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2 さりどさるど

 俺はSALのレベルDエージェントだ。通称SALDさるどと呼ばれている俺らのチームは最初のエリートランクDのいわば極秘チームである。


 そして、日々チームのメンバーとある任務についている。


 それは意識原体プロトタイプという人の根底にある、物事を認識する意識について様々な調査をするセクションだ。そもそも人間が何かを考えるときにこのプロトタイプが影響を及ぼしていると考えられているのだが、実のところそれの形がどういうものであるのかということはわかっていないのだ。


 人類は自分たちの意識の源泉がなんであるのか宗教やら哲学やら、果ては科学で求めてきたのだがもちろんはっきりしたところがわからない。


 だからSALDサルドの俺たちが、探索しているというわけなんだが。


 俺たちの探索の成果として、人を形作る意識原体プロトタイプというものがあり、

それが人間の意識の源泉であり、また認識の成立させるための先験的な要素であることが哲学学者がいうように重要なことだとわかってきた。


 しかしその意識原体プロトタイプの具体的な形は不明なまま。

俺たちが毎日せこせこ活動しているのであるが、実はあまりこれが進まないんだな。まあそれはおいておくとして、でも制限もあるんだけどね時間的なね。


 それは予言。

 2〇18年になると光と闇が交差し、顔をだしてくるという。だからそのときの準備をしないといけないと日夜活動しているというわけ。あと数年しかないのだから、その時までと一応俺たちも気合が入っているのではある。


  ということで、俺たちはどこにあるかいつ作動するかもわからない、意識原体プロトタイプと毎日ランデブーというわけさ。


 時には実にわけの分からないあやかしのような方法を使うこともあるんだが、実は通常はとても地味な方法でしか実務はおこなっていないのだ。


 簡単なところでは、例えばマスコミやSNSもなどを使い、人々の反応をみたりするという初歩的なものが一番よくやる方法だ。


 それはわかりやすい。マスコミがやっていた情報操作と似たような方法論。しかしボクらがするのは意識の形式を調査するため、認識の源泉を見つけ出すためのものだから確かに少し違った形になる。


 どちらにせよこの方法だと、分析対象が言葉になるから、単純で目で見えるものだ。だからレベルAかBの段階の分離セキュレーションとなる。俺らはレベルDだからこれをする実行部隊ではないのさ。


 まあこの意識操作についてはあまり語るとのちのちエージェントが活動しにくくなるかもしれないので若干にしておくが、最近はそれは知られてしまったり、あまり露骨に使えなかったりしてきている。

しかしまだまだ気づいていない人も多いので、実際便利に使えているのだ。


 いろいろなデマ情報を流して、それを人がどう受け取るのかなどを分析したりもしているが、

余計に情報を流しすぎると、情報に妙な意図的なものを感じてしまうらしく。


 感のいい敏感感覚者ルナネイティブと呼ばれている人たちにそれを逆手に利用されてしまいますたなんてことも結構あるのだ。

 

 どのレベルでも俺たちは、隠密に行動するエージェントなのだからそれは本当に死活問題なのだ。


 だから数人のエージェントに潜入捜査アンダーカバーではなく、潜入操作マニュプレートとして表舞台に立たせる場合もある。彼はわれわれの活動を隠すための隠れ蓑として、違うスケープゴートを準備して人の目先をそらしたりしているのだ。


 これらはSALAかSALBの役割だし、また極秘ミッションのレベルが高くてもSALDの通常チームがする。俺はある事情によってその任務には訓練でしかついたことがない。聞いたところによると、この潜入操作(マニュピュレートは、単純なんだが結構つらい任務らしい。


 普通ならそれをいくつも経験してからでないとレベルDにのぼり、いわゆるエージェント資格を得ることはできないのだが、ただ一つ特殊なセクションがある。


それがSALIDさりどなんだ。俺はそのさるどさりどのエージェントというわけ。

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