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黒い霧   作者: 千菊丸
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【第25話】

2010年3月―


総司が自殺してから二ヶ月が過ぎ、真弓達は無事高校を卒業した。


「卒業おめでとうございます、先輩。」

「ありがとう、里華ちゃん。あたしが居なくなっても、頑張ってね。」

「はい!」

後輩達に惜しまれながらも真弓達は卒業式の後、3年間通った高校を後にして、真緒と待ち合わせをしているファーストフード店へと向かった。

「ごめん、待った?」

「ううん、今来たとこ。それよりも、4月から同じ大学だね?」

「そうだね。」

「葛城さん・・だよね?今まで、あなたの事を誤解してた。ごめんなさい。」

「いいよ。それよりもさぁ、大学では仲良くやろうよ。あたし、高校では友達、居なかったからさ・・」

真緒はそう言うと、真弓達を見た。

「あたし、あんた達が羨ましかったんだ・・痩せてて綺麗で、明るくてさ。あたしとは大違い。でも、これからはそんなこと思うのやめる。」

「葛城さん、これから宜しくね。」

「こちらこそ。」


湊が差し出した手を、真緒はしっかりと握った。


「ねぇ、これからカラオケ行かない?」

「いいね、行こう!」


店を出た真緒は、真弓達と一緒にカラオケへと向かった。


一方、歳三は突然退学した豊の事が気になり、彼が住むアパートへと向かった。


「芹沢、居るのか?」

「芹沢さんなら、引っ越しましたよ?」

「何処にですか?」

「さぁ・・妙に静かだなぁと思ってドアを叩いたら、誰も出なくて。大家さんに頼んで鍵を開けて貰ったら、もぬけの殻でした。」

「そうですか・・」

「まぁ、出て行ってくれてよかったですよ、あの人達。殺人犯の身内が近所に住んでいると、何かとねぇ・・」

豊達が住んでいるアパートの前の民家から出て来た主婦は、そう言うと歳三を見た。

「あの、芹沢さんのお知り合いですか?」

「いいえ・・」

「そうですか。あの人達が何処に引っ越したのかはわかりませんよ。」

「わかりました、ありがとうございました。」


詮索がましい主婦の視線を背後に感じながら、歳三はアパートを後にした。


『先生、里華です。お兄ちゃんの部屋から、日記が出て来ました。』

「日記なら、銀行の貸金庫に預けてあったやつだけだろ?」

『それが・・兄の部屋を物色したら、古語辞典の中からUSBメモリが出て来て・・』

「わかった、すぐ行く。」


沖田家へと向かった歳三が車を降りると、里華が総司のUSBメモリを握り締めながら彼の方へと駆け寄ってきた。


「これです。」


リビングに置いてあるデスクトップでUSBメモリの中身を確かめると、そこには衝撃的な内容が書かれていた。


【土方さんは、僕の事を余り構わなくなった。やっぱり、嫌われているのかな?】

【最近結婚するって噂聞いたし・・男同士だと、オープンに出来ないもんね。】

【やっぱり、駄目なのかなぁ・・】


「先生、これ、どういう事なんですか?」


歳三が我に返り里華の方を向くと、彼女は恐ろしい形相を浮かべて自分を睨みつけていた。


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