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黒い霧   作者: 千菊丸
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【第13話】


真緒は、溜息を吐きながらベッドに寝転がった。


昨夜はやり過ぎたと、自分でも思っていた。

美津子に八つ当たりするつもりは全くなかったのに、何故かカッとなってしまったのだ。


(後で、謝らないと。)


そう思いながら真緒がベッドで寝返りを打っていると、スマートフォンがメールの着信を告げた。

机の上で充電していたスマートフォンを手に取り、真緒がメールを見ると、そこにはクラスメイトの西崎志穂からメールが来ていた。


“真緒、これからどうするつもりなの?まさかあの事、先生には言わないよね?”


志穂がどんな顔をしてこのメールを打っていたのか、真緒は容易に想像できた。

彼女はクラス一の美女で、真緒の容姿をからかい、馬鹿にしていた。

そんな彼女が、近所のスーパーで万引きしているのを、真緒は偶然目撃してしまった。

自然とスマートフォンを取り出し、真緒は志穂が万引きしている様子を動画に撮った。

そしてその動画を、志穂に見せた。


“お願い、黙っておいて。”


自分を散々馬鹿にして見下していた彼女が自分に向かって頭を下げているさまは、滑稽だった。

彼女は自分にしてきたことを完全に忘れているのかもしれないが、真緒ははっきりとその事を憶えている。

志穂を見逃すつもりはないし、彼女は罰を受けるべきだと思った真緒は、その動画を動画サイトに載せ、バックアップデータを取った後、志穂を安心させる為に動画を彼女の目の前で削除した。

だが、彼女の慌てぶりから察すると、動画の存在を知ったらしい。

だとしても、自分には全く関係のないことだ。


彼女は自分が犯した罪を、ちゃんと償うべきなのだ。


「真緒、ママパート行ってくるわね。」

「行ってらっしゃい。」


昼食を食べながら、真緒はパートへと行く美津子を見送った。


「ママ、昨夜は暴れてごめん。ちょっと、苛々してて・・」

「ううん、ママも悪かったわね。お夕飯、何がいい?」

「チーズ入りのハンバーグがいいな。」

「わかった。」


美津子の車が駐車場から出て行くのを見ながら、真緒は食べ終わった食器を洗っていると、スマートフォンがけたたましく鳴った。


(ったく、またかよ・・)


真緒が舌打ちしながらスマートフォンの画面を見ると、そこには“彼”の妹・里華の名が表示された。

何故彼女が自分に電話を掛けて来るのかー真緒は訝しがりながらも、通話ボタンを押した。


「もしもし?」

『葛城真緒さんですよね?兄の事で、お話がしたいんですけれど、いいですか?』

「いいわよ。何処で会う?」

『湾岸沿いにあるショッピングモールで1時にどうですか?』

「わかった。」


真緒は食器を洗うと、素早く身支度を終えて家から出て行った。


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