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紅蓮の神の伝説  作者: 夢神 真
第4章 神と人
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第23話 集マル者ニ伝エル者

今ここに、英雄となり得る者たちが集った。




 ・・・決戦の時は、近い。

 ~三人称視点~


『よっと!』

「はっ!」

「ほいっと」

『ふぅ』

「ニャッ!」

「たあっ!」

「そおおぉぉぉい!」


 グロウスたちの前に、7つの白い円が浮かび上がる。そこから思い思いに飛んでくる、ウィリー、モノ、フェイアン、ツェル、ティティ、フィフィ、ウィウィ。


 今ここに、仲間(超人)でありながら、離れ、互いに鍛えてきた(壁を越えた)者達が、集った。


『ふむ。全て終えたか』

『杞憂で済んで、良かったですね?』

『ああ。皆超えられて良かった』


 グロウス、グレウスの声も届かず、皆話したいことがあるのか集まり始めた。


『ウィウィ!みんなも!』

「やれやれ…皆苦労したはずなのにな」

「顔に疲れのひとつもでておらぬ…精神力の賜物か?それとも…」

『単に子供なだけだと思いますが』

「ニャ!ニャー・・・『・・・フィフィ!』」

「ティティ?喋れるようになったの!」

「皆元気だねー」


『・・・まあ、今はいいだろう』


 皆、今までほぼ一人に等しかったのだ。

 集まる分には、問題はないだろう。


『話すことは、後にするか』


 ―――――――――――――――


「…さて。皆集まったわけだけどさ」

『訓練内容、どんな内容だったの?』

「色々とすごかったわ…はぁ」

「とはいっても俺とフィフィは同じことやってたけどね」

『二人だけ?』

「…その二人がやる内容、と聞くと。なかなかなものじゃろうな」

「ニャ…『すごいこと?』」

「たぶんそうだと思うよ」


 互いに互いのやった訓練の内容を話す。


『私は戦闘訓練のようなものだったわ。自分と同じ…いや、それ以上のなんかよくわからないやつが相手で…』

「あ、それだったら僕も同じだね。自分を写したみたいな感じだったよ」

『…途中から、自分の方から攻撃してましたよ、私は』

「反攻?」

『とまらなかったというか…』


 案外戦闘狂なツェルだった。


「最後のあたりは妾も戦闘をしておったな」

『そうなんですか?』

「俺たちは最初だけだな」

「そうね」

「ニャー…『わたしだけ、たたかってない?』」

「あー…ティティは私の補助だから、ね?」

「ミー」


 ティティが会話に参加できるようになったのは、結構意思疎通の手助けになったようで。フィフィはかなり楽しそうにしている。




「ほえー…」


 なんとなく皆変わったなー、と思ったウィウィは、なんとなく火を取り出した。

 赤から青、そしてそれさえ上回る高温の、白。今までウィウィが使っていた以上のエネルギーの塊で、しかし魔術であるが故に燃え広がるものがなくとも燃え続けるそれは、今自分が最も変わったと言える点だ。

 前から青は出せていた。けどそれを上回るなんていうことはまず無理だった。


『・・・?!』

「おお、これは。かなり精度が上がったのう」

「結構熱も扱いやすくなったのかな、これは」

『・・・光が凄いですね。まぶしいです』

「うわぁ、改めてみると凄い…って、あれ?」


 そんな炎を見て、皆は驚いていたが……


『・・・っ』

「・・・ウィリー?」


 一人、というか一匹だけ物凄い勢いで隠れた。


『・・・ふぅ、落ち着いた』

「どうしたの?」

『いや、ちょっとね…』


 話を聞くと、どうやらウィリーは特訓のときに、色々あって炎が一度ひどく恐ろしくなったらしい。

 今は戻った…と思っていたが、白い炎とかいう見たことのないものに体が拒絶反応を示したそうだ。


『…できることならそれは控えてほしいわ』

「ぜんしょするー」

「絶対遠慮しないよねそれ」




「しかし、皆顔つきが変わったのう」

『そういうフェイアンも変わってますよ?』

「そうかの?」

『吹っ切れた感じっていえばわかるかしら。そんな感じの顔をしている人が多めね』

「つかれたー…」

「どっちかというと私が疲れたわ」


 そんな具合に、皆で互いの変化を確認していった。


 ―――――――――――――――


「…さて、と」

『ウィウィ?』


 ある程度話したところで、ウィウィが何か話を切り出した。


「いきなりなんだけどさ、この後外に出たらしばらく俺は俺じゃなくなる」

『・・・はい?』

「ちょっと頼みごと(・・・・)しててさ。今話せるのはそれのおかげなんだよ」

「ウィウィ・・・大丈夫かい?」

「大丈夫。俺自身がいなくなる訳じゃないから」

「…もしかして、あの黒いやつ(・・・・)?」

「うん」

「その内容なんだけど・・・」


 そういってウィウィは眼に宿っていた黒い自分のことを説明した。その上で、約束の内容を話した。

 ウィウィは、今一時的に体を返してもらっている。今の所持者はあの黒いウィウィだが、一時的に返してもらい、外で決着をつけるという約束をしたのだ。

 ウィウィが勝てば所有権を返してもらい、黒いウィウィが勝った場合は・・・


()が今度は、眼に宿る」

「・・・っ!」


 つまり、逆転だ。


「そうなったらまた黒い方が気絶しない限り、ずっと俺はいなくなる・・・様に見えると思う」

「…それって、ウィウィが勝っても気絶したらまた所有権争いになるの?」

「だろうね」




 ・・・きっと、皆からだけでなく、世界からしても、異端な要素となったのだろう。今のウィウィは。



 それを考え、少しでも皆の助けになれるようにと言葉を考えるウィウィ。



「皆の戦いには、基本参加できないと思う。グロウスの言ってたかの者(・・・)ってのが何なのかわからないけど・・・」

「かっかっか!安心せい、妾らに勝つものなど居らんだろう!」

「ニャ…『私たちに、まかせて!』」

『あの戦いに比べれば、普通の英雄よりちょっとおかしい程度でしょうから。きっと勝ちますよ、私たちなら』



 ・・・しかし、帰ってきた言葉は。自身満々で、気にする必要など何もなさそうなものだった。

 聞いていて馬鹿馬鹿しく感じてきたウィウィは、一つ息をつく。



「・・・ふぅ、なんだか話を聞いてて安心したよ」

「ウィウィ・・・大丈夫なんだね?」

「うん。勝ってくる」

『・・・ウィウィ』

「安心してよ。眼にだけ宿っていたヤツが、体の動かし方をきちんとわかってるわけないよね?」

「・・・大丈夫なのよね?」




 そのフィフィの、最後の質問に、何の戸惑いもなく。




「うん!安心して待っててよ!」




 そう、彼は言い切った。


 ―――――――――――――――


『・・・そろそろいいでしょう』

『うむ。皆、聞け』


 グロウスの声を聞き、皆は並んだ。


『試練を超えてくれてよかった。では―――



 ―――皆からして見れば連戦だろうが。かの者(・・・)の目的を、阻止せよ』

『どうか、よろしくお願いします』


 本来、そのために今まで戦ってきたのだ。

 意思の中でだけとはいえ、数日間ずっと。


 本来、そのために今まで考えてきたのだ。

 意思の中でだけとはいえ、数週間ずっと。


『「「『『「「おうっ!!」」』』」」』




 皆、呼吸を合わせた。

 そして、皆覚悟を決めた。




 ・・・決戦の時は、近い。


 ―――――――――――――――





『・・・ホエー』


 どこか遠くから、何かが彼らを見つめている。


『何ダカ想定外ノ連続デスネ・・・』


 感嘆と共に、こぼれ出る言葉。


『・・・フム、異端要素ハ消エテキタカモシレマセン』


 そういうと、それはどこかに飛び去ってしまう。




『決戦ノ時…ソレガ全テノ終ワリダト、思ワナイデ下サイネ?』

ありがとうございました。

はい、4章終わりです。皆強く…なってるようには見えん人もいるな。うん。

でも今回のおかげで力の根本が変わって、力の出し方とかの効率が良くなったりしてるって点では、成長してるんだろう。見えないけど。

でも目に見えて成長してる人はいるな。ウィリーとか、ティティとか。


・・・動物タイプだけじゃねぇか!!

人じゃねぇよ!



そしてウィウィが爆弾持った。

5章でどんな感じに爆発するのか?というかそもそも爆発するのか?

もともと持たせる気のなかった危険要素が増えて、やっぱり手のつけようがなくなってきた感じです。

まあ楽しいからいいよね?いいとさせて下さいお願いします…!


といったところであとがきを〆ましょう。では5章、【Legend、開幕】。お楽しみにー。

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