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紅蓮の神の伝説  作者: 夢神 真
第2章 冒険と、限界と
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第5話 ウィウィ、冒険者となる

実は既に暴走しているウィウィ達。

少なくとも抑えられぬ…。

「おぬしら…ここは一応公共の場なんじゃがな…」

「『すいませんでした…』」


 はい。怒られました。あっちも想定なんてしていなかっただろうし、仕方ないんだけどね…。


「おぬしらが闘っている間に、ウィウィの体からマナが流れ出ておったのじゃが、魔法陣であえて抑えておったのにどうしてあそこまでするんじゃ…」

「むぅ、ごめんなさい」

『多少煽った私も悪かったわね、ごめんなさい』

「…まあ、このくらいで許すことにしようかのう」



「しかし、どうしてあそこまで精密にドラゴンの形をとれたのじゃ?火山にはいなかったじゃろうに…」

『ああ、本で見たり、この紋章を見える範囲で読み取ったりしてたのよ。暇つぶしに』

「…暇つぶしにやるものではないのう…」

『あとは…そうね。何度も何度もこれを呼び出して、一番いい形を探したってところかしら?』

「それもそれで一日二日ではできんのう…」



「というかウィリー、あのドラゴンかなり重かったよ?なんであんなに重かったの?」

『それはね、ゴーレムだったってこともそうだけど、確かこの前、形ある炎って作ったでしょ?あれを少しこっちで改良したのよ。炎の揺らぐような状態を保ちながら、重さと形を付ける。そういった式を組み込んだの』

「重さ…?それを加えてどうするの?」

『殺生能力はこっちの方が高いの。斧と剣、一撃が重いのはどっち?』

「斧だね」

『そう。で、重いのも斧。まあ、そういうことよ』

「へー」



「ところで、先ほどマナ無し空間を毎日経験している、と聞いたのじゃが。どういうことじゃ?」

『この子、このマナの量だから、母から受けとる自然のマナが足りなくって。それを吸収できるようにかは知らないけど、毎晩無意識に炎を空気中から作ってるの。正確には、創炎魔法による強引な火のマナへの転換ね』

「確かあの手紙にも書いてあったはずじゃな」

『それによって出来た火の素。それと自然の空気中にあるマナを同時に吸ってるの』

「ふむ…なるほど。そういうことか」

「どういうこと?」

『空気中にあるマナは、ウィウィでも直接は吸えない…とは思うわ』

「うん、どうしても火の要素が必要だね」

『一回火の要素を手にするために、あんたの部屋全体、寝るときいつも火のマナで埋まってるのよ?』


 なにそれこわい。


『怖いというか、それが事実だから困るのよね…。ただ、どうも熱の要素だけってパターンが多いのよ』

「熱の要素?」

『この前も話したじゃない?火の素に変える為に、こじつけてるって』

「そういえばそうだったね」

『で、その偏りようからして、ウィウィはどうも熱を操ることが得意な気がするの。たぶんだけど、マナを吸うとき、主に熱を利用しているのはそのためだと思うわ。炎溶人だから熱でのどが焼けるってこともないだろうし』

「ふーん、そうなんだ」



『話が逸れたわね。戻すけど、さっきも言ったようにウィウィの部屋全体を火のマナにしちゃってるこの子だけど、実際のところこれだけだと確実に足りないのよ。全部吸っても。だから、吸い切った後はそこにマナは残らない。実質マナなし空間ってわけ』

「…もしやそれも、マナを強化する方法の一部になってしまっとるのか?」

『そうね。どっかでは、生きる為に必要な、酸素とかいう分子の量が少なくなっている山頂で過ごして、あえて自らの肉体を痛めつけることで体力強化を図ったりすることもあるらしいし、ね』


 と、暫く話をしていた俺たちだった。


 ―――――――――――――――


「ふむ、話が相当脱線したのう。本題に戻るとするかの」

「本題?」

「測定が云々の話じゃよ。しかし…済まぬが、先ほどのドラゴン。あれをもう一度やってもらえぬか?」

『…まあ、形だけとるなら喋れるかな。いいわよ』


 そういってウィリーは即座にドラゴンになった。さっきと違い、口付近にウィリーが飛び出ている。…食べられそうになっているみたいに見えるな。


『重さのことについてかしら?』

「そうじゃな。ふむ…」

「見るだけでわかるの?」

「うむ。ドラゴンなら、このぐらいの重さはあってもおかしくはないじゃろう。つまり、現実のドラゴンでさえ、おぬしは軽々といなせる、ということにもなろう」

『…改めて聞くとそれ怖いわね』

「事実そうなのじゃから仕方ないじゃろう。しかし…これは参ったのう」

「どゆこと?」

「この時点で実力を試す云々の目的の大部分は終了したわけじゃ。ドラゴンをいなせる初心冒険者がいてたまるか、という話じゃよ」

『…つまり!』

「つまり?」




「ウィウィ、合格じゃ。七歳ではあるが、十分素質はある、と認められる。どうせじゃし、冒険者の証も発行するかの?」


 ・・・おお!


「『おおおぉぉーーっ!お願いします(するわ)!』」




 ―――――――――――――――


 暫くして、セイドさんはバッジの様なものを持ってきてくれた。


『これが冒険者の証?』

「そうじゃな。これだけでもCランク冒険者である、という証明ができるのじゃ。まあ、関門などだともう一つの方を見せる必要があるのじゃがな」


 セイドさんはそう言って、ポケットからカードを取り出した。金属で出来ていて、左上には…銅のメダル?


「その銅で出来たメダル部分が、おぬしがCランク冒険者であることを示しておる。と同時に、おぬしの存在を証明する為のものでも有るのじゃ。さて、正式に冒険者認定する為に、これにおぬしのマナを注いでくれ」


 そう言われて注いでみると、ゆっくりと名前が浮かんできた。あと銅のメダルが赤く光るようにもなった。


「うむ。これで終わりじゃ!ウィウィよ、おぬしを正式に冒険者として任命する!」

ありがとうございました。

もっと文を上手く書けるようになりたい。

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