第16-3話 太陽より降り立つ、【破壊】の鷹
これが本当の今日の回。これを見た後に前二つを見ても、これを見る前に前二つをみていても時間軸に支障は出ないはず。ただ、前回の分は見てもらった方が、お話がわかるかも。
~ウィウィ視点~
「「『【人智を超えた3つの光】、今ここに舞い戻ったァァ!!』」」
よし、行こう!敵の数は多い!ちゃっちゃと行かなきゃ!
「うおおおおぉぉぉぉ!!!」
このまま正面に突っ込む!何かモノさんに言われていた気がするけど忘れた!
「集まれ、マナ…!【溜メル】!」
俺は、この4か月でマナの操作に慣れてきたんだ。そのおかげで、外からマナを吸い取って自分の物にしたり…
「【飛バス】!」
純粋なマナを飛ばすこともできるようになったんだ。本来なら形を持たないから弱いマナだけれど、矢っていうものの形をイメージして放ったら威力が出たんだ。だけどやっぱり炎がいいから…
「よし、そこだね?【燃ヤス】【殴ル】!」
こうやってパンチに炎を乗せることのほうが多いけどね。
…え?なんで技をいちいち口で言っているのかって?
…さあ?モノさんが言うには、世界への干渉力を高める働きがあるらしいけど。だからわざわざ名前つけたんだよね。
「・・・」
でも、なんだか本当に多いなあ。
「・・・」
ここまで来ると、本当に…
「・・・ふふっ」
楽しいじゃないか。
まるで俺の中の何かがはじけたかのように、楽しく感じる。
「ふふふふ、ははははっ!!」
敵は大量にいる。つまり、際限なく倒せるんだ!
「あっははははは!【穿ツ】!」
今までずっと制限してきた、この力を使って!
「【壊ス】!【叩キ割ル】!あはははは!」
もう制限なんてしなくていい!いや、制限なんてやっちゃだめだ!
「あはははは!!始めようよ!《楽しい時間》を!【回シ尽クス】!!」
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~三人称視点~
彼は、すべてを壊さんと、辺りを蹂躙した。
敵の誰かが彼に攻撃を仕掛ければ、彼からの、莫大なマナを乗せた、生き物の命を軽く消し飛ばすカウンターがとんできた。
敵の誰かが彼に魔法を仕掛ければ、彼から、膨大なマナにものを言わせた、すべてを削るマナの波動がとんできた。
敵の誰かが彼から逃げようとすれば、彼から、強大なマナを以て作られた、あまりにも大きすぎるマナの槍が飛んできた。
彼に傷など負わせられず、また彼から逃げることなどできず。
何時しか、彼の回りに敵が湧かなくなった。
しかし、彼はまるでつまらないとでもいうかのように、さらに遠くの敵に向かっていく。
それは、さながら狩りをする鷹…いや、それ以上のナニカだった。
「あっはははは!もう終わりなの?!まだだよ!まだ終わりじゃないよ!!」
眼を紅く光らせ、自ら【破壊】を【楽しむ】ように。
「もっと楽しませてよ!もっともっと!」
いつしかそれは闇へと堕ち。
「それじゃあいくよ!【壊シ尽ク…】」
裏の力となって…
「『今すぐその物騒な力抑えろ!この馬鹿リーダーッ!!』」
「あいたあぁぁっ?!」
いたのだが、彼の仲間である二人にぶんなぐられ、正気を取り戻したのだった。
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~ウィウィ視点~
「なにするの?!痛いよ!」
『少なくともあんたが正気じゃなかったのは目に見えてたわよ!』
「へ?…ってうわあっ!?何この大群!!」
「…覚えてなかったのか」
「というか何この状況?!」
どうなってるんだこれ?!確かみんなでパーティー名を叫んで、真ん中に突っ込んで…
…だめだ、思い出せない。
「ってそうだ!とりあえず敵を倒さないと…」
『ソノ必要ハアリマセン、皆サン』
「「『?!』」」
なんだ?!急にだれかが…ってなんだあれ?機械か?機械の一種かな?体全体が金属でできている。丸い部分が多いけど、本当になんだあれ?
『ハァ、正直信ジラレマセン。マサカ裏カラ戻ッテクルトハ…』
「お前はだれだ!」
『ワタシ個人ニハ名前ガアリマセン。強イテ言ウナラバ…[ア1-1018]デスネ』
『何それ?』
『私ノ製造番号デス。ワタシノ名前ハ[アイズ]。以後オ見知リオキヲ』
アイズ、と名乗ったそれはこちらを見た。
『私ハアナタノチカラニ影響ヲ及ボソウトシタノデスガ、ドウヤラアナタノ方ガ上手ダッタ様デスネ…』
「影響を及ぼす?どういうことだ?」
『【赤眼】ヨ。キサマノチカラハ恐ロシイモノデス…ダカラコソ』
そうアイズが言うと、
【グオオオァァァァ!!】
後ろから大きな声が…
「って、ドラゴン?!」
「…もしかして、あれが報告を受けていたドラゴンなのか?!」
『今ハ、改メテチカラノ確認ヲスルコトニシマショウカ。ユケ、【ゾンビドラゴン】!』
ああもう!
「こいつを倒せば終わるんだよね!だったら容赦はしないよおぉぉっ!!」
ありがとうございました。
闇堕ちなんてさせるものか!