表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

資料3(プロット)

ムトウが執筆。

宇宙探査局、探査部、第2探査課

「このおおばかもんがーーーーー!」

(漫画キャッツ・アイの、課長に怒られる内海ぐらいに怒られる主人公、イワン)

「いったい、何をどうやったら迷えるんだ、教えてほしいぐらいだ! そもそも探査船だぞ?!航宙図チャートAIも最新モデル、逆に迷うほうが難しいだろうが!」

「ほんと、なんで? なんで迷う?!」

「定期巡回だぞ? 初めて行くルートじゃないんだ!」

「昨日今日パイロットになったわけじゃないだろ!!」

ひたすら謝り続けるイワン。

怒りと呆れミックスの課長。



しょぼくれながら船のドックに向かうイワン。

自分の船を点検をしてくれているエンジニア、カーチャに慰められる。

作業しながら、カーチャ

「まあ、気にすんなよ」「無事に帰ってこれてよかった」「変な宙域に迷い込んじゃったのは災難だったけどさ、逆に、最短ルート発見できたじゃん?」「課長も、立場的に褒めるわけにはいかないけどさ、内心はでかした!って思ってるよ」

イワン「でも、ミッションとしては失敗だよ」「定期巡回だって、大事な仕事だからさ」「結果的に発見だったけど、」「重力波に巻き込まれる可能性だってあったわけだしさ」「怒られるのも当然なんだ」

しょぼくれるイワン。

まあまあ、と宥めるカーチャ。

「とりあえず、飲みに行こうぜ」「いつものカモメ亭で先にやっててよ。後片付けしてから行くよ」


イワンが立ち去ってから、複雑な表情で苦笑するカーチャ。船の後部から追跡記録装置を取り出す。「難儀な男だねえ」意味ありげにため息をつく。


そこへエリートパイロット、エリックが訪れる。

「やあカーチャ。イワンがまたやらかしたって」

「ああ、今度は最短ルートの発見だよ。あのブラックホールを回避できるなんて奇跡だ」

「なんで定期巡回でそんなとこ辿り着けるんだろうな」

エリックもカーチャも驚き呆れている。

カーチャ「前回はなんだっけ、単純な物資輸送ミッションで、高純度のレア鉱脈を発見したんだっけ?」

エリック「うん。しかもポジション的に、造船ドックが計画されてる小惑星のすぐ近くでさ。必要な資源が全部揃ってて、施工部とか資材課が小躍りしてた」

カーチャ「でも、イワンは怒られたんだろ。しゃーないけどさ」

エリック「全然関係ない宙域だからなあ。本来の輸送ミッション間に合わなくて、俺がフォローに行ったんだよ」

苦笑するエリック。カーチャの持つ、追跡記録装置を見つめる。一瞬、悔しげに眉をひそめて、あーあ、と降参、のように手を広げる。

エリック「その前は、ビーコン消失して行方不明になってた民間船の発見。乗組員も乗客も全員無事、っていう奇跡の生還」

カーチャ「あーそれか。ん? 他にもあったろ、それ」

エリック「そう、別の民間船の、非常脱出シャトルが大量に消えちゃった事件。宇宙ゴミの集積場を見つけちゃってさ、きれーに無傷で滞留してんの。大手柄だよ、どれも」

「おやおや、第1のパイロットさんがジェラシーかい?」

探査局の第1探査課は未知の宙域を探査するエリート部署、第2探査課は開発中の宙域の巡回ミッションメインの便利屋部署。その第2のパイロット、イワンが次々に大発見を成す。

「ジェラっても無理ないだろ。なんなんだよ、アイツ。今回の最短ルートなんてさ、あの宙域、ネストと磁気嵐で最悪でさ、まさか通れるなんて誰も思ってねえよ」「なのに、あんな器用にくねくね抜けて、最短ルート! 通常なら3ヶ月かかるところを、いいとこ一週間だぜ」「どうなってんだよ」「ジェラシーくらいするわ」

探査パイロットなら、誰だっていつか大発見、てやつをしてみたいさ。


カーチャが肩をすくめる

「まあ、イワンにはイワンの言い分があるのさ」

「普通にミッションをこなしたい、ってさ」

エリック「わかる」「けど悔しい」

カーチャ「まあまあ、わかるよ、わかるさ」

「でもさ、わかってて、言えないあたしもそれなりにジレンマなんだぜ」

手にした追跡記録装置を見やる。

「イワンに黙って、こんなのつけたりしてさ。上層部からの命令とはいえ、後ろめたいよね」「イワンの安全を守るためでもあるんだけどさ」「ホントに、まったくどうなってんだかな、まだ解析されないらしいよ」

エリック「航路分析課が発狂しそうになってる」

カーチャ「それいったら、造船部のAI開発課も相当だぜ。イワンの“迷子”がどうしても演算できないらしい」

エリック「宇宙で迷子とか」

カーチャ「冗談かと思うよね、宇宙で方向音痴」

エリック「しかも、迷った先で、高確率にお宝見つけるとかさ」

ふたりで「ほんとなんなの、あいつ!?」


第2探査課の課長。冒頭でイワンを怒鳴りつけてた人物。

「ほんと何なのアイツ」

胸元をさすりながら胃薬をのむ。

「1回なら偶然ですむ。2回でも幸運、なんとかこじつけられる」

3回、4回、と発見を繰り返す、しかも本来ミッションをありえない理由「方向音痴」でロストして迷いまくりの結果としての大発見。

それなら最初から探査ミッションを課してみれば、フツーに失敗して戻ってくる。ダミー任務を与えても成果ゼロ。

航路分析課はお手上げ状態。何故か畑違いの医療センター、メンタルヘルス科が「方向音痴じゃないですかねえ」と投げやりに発した語がいまのところもっとも正解に近いらしい。

「フツーに仕事してほしい」

切実にぼやく課長。


カモメ亭でクヨクヨしょぼくれるイワン。

「なんなの、俺って」

連れ立って現れるカーチャとエリック

「まあまあ、くよくよすんなって」

「地道にがんばってればさ、そのうち、報われるよ」


「エリックはすごいよな。優秀で、ミッション成功率100に近い」

「カーチャもミッションの役に立ててる」

「それに比べて、俺って何なの」


カーチャ、エリック、課長、全員が内心で

「ほんと、なんなのコイツ!?」



(終)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ