第14章 ミノタウロス戦再び
評価下さった方、ブックマーク下さった方ありがとうございます。
やる気が出て来たので、1日早く書けました。
僕は一人じゃないんだ!って感じですね。
「ゴブ吉、だいじょうぶか?」
「キツイ、ごぶ!」
ダンジョン31階層、俺達は体中に草を付けて地面を這いまわっている。草が口の中に入って来るが何だか段々慣れてきた。アーサー達は俺達の20メートル程後ろに居る、良く目立つ様に金ぴかの鎧を着て貰っている。俺とゴブは目立たない様にくすんだ色合いの鎧だ。そしてエリーゼはレベルアップで力が増したので全身が隠れる位の大盾を持っている。
「ゴブ吉、罠が有るから左に行くぞ。」
「了解、ごぶ。」
草を揺らさない様に手で草をかき分けながら俺とゴブ吉は進んでゆく、それを見たアーサー達も罠を避ける為に俺達の後をゆっくり歩いて来る。泥まみれで汗びっしょりだ。いい加減疲れて来たので、早くミノタウロスが出てきて欲しい。
「主殿!」
ミノタウロスが出てきたようだ、でもこっちは草の陰で全然見えない。アーサーが突撃する。俺達はアーサーが走って言った方向に必死で這って行く。エリーゼとバーバラは大盾の後ろで防御している。
やっとミノタウロスの所にたどり着いたが、既にアーサーが3匹全部を倒していた。
「すまん、チョット休憩だ。」
「キツイゴブ!」
バーバラから水を貰って少し休憩。ハッキリ言って俺達の努力は無駄に終わった。もう、立って歩いた方が移動速度が上がる分だけマシな気がする。この方法は俺とゴブ吉が安全なだけでメリットが見当たらない。
「アーサー、飛んできた石や槍を打ち落とせるか?」
「余裕でござる。」
「よし、今度は俺はアーサーの後ろを歩く、ゴブとバーバラはエリーゼの盾の陰に隠れる作戦だ。」
「やっと、歩けるゴブ。」
「任せるッスよ。」
今度はサクサク進めた、ミノタウロスが出てきたらアーサーが突っ込み、俺達はエリーゼの盾の後ろに隠れるのだ。乱戦になれば、投擲しなくなるので、そのまま進むだけの簡単なお仕事だった。ミノタウロスが同時に出て来ない間は。
「主殿、2組同時でござるご注意なされよ!」
アーサーが右のミノタウロス達にに突撃したので俺達は盾の後ろに逃げ込んだ。
がす!ごん!
「痛!」
「痛い!ゴブ!」
4人で一つの盾に隠れるのは無理があった。盾からはみ出た俺とゴブに石が当たるのだ。おまけに俺達が動かないから余計正確に当たりだした。これなら石を見ながら避けた方がましだった。
「ゴブ、ファイアーウオールだ!」
「ゴブ!」
俺達の前方20メートルの位置に炎の壁が出現する。高さ3メートル幅10メートルの大火力だ!
「いて!」
「だめ、ごぶよ!」
ファイアウォールでは投石は防げない様だ。石が熱くなって威力が増している様な気さえする。
「ゴブ吉、ファイアーボムで石を壊せ!」
「了解ゴブ!」
ボム!ボム!ボム!
空中の石が粉々になった。
「お~成功だ!やったなゴブ吉!」
「ふふん、当然ごぶ!」
やっと攻略法を見つけた俺達はがっちり握手した。
ボム!ボム!
「いて!ゴブ!」
たまに外れて石が当たるが、全部あたるよりマシなので我慢した。折角かった鎧にも仕事をさせたかったので丁度いい。
「主殿申し訳ありません、手間取りました。」
いつの間にか、もう一組のミノタウロスを倒していたアーサーが帰って来た。
「大丈夫だ、問題ない。」
「うむ、死なない限り大丈夫ゴブ!」
血だらけになりながら笑っている俺達を見てバーバラ達はドン引きだった。
「バーバラ、ヒールを頼む。」
「はい、マスター」
バーバラに治療をしてもらい俺達は先に進む。そうバーバラさえ無事ならば俺達は平気なのだ。何の問題もないのだ、計画通りなのだ。
そうして俺達は先に進み、安全地帯で一泊することになった。晩飯は豪勢な物をバーバラと一緒に作った。高級肉のステーキと野菜たっぷりのスープだ。食後には果物もある。昔からは考えられない程贅沢だ。
風呂は流石に無理なのでタオルをお湯に浸して体を拭いただけで済ました。上手く行けば明日は家に帰れるので、またバーバラと風呂に入れるはずだ。
「アーサー今レベル幾つだ?」
「18でござる。」
「お~、明日階層主やったら上がりそうだな。」
「愉しみでござる。」
「負けないゴブ。」
次の日も俺達は先へと進んでゆく、既に2組のミノタウロスなら余り当たらず迎撃出来るようになって来た。3組に同時に攻撃された時はひどい目にあった。一組はアーサーが何時もの様に向かったから良かったが、俺とゴブ吉は7匹のミノタウロスに狙われているのだ、ゴブ吉も必死に迎撃してるが、同時に2方向からくる7個の石は迎撃できないで結構当たる。
「痛いゴブ!くそごぶ!殺すゴブ!」
「ゴブ吉頑張るぞ!アーサーが来るまでの我慢だ!」
ゴブ吉一人に攻撃が集中するとまずいので、俺もゴブ吉の傍で逃げ回っている。
「主殿、大丈夫でござるか?」
「うむ、問題ない。」
「問題あるゴブ!痛いゴブ!」
「もう少しの辛抱だゴブ吉、もうすぐ階層主だ。アーサーがクラスチェンジしたら次はお前のレベル上 げ祭りだぞ。」
「そうだったごぶ、頑張るごぶよ。」
それからも、同じように戦って俺達は階層主の部屋にやって来た。ここに来るまでに必死に石を迎撃してきたゴブ吉は、同時に5個のファイアーボムを空中に出せるようになっていた。
エリーゼに言わせると、超高速無詠唱・同時多層魔法と言う高等技術らしい、なんか凄くカッコ良い感じだ。ゴブ吉に教えると物凄く喜んでいた。100個くらい一度に出せる様に頑張るそうだ。なので、千個位出せる様に大きな目標を持てと言ってからかった。
「さあ、階層主を狩に行くぞ、アーサーにすべて任す。俺達は防御に専念する。」
「御意。」
「ぐふふふ、お任せれゴブ。」
そして簡単に階層主を倒した、アーサーが。同時に三組10匹位を相手にしてきた俺達に5匹では全く相手にならないのだ、それもゴブ吉抜きで圧勝だ。
「主殿、クラスチェンジ可能でござる。」
「お~、やったなアーサー。」
「やりましたわね。」
「うらやましいゴブ。」
「やったっすね。」
一応皆が期待しているみたいなので、全く必要のない呪文の様なものと踊りを披露して奇声を出した。
「アーサー、我が祝福により変身せよ!」
アーサーが激しく発光して姿を変えてゆく、前回とは全然違う光だ。真っ白で太陽みたいに眩しくて見ていられない。
「主殿、変身終了いたしました。」
俺の前に2メートルを超える物凄い戦士が控えていた。全身鋼の様な筋肉で、精悍な顔付をしている。ゴブリンの名残は緑の髪と目の色だけだ。
名前 アーサー
種族 キング・ソードゴブリン
レベル 1
HP 500 ⇒ 800
MP 100 ⇒ 150
力 350 ⇒ 500
体力 350 ⇒ 500
知力 105 ⇒ 110
速さ 160 ⇒ 200
スキル 剣聖レベル1 斬撃レベル3 眞空刃レベル1 忠誠心レベル4
物凄く強く成った。Aランクの冒険者を突き抜けている。おまけに剣聖スキル持ちなので剣を持ったら、このステータスの3倍位強いのだ。アーサーが暴れだしたら止められる人間は居ないだろう、軍団を出して討伐するレベルの魔物なのだ。そういえばキングゴブリンは騎士団出撃レベルの魔物だった。
「どわ~!凄すぎッスよ!アーサーさん。」
「ふふん、結構やりそうゴブね。」
「あら、うらやましいですわ。」
「と、取り合えず帰ろうか。」
転送陣からギルドに行って、魔石を換金して帰る。アーサーが近づくと冒険者達は皆道を開けた。威圧をしなくても自然と皆避けるのだ。アーサーに聞いてみたら、アーサーの10メートル以内は全てアーサーの間合いなのだそうだ、それを本能的に恐れているのだろうと言っていた。
俺はもしかしたらとんでもない化物を生み出したかも知れない。
俺達の家に帰って、美味しい晩御飯をバーバラと一緒に作った。今日はアーサーのクラスチェンジのお祝いなのでアーサーの好きな物ばかりだ。
そして待望のお風呂タイム。バーバラに背中を流してもらい、一緒にお風呂に浸かる至福の時間だ。この為に俺は頑張っているのだ。風呂から上がれなくなってのぼせかけたても止めないのだ。




