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ゴブリン召喚士  作者: ピッピ
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第13章 ダンジョンを這う



 何とか40階層を突破して帰って来た俺達は今後の対策について考えた。アーサーはミノタウロス相手にも十分以上の力が有った、バーバラはヒーラーなので敵にやられなければ良いのだ。つまりバーバラもミノタウロス相手に十分な活躍だったわけだ。

 ゴブ吉は弱点の射程距離の短さが出てきてしまった。MPも多く無詠唱も出来る万能とも思える能力なのだが射程距離が20メートルしかないのだ。ファイアボムだけではなく他のファイアウォールやランス系も20メートルしか届かないのだ。20メートル以内なら好きな場所に発生させられるのだが。

 

 食事を済ませて全員で居間に集まった。美味しいお茶をバーバラが入れてくれたので皆で飲みながら会議だ。ゴブ吉はお茶菓子を用意している。最近2人は何だか気が利くのだ、人間臭くなってきた。アーサーは脳筋なので気が利かない、エリーゼは食べるの専門だ。


 「さて、これからどうすれば良いと思う?魔物が明らかに強くて賢くなっている。」

 「特訓するゴブ、強くなるゴブ。」


 前回のクラスチェンジで魔法に射程が10メートルから20メートルに伸びているので確かにこれは期待できる。相手に気づかれずに近づくのはとても難しいのだ。今日はアーサーが注意を引き付けてくれたお陰で安全に近づけただけだ。


 「そうだな、それしか無いな。オーガの層に戻って最初からやり直そう。」

 「クラスチェンジまで頑張るゴブ。」

 「あの~、私も強くなりたいッス。」

 「拙者も。」

 「私も強く成りたいですわ、クラスチェンジしたいです。」

 

 俺以外の全員が強く成りたいらしい。俺はレベルアップしても強く成れないからレベルアップに興味が無いが、皆はレベルが上がると強くなっていくのだ。

 ここで久しぶりに自分のステータスを見てみる。腹が立つからここ最近は全然見てない。


名前  ダイ

種族  人族

レベル 49

HP 159

MP 140

力  120

体力 115

知力 120

速さ 110

スキル 召喚魔法ゴブリンのみ 育成レベル3 魚取りレベル3 応援レベル2 荷運びレベル2 


 くそステータスである、魚取りとか応援とか、荷物運びとか雑用ばかりしてたから、スキルにまでなっている。その内料理スキルが付くのは目に見えている。

 ステータスだけを見ればそう悪くない様に見えるが、レベルを見て欲しい俺はレベル49なのだ、高位冒険者のレベルなのに普通のチョットだけ出来る初心者と変わらないのである。俺にはレベルアップの恩恵がまるで無いからだ。皆レベルアップで合計20~25ステータスのパラメータが上がるのに、俺だけ1~2しか上がらないせいだ。

 それでも、これは俺が稼いだレベルじゃなくてゴブ吉が倒した経験値が俺に還元されてる結果なので文句を言う筋合いでもなかった、しかし俺はレベル100でも強く成らないと言う事に変わりはなかった。


 次の日から、オーガ階層でエリーゼのレベル上げをする事になった、アーサーが居ればオーガを料理するのは簡単だ。弱らせてエリーゼが倒すだけの簡単な作業だ。1週間みっちりとエリーゼのレベルアップに付き合った。


 「やったっす、レベルアップっすよ。レベル30になったッス!」


名前  エリーゼ

種族  ドワーフ族

レベル 30

HP 180

MP  90

力  180

体力 130

知力 105

速さ 115

スキル 器用レベル1


 レベル30で中級冒険者の仲間入りだ。パラメータも中級らしいパワータイプのステータスだ。小さいのに凄い力だ、斧をぶんぶん振り回しているのも納得だ。

 ただし、ステータス分の強さは無い。アーサーのおこぼれでレベルアップしてるだけなので1対1でオーガと戦うと苦戦する程度の戦闘能力しかないのだ。でもまあ元々荷物持ちだし荷物が沢山持てる様になったから良いだろう。


 次の1週間はアーサーとエリーゼはお休みにして、俺達3人でオーガ層に来ている。オーガ層で1000万程稼いだので防具を全員分買ってみた。今回は防具を付けての実戦練習だ。オーガ層はゴブ吉が無双できるので安全に色々試せるのだ、おまけに金になる。


 「ゴブ吉、やれ!」

 「ごぶ!」


 オーガ相手には何の危険もなくかたずけて行く、最後の1匹は気絶させているので、バーバラが止めを刺している。


 「バーバラ、鎧の調子はどうだ?」

 「少し動きにくいですが大丈夫です。」


 俺達はミノタウロス戦で得た経験で、防護用の鎧を新調していた。即死さえしなければバーバラに回復してもらえるのでバーバラを完全に守らなくてはならない。よってバーバラの鎧は俺達より重い。頭を守る鋼鉄の兜、心臓を守る胸部用の金属鎧を魔導士用の鎖帷子を埋め込んだ服の上に着こんでいる。全部で30キロ程ある。


 「動きにくいが頑張れ、バーバラに死なれたら困るんだ。」

 「うふ、分かりましたマスター、頑張りますね。」


 俺とゴブ吉の装備はバーバラより軽い、地面を這いまわるために軽くしてるのだ、その代り肘と膝に金属のプレートを埋め込んで怪我をしないようにしている。この装備でもオーガに頭を殴られたら気絶するだろうが、死にはしないはずだ。一番役に立たない俺も今回は新しい武装を買って来ている、弓だ。一方的に攻撃を受けるのは精神的にこたえるので反撃出来る武器を買って来たのだ。最もスキルを持ってないのでただ打ち返しているだけだ、離れた位置からの弓の攻撃は簡単に避けられるのだ。よそ見をしてるか不意打ちじゃないと当たらないし、当たっても相手が怒りだすだけだろう。


 こういう生活を1月程繰り返していたが、エリーゼのレベルが極端に上がらなくなってきた。勿論ゴブ吉達も上がらない。


 「そろそろ、潮時っすかね?」

 「今レベル何だ?」

 「33ッス」

 「アーサー達は幾つだ?」

 「拙者、15でござる。」

 「8ゴブ!」

 「7ですわ。」


 やはり、ミノタウロスで経験値を稼いだアーサーだけがレベルが高い、あと5上がればクラスチェンジだ。これはやはり、ミノタウロス階層でアーサーを育てるのが一番良さそうだ。


 「よし、それじゃあ三日間休憩して、それから31階層でミノタウロスを狩る。アーサーに経験値を集め てクラスチェンジを狙う。」

 「了解ゴブ!」

 「御意。」

 「分りましたわ。」

 「了解っす。」

 

 こうして3日間の休息に入った、なにせミノタウロスの階層に入れば俺とゴブ吉は地面を這いずり回るのである。今回は肘と膝に金属プレートを付けてるので全開よりはマシとは言えかなりキツイダンジョン探索である。考えてみて欲しい10キロ近く地面を這いまわる辛さを。まあ、死ぬよりましなんだが。


 「ゴブ吉、明日から頑張ろうな。」

 「シショウと一緒に頑張るごぶよ。」


 思えばこいつと一緒に頑張りだしてから一年位になった。最初から比べると信じられない程こいつは強く成った。そしてゴブ吉のお陰でアーサーやバーバラも仲間になってくれたんだった。自分たちの家を持てたのも全部ゴブ吉のお陰だったのに気が付いた。俺一人なら今頃ボッチでEランク冒険者として細々と毎日暮らしていたはずだ。


 「ゴブ吉、ありがとうな。今まで。」

 「シショウのお陰で、ここまで来れたゴブ!気にすることないゴブよ。」


 俺達がしんみりしてたら、バーバラが風呂の用意をしてくれていたらしい。


 「マスター、お風呂どうぞ。」

 「ああ、ありがとうバーバラ。」


 そういえばバーバラは最初から俺の世話を焼いて良くしてくれたんだった。最初は不細工だったが、クラスチェンジのたびに巨乳になり綺麗になっていったんだった。今ではゴブリンじゃなくて巨乳の気の良い村娘って感じだ。

 昔を思い出しながら、ゆっくりと風呂に浸かっているとバーバラがやって来た。


 「お背中ながしましょうか?」

 「ああ、たのむよ。」


 何時もは恥ずかしいから断るのだが、バーバラの好きにさせようと思って今日は断らなかった。

 バーバラはバスタオルを腰に巻いて入って来た。もう胸はモロ見えだった、隠す気はないらしい。


 「前も洗いましょうか?」

 「いや、前はいい!自分でやるから!」


 下半身が大変なことになってた俺は風呂に飛び込んだ。さっきの胸がチラついて全然収まる気配がない。何とか収めようとしてたが、真っ白な太腿とかも思い出し更に大変な状態になってきた。


 「どうしたんですかマスター?顔が真っ赤ですわ。」

 「う、うんチョット風呂にのぼせたみたいだ。」


 大急ぎで風呂から上がって、コソコソと服を着て部屋に帰る。そういえば、元はゴブリンだから胸を隠す習慣なんかは無いのを思い出す。今度は胸を隠す事もバーバラに教えなくてはいけないな、いや教えない方が絶対良いなとか考えてた。

 どちらにしろ俺のやる気は全開だ。アーサー達を手早くクラスチェンジして、バーバラをクラスチェンジするのだ、いったいどれほどの良い女になるのか楽しみだ。明日からのミノタウロスも全然嫌じゃなくなってきた。バーバラに感謝しつつそのまま寝た。



 





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