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紅蓮の神の伝説  作者: 夢神 真
第2章 冒険と、限界と
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第6話 外の世界、初めての依頼

一人称だとどうしても会話回が続いてしまう。

これが普通なのだろうか?

「おぬしら、しばらくこちらで住むのかの?」


 冒険者のカードを一枚、冒険者の証を俺とウィリーの二人分くれたセイドさんは、そう質問してきた。


「んー…どうだったっけ?ウィリー」

『あれ?そのあたりとかって、その手紙にかかれてたりしなかったの?』

「いや、大体をウィリーに丸投げした、といった旨がかかれておるのう」

『…あの村長め…!』

「で、どうするのじゃ?」

『…そうね。流石にすぐ戻るってのは味気ないし。しばらくここに滞在することにするわ。冒険者とやらの仕事も見ておきたいし、ね』

「やはり知識人じゃのう、ウィリーは」

『私は魔獣よ…』

「なら知識獣かのう?」

『それもそれでおかしい…!』


「まあ、それらはさておき。滞在するとなれば、部屋は必要じゃろう?用意はしておる」

『おお、ありがたいわね』

「本来ならば金を払ってもらうところじゃが…」

『まあ、私たちが持ってるはずもなく』

「しばらくは依頼をこなしてもらうことにするが、いいかの?」

『いいわよ…ってなんで私が答えてるのよ!』

「保護者だからではないかのう?」

『いつ保護者に…』

「最初から、じゃろう」


「ええっと、これどういうこと?」

『しばらくこっちに残ることになったの。そのついでに、冒険者としての仕事をしていくのよ』

「わかったー」




「…ところでウィリーよ」

『…なにかしら』

「ウィウィが寝てからの対策なんぞしとらんぞ…?」

『何のこと?』

「あの火のマナが云々の件じゃ」

『…ああ、あれは最近は落ち着いてきてるから、木に発火するとかはないわよ』

「それならいいわい」


 ―――――――――――――――


「えっと、ここでいいんだよね?」

『あってるはずよ』


 今日は、冒険者としてはじめての仕事をしにいく日。少し緊張はするけど、モノさんが一応見に来てくれるらしくって、その待ち合わせをしているところなんだ。


「ああ、いたいた」

「あ、モノさん!」

『今日はお世話になるわね』

「こちらこそ。まずは冒険者になったことを祝わせてもらうね。おめでとう」

「ありがとー」

「あはは、今まで他人だったのに、急に同居人になるなんて思わなかったよ」

「え?」

『同居人?』

「あれ?聞いてないのかい?二人がもしこちらに滞在するってなったら、二人とも特殊だし、誰か事情を知っている人が必要だったらしくて。ある程度会話している、僕が行くことになったんだ。よろしくね?」

「よろしくー」

『…よろしくね』

「ん?どうしたの?ウィリー」

『…なんとなくモノさんに違和感を感じたのよ』

「あらら。もしかして気づかれちゃったかな?」

『ってことは、あたり?』

「たぶんね。まあウィウィもいるし、今は秘密でね?」

『…はーい』

「なんの話?」

「『秘密』」


 えー。


 ―――――――――――――――


 とりあえず依頼を取りに行こう、ということになって、冒険者ギルドに戻ってきた俺たちだった。今度はなんだか紙がいっぱい貼られているところにきた。


「さて、手ごろなのはーっと…懐かしいなあ」

『懐かしい?』

「僕もなんだかんだでCランクから冒険者始めてるからね。今でこそ副ギルド長だけど、昔はこうやって簡単そうな依頼を手にとってみて、食い扶持を稼いでたものだよ」

『へえ、モノさんも苦労してたのね』

「そっちこそ」

『…まあね』


 そうやってしばらく探してもらって・・・


「お、これならちょうどよさそうだね」

「見せてー?」

『何々?【イファルの実の採取】…って、イファルの実ってさっき食べてたものじゃないの?』

「イファルの実は割と使用用途が多いんだよ。食べるだけじゃなくて、硬い皮を利用して、簡単な容器にしたり、それ自体が何かしらの素材になったりする。さっきのはもう剥けてたからやわらかかったけどね」

「で、それを取りにいくの?」

『そうみたいね。それじゃ早速、依頼受注の手順について教えて頂戴』

「…本当に保護者だね」

『それは言わないでほしいわ…』


 ―――――――――――――――


「まずはとりあえず、依頼書をこの掲示板から剥がす」


 モノさんは、さっき読んだ依頼書を取った。


「次にこれをあっちの受付に見せにいくよ」


 そういって、初めて来たときにモノさんが向かった場所に皆で行った。


「さて、このまま僕が持ってると、僕が受注しちゃうことになるから、ウィウィ?」

「?」

「これを受付嬢に見せて、受注することをきちんと言うんだ。いい?」

「わかったー」

『んー…そのときって私が言うことはできないの?』

「いや、一応できるよ。ウィリーはウィウィの召還獣って扱いになってるはずだからね」

『わかったわ。まあ今はウィウィに任せるわね』

「はーい。お姉さん、これ受けるね!」

「はい、C級のウィウィさん、依頼の受注を確認しました。詳しいことはモノさんに聞いてください」

「…ヴィアさん、丸投げはよくないと思うんだけど」

「事実詳しいじゃないですか。パーティーとしてついでに受けさせておいたので、心置きなく行ってらっしゃい、です」

「そうかい…。まあ、助かったよ。ありがとう。それじゃ行こうか」

「『おー!』」


 じゃあ、初めてのお仕事、がんばろう!

ありがとうございました。

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