第10章 新しい仲間
評価点いただいた方ありがとうございます。
感謝の踊りを舞ってひっそり次話投下です。
次の日の朝早く俺はギルドに行き。荷物運びをしてくれる人について聞いてみた。荷物運びの希望者はダンジョン前に沢山居るので、自分で好きな人を選べば良いそうだ。早速ダンジョン前に皆と行ってみる。
「お~、一杯いるな~。」
ダンジョン前に。荷運びの人達が50人程いて、自分を売り込んでいた。皆身体が大きくて強そうだった。そして全員自分のデカイ背嚢を背負っていた。冒険者のタグも鉄や鋼鉄が多く多少の戦闘も出来る様だ。だが、荷運びがメインなので全員軽装だ。
大体安い人で1日1万ゴールド、戦闘もこなすプロ冒険者は1日10万ゴールド位らしい。
「凄いですわね、中には結構強そうな方もいますわ。」
「主殿、拙者100キロ位なら余裕で背負えますぞ。」
「お、俺だって頑張れば50キロ位背負えるゴブ!」
「アーサーは切り札の前衛だから、身軽じゃないと駄目だ。ゴブ吉は体力無いから無理。」
周りは凄く賑やかだが、俺のところには売り込みが来ない。まあ見た目は弱そうだし、稼ぐように見えないからしょうがない。ゴブリン連れてるしな。他の強そうなパーティーには沢山売り込みが囲んでいる状態だ。
まあ見ただけで俺達の強さが分かる人間なら荷運びなんかせず、自分でダンジョンに潜ってるだろう。
「あの、シルバーのお兄さん。私を雇って下さいませんか?1日5000ゴールドで結構です。」
後ろに居た小柄な女の子に声を掛けられた。
とても小柄な女の子だ、145センチ位しか無いのに大きな背嚢を背負っている。
「雇っても良いけど、荷物持てる?」
とても力が強そうには見えなかったが一応聞いてみた。スキル剛力や獣人なら見た目と違い凄く力が強いからだ。
「私、ドワーフだから力は強いんです。大丈夫です、いっぱい荷物持ちますからお願いします。」
「もう、3日も何も食べてないんです。お願いします。」
「可愛そう、ごぶ。」
「それは、いけませんね。」
「かわいそうでござるな。」
「・・・・・・・」
俺はこれがセールストークなのを知っていたが、ゴブリン達の純真さを気に入っていたので言わなかった。だから、試しに俺の持っていた水の袋20キロ程を持たせてみた。
「それじゃ、これ持って。」
「はい。」
彼女は軽く片手で持ち上げた、ドワーフというのは本当らしい。
「ほんじゃ、合格ね。日当一日1万ゴールド。儲かったらボーナス出すよ。」
運び手が増えたので、食料と鍋や釜何かを買い出しに行く。今回の目標はオーガ層突破なので3日分の食料を買い込んだ。食料と水だけで50キロ位有るが彼女は平気な顔で運んでいる。おれは鍋や釜やテントを運ぶ、魔石が取れたら、魔石も運ぶ予定だ。
その後、ダンジョンに入る前に皆で腹いっぱい朝飯を食った。飯を食いながら皆を紹介する。
「俺は、ダイ。このパーティーのリーダーだ。人間な。」
「こいつは、ゴブ吉。見ての通りゴブリンだ。ゴブリンのメイジだ」
「こっちが、アーサー。ゴブリンの剣士だ。」
「そして、バーバラ。ゴブリンのヒーラーだ。」
「え~!、皆さんゴブリン何ですか?ゴブ吉さんはまあ分かりましたけど。」
「あっ、私ドワーフのエリーゼです。幼く見えますが17歳です。宜しくお願いします。」
アーサーとバーバラは普通の人間に見えるから、正体を聞いたらそりゃあ驚くだろうな。俺だってゴブリンがこんなに進化するとは思わなかったし、聞いた事も無いからな。
エリーゼが金に困ってるのは本当らしく、父親が借金を作って蒸発したらしい。家賃が払えなくなって今は荷運びをしながらの、その日暮らしらしい。冒険者に成ったが、外見が小さいからパーティーに中々入れないし、男ばかりの所は怖くて入れないのだそうだ。
「心配すんな、2人とも強いから。オークは瞬殺だから。」
「そうゴブ、エリーゼを守るゴブ!」
「安心めされよ。」
「そうですよ、マスターの言う通りにすれば、間違いありませんわ。」
それじゃ、行こうか。目標は30階層、オーガの討伐だ。
「え~!そんな所に行くんですか、私20階までしか行ったことありませんよ。」
「それは奇遇だな。俺達も20階までしか行った事が無いんだ、仲間だな。」
荷物持ちを失いたくない俺は、必死に説得してダンジョンまで彼女を連れて来た。大丈夫痛くしないから、とか少しだけだからとか言って歩いてきたので、周りの人に通報されそうになった。
ダンジョン入り口で5人分、5万ゴールド払い入場する。転送陣を使い21階層へ転移。
「先頭は、アーサーとゴブ吉、次にバーバラ。俺とエリーゼは後ろで応援だ。行くぞ!」
5人でぞろぞろ21階層を歩いて行く、俺は地図を見ながら罠の位置をアーサー達に教えて行く。この層は森林地帯だ、まばらに木が生えてる中に道が真っすぐに続いている。横から襲われると厄介そうだ。
ぐお~おおおお!!!
林から飛び出てきたオーガが俺達を威嚇する。デカイ。2メートル近くある巨人型の魔物だ。頭に角が1本生えている。腕の筋肉も物凄い、俺やゴブ吉は殴られたら即死だろう。
「ゴブ吉やれ!」
「任せるゴブ!」
どごん!こっちに走って来たオーガの顔の左半分が吹き飛ぶ、そのまま絶命し俺達の足元まで滑って来て止まる。オーガも脳が吹き飛ぶと死ぬみたいだ。当たり前だが。
「ふふん、チョロイっす、ごぶ!」
「すげ~、ゴブ吉さん、マジすげーッス!」
初めてゴブ吉のファイアボムを見たエリーゼは興奮している。オーガは本来Cクラス冒険者がチームで戦う相手らしい、異常に耐久力があるので、瞬殺するにはBクラスの剣士か騎士の実力がいるのだそうだ。
耐久力が幾らあってもゴブ吉のファイアボムで脳を吹き飛ばされれば関係ない、即死である。それからもゴブ吉の無双が続いた。
「ふんふんふ~ん、ごぶ。」
どごん!どごん!
ゴブ吉君がご機嫌である、ゆっくり歩きながら鼻歌を歌っている。オーガが近づいて来たらファイアボムで頭を吹き飛ばしている。俺とエリーゼは魔石拾いである。午前中で26階層の安全地帯にたどり着いてしまった。昨日のオークの方が数が多いので苦労した程ラクショーだった。ただ、俺達4人は散歩しただけである。ゴブ吉無双であった。
安全地帯で何時もの様に俺が昼飯の支度をする。今回は大量に食料を買い込んで来たので豪勢だ。特に高級肉を買い込んでいるので腐らないうちに焼いて食べる。そうステーキ祭りなのだ。ついでに水を減らして荷物を軽くするためにスープも沢山作った。
「さあ、出来たぞ。皆食え。」
「いただきます、ゴブ。」チラ、チラ。
「いただくでござる。」
「いただきます。」
「凄い、ゴチソウです。こんな食事の出るパーティー無いっすよ。」
エリーゼが豪華な食事に感動している。俺達は金を稼いでも使わないから余裕があるのだ、なんせ金を知ってるのが俺だけだしな、ゴブリンは金に興味無いのだ。それに今回は3日分の食料を持ち込んだが後は1食分有れば良いだけだ。捨てるのももったいないので全部食べるのだ。
うむ、さっきからゴブ吉が俺をチラチラ見てくる。何か言いたいことが有るのに我慢してる感じだ。
「どうした?ゴブ吉、トイレか?」
「違うごぶ!、俺クラスチェンジするゴブ!」
「早く言え!」
「よし、それじゃあクラスチェンジ行くぞ~。」
「ナンスか?それ。」
「まあ、見てろって。」
エリーゼが見ているので俺は関係ないがカッコ良さそうな呪文を唱えたり瞑想したりして場を盛り上げていく。ゴブリン達も凄く期待した表情をしている。うん、荷物運びと食事当番しかしてないので、俺も目立ちたいのだ。
「きえぇぇぇ~い!!!目覚めよゴブ吉ぃぃぃ~い!!!」
強い光と共にゴブ吉の体が変化する、少し大きくなったようだ。身長は165センチ位かな、俺より少し低い感じだ。
「ふっふっふ、ゴブ吉は生まれ変わりましたぞ、ゴブ!」
そうゴブ吉は生まれ変わった、少し大きくなって普通の人間に見える。ゴブリンの名残は髪の色と目の色が緑色の所だけだ。でも何か普通なのだ、個性が無いというか。アーサーは強そうになったり、バーバラは胸が大きくなったりしたのに個性が無いからがっかりした。
「何か、普通だな。」
「ししょう、外見で人を判断してはいけません。中身で勝負ですゴブ!」
外見が普通になっただけなので、エリーゼも余り驚いてなかった。つまらないので、取り合えずゴブ吉のステータスを見る事にした。
名前 ゴブ吉
種族 ミニチュア・ロード・メイジゴブリン
レベル 1
HP 250
MP 500
力 120
体力 140
知力 115
速さ 140
スキル 上級火魔法 忠誠心レベル4
確かに強くなった、宮廷魔導士に成れる位の強さだけど、バーバラと余り変わらないんだ、クラスが同じだから当然なんだが。エリーゼはゴブ吉のステータスを見て驚てる。
「凄いっす、ゴブ吉さんAランクの魔導士並みっすよ!怪物級っす。憧れるッス!」
「ふっふっふ、サインいるゴブか?」
ゴブ吉はエリーゼに受けて喜んでいるから、まあ良いか。結局食料が勿体ないのでそこで1晩泊まって次の日の朝出発する事にした。
ゴブ吉の上級火魔法は晩飯の支度に大活躍したのだった。自分のステータスは見なかった、どうせ大した事ないし、また、魚取りみたいなカススキルが付いていたら嫌だからだ。




