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紅蓮の神の伝説  作者: 夢神 真
第2章 冒険と、限界と
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第1話 ふもとの町、エルス

さて、二章です。

二章ではウィウィ視点で話が進みます。

初めて出る外の世界。どんな発見があるのでしょうか?

「さて、ようこそエルスへ!7歳の誕生日と、記念すべき初めての適正診断の日、二つまとめてここでお祝いさせてもらいますね!」


 俺たちは、グレウス火山の火口から、このモノって人に連れられてここに来たんだ。マナで動くっていう魔車があったとか、初めて山を降りたとか、そういったことで興奮はしてた。けど、この「町」っていうのはもっと驚きがあったんだ。


「すげえ・・・!」

『確かにこれはすごいわね・・・』


 ウィリーも初めて見る外に驚きを隠せないみたいだ。頭の上ですこし震えてるみたい。


 エルスの町。今回の俺たちの目的地。


 外から見ただけだけど、住んでた村よりももっともっと大きくて…何倍だろう?わからないや。外は全部石の壁でできていて、火は通りそうにない。入口だけ木でできているけど、あれだけしか空いてないなら、空から入ったほうが早そう。でも、門の上の建物は何だろうな?物が投げられそうだけど…


「ほらほら、門で止まってないで、こっちにきてください?」


 っと、モノさんを待たせてるみたいだ。そろそろ行こう。


 ―――――――――――――――


「うわぁ・・・!」

『へえ、これが人間の住む「町」なのね』


 中に入っても驚きの連続だった。辺りでものを売る人達の活気は村と似たり寄ったり。でも、その規模がすごかった。おまけに見たこともないものまで売ってる…


「なにあれ?」俺は、黄色くて丸っこいそれに、指を指して聞いてみることにした。


「あれですか?あれはイファルの実ですね。んー…なんて言えばいいんでしょうか?甘い…モンスターの一部…ってところですね。美味しいですよ?」

「へー…」

「おやつにはちょうどいいものですし、買ってきましょうかね。すいませーん、それ三つ!」


 暫くして、俺たちはそれをもらった。


「って、ウィリーの分もあるの?」

「そうですよ。食べきれないというなら返してきますが…?」

『いや、このくらいなら普通に食べれるわ。いただくわね』

「どうぞー」

「もぐもぐ…おお、甘い!」

『…どこかで感じた匂いだなあ、と思ったら、これあれね。どっかの黒い鳥型モンスターが運んでたわ』

「あー、盗鳥ですか。宝石だけかと思ったら、割とまともなものも運んでたんですねあれ」

「宝石を運ぶ鳥かあ。綺麗なの?」

「いえ、黒一色ですので。綺麗かどうか言われると…。あ、ただそのボスの、三つ足の盗鳥については、誰もが綺麗だと言える、綺麗な闇の色をしているそうで。とある地方では神格化もされているとか」

「『へー』」


 そうやって、暫くの間、モノさんとの会話を楽しんでいたんだ。


 ―――――――――――――――


「で、その時にもらったのがこれで…あ、着きましたね」


 暫くして、話がある程度進み、モノさんが初めて冒険者になったときの証を見せてもらったところで目的地に着いたらしい。


「ここが冒険者ギルドです。ここで適正を見てもらいます。もしかしたら、大人になってから、ここで冒険者として働くことになるかもしれないですね」


 冒険者ギルドとよばれたその建物は、普通の建物よりもちょっと大きかった。屋根が見えないくらいに。というかこれ…四角いけど、雨とかが上にたまるんじゃないだろうか。あと、どうやら上と下で役目が違うみたい。窓の大きさがちがう…気がする。


 一階にきてまず気づいたことは、まるで店のようだということだった。村にあった食事場みたいな場所もあれば、鎧とかを売っているらしい場所もあったけど、モノさんは、そういったところにいる、いろいろな人たち(たぶん冒険者ってことだろう)をスルーして、役場らしきところに向かっていった。


「すいませーん、ギルド長は…」

「わかりました、すぐ…」


「何話しているんだろうね?」

『さあ?』


 とりあえず、あとでああいった店について教えてもらおうかな。楽しそうだし。


 ―――――――――――――――


「この子ですね。お願いします」

「…なぜ適性検査にわしが引っ張り出されたのじゃ?」

「炎溶人の適性検査の経験は一番多いですよね?」

「それもそうなんじゃが…」

「それと、今回のはたぶんいつもと違いますよ?」

「…仕方ないのう」


 暫くして、長いひげを生やしたおじいさんがきた。布をぐるぐる巻いたみたいな服を着てるけど…誰だ?


「…ふむ。あのアウィルがわざわざ紙で伝えるだけあるのう。流石じゃ」

「…だれ?」

「わしはこのエルスの町のギルド長、セイドじゃ。お前の村にいる知り合いから事情は受け取ったぞい。いろいろと聞きたいこともある…が、まあまずは、中に入ってから話し合うことにするかの。来るのじゃ」


 よくわからないけど、今は大人しくいうことをきいておこうかな。聞き逃したらだめなこととかがあるかもしれないし、ね。


「ああそうそう、ウィリーとやら。そっちはそっちで聞きたいことがあるのじゃ。悪しき魔物の討伐を基本とする我らにとって、善き魔物というのは割とよくわからぬ存在でな。済まぬがいいか?」

『まあ、いいわよ。こっちも人間たちの常識ってのがよくわかってないし、それらについて聞かせてもらってもいいかしら?』

「うむ。問題ないぞ」


 さて。ギルド長ってどんな人なのかな?

ありがとうございました。

イファルの実は後ほどまた出てきます。食べたい。

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