ってきて俺達に挨拶している。街のダンジョンと同じだ。俺達がドンドン進んで行くと先回りして罠を解除してくれている。中々いい奴らみたいなので、持っていた干し肉をやったら喜んでいた。
そのまま進んで階層主のいる10階層にたどり着いた、中に入ってみるとやはり5匹のゴブリンが居た。1匹はハイソードゴブリンで残りはソードゴブリン2匹とメイジゴブリン2匹だった。5匹は跪いて俺達に魔石を渡してきた。やはり、先に行かせてくれるらしい。ゴブリン達に挨拶して転送陣に乗ってダンジョンの外に出る。入り口から少し離れた森の中に出てきた。少し待っていると俺たちの後ろにいたゴブリン達も転送されて出てきた、やはり階層主が通してくれたらしい。
「さて、どうしようかごぶ吉、街のダンジョンに似てる様だな。」
「ここに村作るゴブ!、ダンジョンでゴブリン育てるゴブよ。」
「うむ、拙者も賛成でござる。こやつらは弱すぎます故」
「ふふ、私もそれが宜しいかと思いますわ。」
「そうか、それじゃあ一旦町に帰って準備しよう。ダンジョンで魔石が取れたら儲かるしな。」
俺達は町に帰って、ダンジョンの入り口に村を作る準備を始めた。ダンジョンを攻略する為に保存食や装備を整えられる体制がいるのだ。もし魔物が溢れる暴走状態になっても良いようにある程度の戦力も必要だった。そこでゴブリン達から上位100人を選び村を作りに行かせる事にした。隊長は勿論アーサーだ、そして一月たったらごぶ吉がいく事になった。アーサーかごぶ吉が居ればダンジョンが暴走しても何とかなりそうだからだ。バーバラと俺は留守番だ、たまに行ってバーバラのレベルアップをする事にした。
こうして俺がこの領地に来て一年が経った。村の人口は300人から400人を少し超える程度。ゴブリン達はダンジョン村に200匹、俺の家の裏に800匹の住む町を作り出していた。そしてゴブリンウオーリアーの中には海で魚を捕るゴブリンや森で木を切るゴブリン達も出てきていた。彼らは力が強く働き者だった。
「男爵様、今度男爵様着任1周年記念の祭りを開こうと思いますが宜しいでしょうか。」
「うん、良いよ。」
「この村も随分豊かになりました、すべて男爵様のお陰でございます。」
「はは、俺は無いもやってないから。」
村は何の愉しみも無いので、良く祭りが開かれる。何もする事が無いのだ、祭りでもなければ美味い物を食べたり酒を飲んだりする事もない。それで何だかんだと理由を付けて祭りを開くのだ。要は皆もたまには贅沢して息抜きしたいのだ。
「師匠、良い物作ったゴブ。」
「何作ったんだ?」
「でっかい風呂ゴブ。」
「でっかい風呂は水汲んだり、沸かすのが大変だぞ。」
「心配ないゴブ、お湯が出ている所が有ったゴブ。」
ゴブリン町の西にお湯が沸いているのを、狩猟していたゴブリンが発見したのだそうだ、ゴブ吉は俺が風呂好きなのを思い出してでっかい風呂を俺の為に作ってくれたのだ。
「お~、ゴブ吉凄い風呂だな。」
「ふふ、熱い時は水入れると丁度良くなるゴブ。」
「俺達だけで入るのは勿体無いな、30人位一度に入れそうだ。」
「交代で皆入るから、大丈夫。今、女湯も作ってる所ゴブ。」
「じゃあ、宿屋も作って温泉宿にするか。」
「まず、村の連中を相手にやってみるゴブ。」
その後、30人程一度に入れる風呂が二つ出来上がり、男湯と女湯が出来上がった。両方露天風呂だか湯船の周りはスノコを敷いて足が汚れない様にしたり。風呂上りに食事が出来る様に小さな食堂が出来たりして少しずつ温泉宿らしくなって行った。
村の祭りの時にこの温泉宿を紹介し、村人も一回100ゴールドで入れる様にした。また、食堂の従業員として村の娘を3人雇ったので村の産業と娯楽になった。村の年寄連中は温泉に喜び、若い者達は食堂の娘達が作る手料理を喜んでいた。ゴブリン達にも現金収入が出来たので、皆にとって良い施設になった。
「おい、ゴブ吉。あの露天風呂の有る所はなんていう名前だ?」
「あそこに名前無いゴブよ。」
「じゃあ、ゴブリンの風呂にするか?」
「ゴブリンは一般的なイメージが良くないから駄目ごぶね。」
「そうか、俺は好きなんだがな~。」
「じゃあ、ベップって言うのはどうかな?」
「ベップ?」
「別の所の風呂。略して別風呂。言いにくいから、ベップ」
「何か良いゴブ!世界2位のお湯が出そうゴブ。」
こうして人外魔境にベップ温泉が誕生した。ゴブリンによる異世界史上初の温泉施設の爆誕で有った。




