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紅蓮の神の伝説  作者: 夢神 真
第3章 雨と月の大地
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第17話 ビギニング・オブ・ジ・エンド

少し寄り道した感もあったけど、ここでいったんストップだぜ。

「えっと、こんなところまではるばるお疲れ様です・・・?」

「あ、えっと、こちらこそ突然お邪魔してすみません・・・?」

「母さんもフィフィも、いつもと違うねー」

「「ウィウィのせいでしょう?!」」


 ミルが復活してから、皆の説明をしたウィウィ。事情を把握したミルは、頭が痛くなる思いだった。


「まさか、もう一人の具現者に、龍まで連れてきちゃうなんて・・・」

『普通ならありえないはずなんだけどねぇ・・・』

「やはりおかしなことなのじゃな。同大陸に、具現者が二人もいるというのは」

『それ以上にフェイアンさんの方が異質だと思いますが…』

「ニャー」

「まあ、そうだよね」

「ティティ…モノまでもそう思うか…参ったのう」


「えっと・・・(今そこで、屈んで猫と話しているのが、最強種と言っても過言でない、龍族らしい。あと、最初に挨拶した女子が、月陰の地における具現者だとか。龍族の話している猫は、彼女の…ペット?そして、龍族の後ろに佇んでいる幽霊が、ツェルという、ヤマトにいた霊・・・か。モノはあのモノだよね)」


 ウィウィから聞いたことを反芻する。そして。


「まあ、ウィウィだし、気にしないほうがいいか」


 いつもの対処をした(考えるのをやめた)


「っと、そんなことでのんびりとしている暇なかった。ウィウィ、村長が呼んでるよ」

「え?村長が?」

「なんだか、話しておきたいことがあるらしいの」


 ―――――――――――――――


「おお、来たかウィウィ。そして、連れの皆様、こんな暑い地ではありますが、ようこそ」


 村長の家に着くと、早速村長が迎えてくれた。


「村長、話したいことって何?」

「それなのじゃが、例の地で話させてもらえるかの?ほら、あの火口内の…」

「分かった。でも、皆を連れて行っていいの?」

「問題なぞない。むしろ一緒に聞いておいてもらいたいものじゃからな」


 そういって村長は、部屋の中にあるスイッチを押し、かつてのように入口を作った。


 ―――――――――――――――


『よく来た、ウィウィ』

「お久しぶり・・・なのかな?」

「おお…広いのう。しかし、なんとなく壊世の雰囲気を感じるのじゃ」


 火口内の像、そこから繋がる精神世界で、像のモデルだった二人が待っていた。始まりの【炎】の具現者、グロウス・ウィウィと、グレウス・ウィウィだ。


「ウィウィご夫妻。あなた方から、直接お話願えますかの。この地自体はわしらが知っておりますが、世界ともなると…」

『よい。分かっておる。では早速だが、説明させてもらおう…』


 そういうと、グロウスは、事の重さを感じさせるがごとく、ゆっくりと話し始めた。




『お主が7歳のころか。我ら…いや、正確にはグレウスか。彼女から、この村がとある者によって散らされる運命にある、と聞いたのを覚えているか?』

「…うん。覚えているよ」

『目的は分からない。故に、これに我らは触れられぬ。お主らだけで解決する必要があるのだ』

『はぁ…それだけを言いに、呼び寄せたわけではないんでしょ?』

『左様。ウィウィ、ここに』

「え?うん」


 言われるがままに、ウィウィは近づく。グロウスの手に届く位に来て…


『止まれ』

「?」


 そのまま、何故か頭に手を置かれた。


「え?え?」

『ふむ…ここまで来たなら、おそらく()も壊せるだろう。その先も、きっと』

「…完全に部外者ね、私たち」

『仕方ないですよ、事実そうですし』

『直にお主らにも関わることだ、今しばらく待たれよ』


 そうグロウスが言うと同時に、手を離す。何をされたのか分からないウィウィをそのままに、


『【世界状態記憶(ワールドセーブ)】・・・これでよろしいでしょうか』

『グレウス、助かる』


 そう二人が言い。




『この地に溜まった、謎のどす黒いマナが膨れ上がり始めている。奴が、来る―――――




 ―――――戦ってくれないか、()と』



 その言葉が彼から発された直後、何かが、変わり始めた。


 ―――――――――――――――


「時は来た・・・」


 グレウス火山の上、はるか上空で、何かが動いている。


「遂に、あの紅い眼を持つ者(レッド・アイズ)に浸食するだけの力が集まったわ・・・」


 人として持つべき四肢と、それを覆う布を持っている。ニンゲンか?否。


「遂に、()を手にする時が来たのよ・・・!」


 鳥として持つべき、黒い一対の翼を持っている。烏か?否。


「あの世界へ・・・私がたどり着くべきあの世界(・・・・)へ!」


 ならば、それら二つを合わせた存在・・・天使なのか?


「ふふフフふ・・・あっはははハハハハァ!!!」


 否。それは、堕ちた者。


 闇に染まっタ、光の者。


 彼女は、自らノ為に。マた上がる為に。光ヲ手にしヨウとスる。


 ソれハ、コノ世カイデn―――――






 ―――――そこから先に、世界からの言葉はなかった

ありがとうございました。

これで三章は終了です。歯切れ悪かったかな?

最後の、途切れた言葉。あれはなんだったのでしょうか…。

とにかく、次回は四章。戦闘シーンがもっとうまく書けるようになればいいなぁ、という願望もありますが。これからもどうぞ、お楽しみください。

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