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みーちゃんが現れたのは去年の夏、七月の終わり。
私は室内禁煙のため、玄関先でタバコをふかしていました。
例によって眠れなかった日のことです。
朝も早くから、なんだか寄ってくる猫が。
やせっぽちで孤高を感じさせるその猫はこともあろうに私の足元にすりよってきました。
これはご飯をあげねば……!
私は部屋に戻り、置いてあった食パンをつかみみーちゃんの元へもどると、四分の一切れを渡しました。みーちゃんは耳は残したものの、なかなかの食べっぷり。そこでひもじいこの子にもっと餌をあげようと、部屋の中へ招き入れたのでした。