62年間の愛【200文字小説】
〜♪
私が好きだった曲
初めてあなたと出会ったときに聞いた
あなたがプロポーズしたときに聞いた
私とあなたの子供ができたときに聞いた
結婚式に聞いた
娘の成人式に聞いた
嬉しそうな声
怒った声
哀しそうな声
楽しそうな声
あなたの
声
あなたが奏でる
喜怒哀楽の優しいメロディー
でもあなたは
私より先に逝ってしまった
聞きたい
もう一度だけ
聞きたい
待っていてください
あなたと出会ってから62年が経ちました
そろそろ私もそっちに行きます。