太陽の具現者と、月陰の具現者
ではいつもの通り、3章の前に一つどうでもいいことを。
「今日も~今日とて~小説タイム~っと」
ガチャリと、何も音のしなかった書斎に変化が訪れた。一人の男が入ってくる。
「前回は何をかいたっかなー…」
その男は、ボサボサの頭を掻きながら、パソコンを起動させた。
「ふむ。今日も今日とてアプデがあるな。無視するか…」
やけに多いアプリに目を通しつつ、彼は一つのフォルダを見つけた。
なぜか、それには紅い眼が描かれている。手作りのようだ。
「炎帝炎帝…って、炎帝要素最近ない気がするけど…気のせいかな」
そういって彼はそのフォルダを開く。中はいくつものデータがあったが、彼は迷うことなくテキストファイルを取り出す。もう位置も覚えているようだ。
「…アイズよ、前の俺はなぜお前を4章で出すと宣言してしまったんだ…」
そのファイルの中身を確認しつつ、それに編集を始めようとしていた。
「まあいい。まずはフィフィのターンだ。姉よ、ありがとうな!追加世界、接続!」
彼は作家だ。すこしアレな人ではあるが。
彼自身は現実にいる。この世の焔の一つも、己の力で操ることもできない現実にいる。
だが。仮にそれが。とあるもう一つの道をたどっていたとするなら?
”もし、彼がその力を操れる体を持っていたとしたら?”
ウィウィ・リベルクロス。
それは、自分と違うもう一つの道を辿ったとされる、もう一つの自分、もう一つの生き方。
生まれながらにして人を外れた者である彼の道のりを。
まるで、己が聞いていたかのように。
まるで、己が見ていたかのように。
彼はまた、一つの物語を創る。