第17話 始まりのように、終われるように
さて、決着だ。
【グオオオァァァァ!!】
「だーもううるさい!【集メル】!」
「復活系魔法の使い手は、たぶん[アイズ]だったんだろうね。【形態:魔壊】」
『だとしてもまずはこいつを倒すわ!【精神統一】!』
全員整った。あとはこいつを倒すだけだ!
「「『うおおおおぉぉぉぉ!!!』」」
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~アイズ視点~
・・・確実ニ、ワタシハチカラヲ見誤ッテイタノデショウ。
「お前の大きさは、一度ウィリーで見ているんだ!【叩キ割リキル】!」
【グギャアアアア!!】
確カニ、ウィリー、モノ、トイウ、いれぎゅらーハアッタノデス。
「甘い。そしてまだ軽い。腐ったからかな…【攻撃:殴】」
【ギャアアアア!!】
シカシ、ソレ以上ニ、赤キ眼自身ノチカラト、
『死を以て償え…っていう言葉が使えないのが、アンデッドの問題ね。【過剰回復】』
【グガアアアアア!!】
ソレガ周リニ及ボスモノ、ソレヲ見クビッテイマシタ。
アノチカラハ、周リノ者達ニマデ影響シテ、全テヲ狂ワセルモノ。
デモ。
「「『こいつで終わりだあああ!!』」」
イイ方向ニ進ンジャエバ、コンナニ強クナルッテ、今思イ出シマシタ。
【グギャアアアアァァァァ・・・・】
ホラ、モウ倒サレチャッタ。
「次はお前の番だぞ!アイズ!」
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~改めてウィウィ視点~
あのドラゴンっぽいものを倒したあと、機械野郎に声をかける。
「次はお前の番だぞ!アイズ!」
『…ククッ』
「何がおかしい?」
『タシカニアナタタチハ強カッタデス。デモ、モノ。アナタハ恵マレナカッタ。ウィリー、アナタハいりーがるダ。ウィウィ、アナタハ壁ガアル。皆、何カガ足リナイノデス』
「・・・!」
『しなりお通リ…トハイキマセンデシタガ。イツシカソノチカラ、マタ見ニクルコトニシマショウ』
「…?!待て!」
『ソレデハマタ、サヨウナラ。マタ会ウ日マデ…ソウデスネ、4章デショウカ。デハマタ』
『ちょっ…』
そう言い残すと、アイズは消えた。いったい何だったんだ?
「…ウィウィ、ウィリー」
「なに?」
『なによ?』
「今の言葉、聞こえたよね」
「それぞれに投げかけられた言葉のこと?」
『モノが[恵まれていない]、私が[イリーガル]、ウィウィが[壁がある]だったわね』
「そう。その最後だ。壁がある…それは、たぶん【生物ごとの壁】を超えた、何かのことを指すんだろう」
「…どういうこと?」
「…既に、生物ごとに、先に進むための壁があることは教えたよね」
『確か、型…だったわね』
「そう。でも、なんだかさっきのは違う気がする。もっと先、そう。仮にあるとすれば、【生物すべての壁】。そこのことを言っていたのかもしれないね」
「…よくわからないなあ」
「うん、僕もよくわからないけどね。これはせいぜいが推測だから、ね…」
『はあ、散々だったわ…って!周りの魔獣たちは!?』
そういわれて周りを見ると、いつの間にかすべて倒されていた。
「…いないね」
「きれいさっぱり倒されている…いや、マナがなくなっている、か。召喚主が消えたから、かな」
『それでも死体が残るなんて、よくわからないことだらけねぇ…』
皆で唸っていると、どこからか声が聞こえる。
『4ヶ月ノ件ハ忘レチャッタンデスカ?』
「へ?」
4ヶ月の件…?
…あ゛っ。
「そうだ!急いで帰らないと!母さんに怒られる!」
『えっ?えっと・・・あー!!思い出した!!』
「そういえばそうだった!急がないと!」
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『ハア、アノ人タチ、本当ニ大丈夫ナノデショウカ』
『ますたーノ指示デココマデ来マシタガ…』
『彼ラガキチント世界ヲ進メテクレテイルヨウデ、一応安心デス』
『…幾ツカ可笑シナ点モアリマシタガ、世界ガ【壊レル】ホドノモノデハナイデショウ』
『タダ、コレカラガシンパイデス…』
『…マアイイデショウ。キットますたーガドウニカシテクレル』
『サテ、帰リマショウカ。思考ニ』
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「母さーん!ただいm「何やってたの?!(バシッ)」ぐえっ」
痛い…叩かれた!
「いきなり叩くことないじゃないかー!」
「こっちがどれだけ心配してたかわからないの?!」
「うっ…」
それを言われると困るな…炎溶人の習慣上、問題はないんだけれど。
「4ヶ月、心配してくれたんだよね…」
「はぁ。本当だよ、一体ウィウィが何を起こしているのかと思うと…」
「・・・」
そっちかい。
「まあまあ、ミルさんもその辺にしておいて、まずは言うことがあるんじゃないかな?」
『ふふふ、土産話は後々にして、まず私たちは受け取る言葉があるはず、ね?』
「ああもう、久しぶりなのに感動も何も無かったなあ!
・・・でも、これがウィウィたち、か。そうだよね―――――
―――――おかえり」
「・・・!・・・・・!!―――――
―――――ただいまっ!」
ありがとうございました。
これで2章も終わりです。アイズっていったい何だったんじゃろうなー?
それはそうと、今章はギルド回でした。一日が長かった割に、4ヶ月が短かったかな?と思う今日この頃。殆どの理由がアドリブだったということだとは思っている。
ついでに言うと次章もアドリブです。というかこっから一部以外すべてアドリブです。設定に不十分な点があったら済まぬ…
では次章、【雨と月の大地】。お楽しみに!