表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅蓮の神の伝説  作者: 夢神 真
第7章 辿り巡るは果ての先
142/144

第9話 【焔・力・浮上】

―――感ジヨウ。人ナラザル力ヲ。

神ニ魅入ラレタソノ大イナル力ヲ。

「ここまでくると神様っぽいけど…まだ今は具現ができるだけで、力を発揮することはできないかも」


 手から神々しい()を放つウィウィ。浮いた状態で皆と会話しているが、どうやら今のところそれ以上はできないらしい。


『えっ…ど、どういうことですか?』

「なんだか、自分の周りに壊しちゃいけない線がいっぱい張られているイメージがあるんだ。そのスキマを縫って具現させてみたけど、これ以上は今の集中力だと無理そう」


 ぽひゅー、と口から息を吐き出すウィウィ。

 そのまま、風船がしぼむように飛んでツェルの隣に墜落した。


「あいてっ」

『結構ギリギリなのですね…』

「一応神様から【世界を壊しうる印(裏の破壊と繋ぐ力)】って言われちゃってるし。どうやって使うかは任されちゃってるけど、間違った使い方だけはしたくないなぁ…」

『取り返しがつかなくなりますからね。大切にしなければ』


 ―――――――――――――――

 ~ウィウィ視点~


「ツェル、今日はありがと。知りたいことが結構確認できたよ」

『いえいえ。それでは、そろそろお休みしましょうか』


 あの後もちまちまツェルと会話はした。この力がどういうものなのか、十分な議論をしていた気がする。

 …とはいえ、さすがにそろそろ俺も限界かな。体がすごくだるい、眠りたいって言ってる気がするよ…。


「ふあぁぁぁ…」

『…ふふっ』

「ツェル?」

『いや…こんなに力を持っていても、あなたはあなたのままなのか、と。あなたの心が成長していることは知っていますが、それをはるかに上回る速度で力もまた成長しているというのに…今もなお、最初に見たマナの流動と変わっていませんから』

「そうかな?そもそも神様に会う段階で体の構造変わっちゃったらしいけど…」

『無意識で、でしょう?知っていますよ。そうではなく、この力に未だ溺れていないこと。私には、あなたのように純粋な人がまぶしく感じるのです』

「ツェルが…幽霊だから?光の感情に弱い…とか?」

『いいえ。大人というのは存外、闇も分別をつけて扱うことが多いのですよ。あなたのように純真無垢なまま成長する人は、珍しいのです。生きていても死んでいても、私にとってはあなたは光り輝く太陽のように見えることでしょう』

「…そっか」


 難しいなぁ。でも、きっとそれがフィフィやモノたちと違う点…なのかな?


 …深く考えないほうがよさそう。


「じゃ、寝るね」

『ええ。おやすみなさい』


 ―――――――――――――――


「…寝るスペースがない」


 忘れてた。俺の寝るための毛布、出してもらうべきだった。

 さすがに地面にそのまま寝るわけにもいかないので、仕方なくどこかに寝る隙間がないか探すことに。


 とはいっても、元々スペースの狭いエリア。


『・・・』


 ウィリーはゴーレムに身を包まれて、ボールみたいになってる。隣で寝たら転がっていってしまいそうだから、今は触れないことにした。


「むにゃ…」

「スー…スー…」


 モノとフィフィは隣り合っていて寝ていて、隙間はない。仲がいい…というより、これは合理的に動こうとしているだけのような気がするけど。


「ぐがー…」

「ぐぅ…」


 フェイアンと闇ウィウィの間は…うるさそうだ。何でこんなにいびきをかいてるんだろう。そこまで俺この二人を疲れさせたっけ。

 …それ以前の問題かな。


『スゥ…』


 ツェルは…フェイアンの上で寝ているし。重みがないからってそれはいろいろ無茶しすぎてるって。

 ああ、転がってった。よりにもよって闇ウィウィのほうに…。


 顔がしかめてる。やっぱりうるさいんだ。


「参ったなぁ…これじゃあ眠れないや」


 そう考えて、改めて周りを見渡し…ツェルにまた視点が戻ってきたとき、ふと思った。

 こうなったらいっそ…


 ―――――――――――――――

 ~次の日~


「ふぅ、おはよう」

「太陽は今どっちを向いているのかな…?」

『壊世大陸とはいえ、さすがに向きは変わらないでしょ。あっちよ、あっち』



「あれ、ウィウィは?」

『そういえば、昨日こちらに戻ってきたところまでは見たのですが…先に私は寝てしまってその後のことは知らないんですよね』

「なんと。今も実験をしているということはないじゃろうな…?」



「…お前ら、上みてみろ」

「え?」


 むにゃ…朝かぁ。


「んー…よく寝たーっ!」

『なんでそこにいるのよウィウィ…』

「へ?」


 そういえば、みんなの声が後ろから聞こえる。

 …あ。


「やばっ、寝るとき浮いてたこと忘れてた!うわあああああ!」


 ―――ドスウウゥゥゥン!


「いったぁ!」

「忘れるかフツー。んでもって認識したとたん落ちるやつがあるか」

「だって…無意識の領域に持ち込んでた力だよ?意識したら落ちるでしょ!」

「まずその大前提を何とかしろ。お前だからいいけどな…」


 闇ウィウィにため息つかれたし。


「…まぁ、そこはきにしねぇ。この夜、何を得てきた?」


 そういわれて、昨日のことを思い出す。いろいろ得たことがあったから、それをみんなと共有するのが一番かな?闇ウィウィの言葉に反応してみんなが続々と俺の近くに寄ってきたし。ちょうどいいか。


『それじゃあ、話していきましょうか?』

「そうだね。えっと、まずは…」




 こうして、俺はみんなと昨日能力として見つかったことを説明したのだった。

ありがとうございました。

いよいよ冬が近づいてきましたが、人には冬眠も許されないわけで。

悲しい。


追記※不具合からただいま戻りました。何も言わず消えていて申し訳ない!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ