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【書籍化決定!】転移した転移した先が滅びかけ!?〜万能クラフトと解析眼で異世界再生スローライフ~  作者: 夢・風魔
2章

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48/51

48:新しい住民→準備→アッー

「エリちゃんもここで暮らすの!?」

「だって家にいるとさぁ、両親が早く結婚しろってうるさいんだよ。こっちの世界の人ってぇ、十代で結婚もわりと普通だからぁ」


 夜、礼拝堂の方で食事をしていると、そんな会話が聞こえてきた。

 そうなのか? とアルトに聞くと、実際そうらしい。


「特にさ、町で暮らす一般家庭だとそうなんだよ。子供は二人。ひとりでも三人でもなく二人ってね」

「え、なんで?」

「人口を減らさないため、そんで増やさないためだ。減ってしまえば、人類はそのまま滅んでしまうけど、増えると食料不足でやっぱり自滅する。そういう世界なんだぜ、ここは」


 あぁ、なるほど。


「けどまさか、古代魔法王朝の防衛町(ぼうえいちょう)の魔導装置が生きてたとはなぁ」

「修繕して動くようにしたんだ」

「ふーん。誰が?」

「え、俺が」


 アルトが俺のほほを引っ張る。


「痛いって。なんで俺のほほを引っ張るんだ」

「いや、冗談でも言ってるのかなと思って」

「冗談じゃないって。俺さ、万能クラフトと解析眼を取ってるんだ。あぁ、あと身体能力強化も」

「モノづくりのスキルか?」

「そう。いろいろ便利だぞ。あれとこそれとか、あとこれも全部俺がスキルで作ったんだ」


 ハンモックに毛布、それから椅子を指さす。

 今日は家を建てる予定だったけど、二人が来たことで予定はキャンセル。

 でも明日にはお試し物件を建てて、上手くいくかやってみないとな。

 そんな話をアルトとした。


 それで――。


「さっきの話だけどさ、どう?」

「ん? 獣人族の村に行くって話? うん、別にいいけど」

「行ってくれるか!? よかったぁ」

「鈴木と鉢合わせしたら、絶対ぶっ殺す。恨むなよ?」


 何を恨めっていうんだ。

 でも、アルトひとりに鈴木殺しの業を背負わせたくない。できれば鉢合わせしないことを祈ろう。


 その日から、バサラたちの故郷へと向かう準備が始まった。

 徒歩での移動が長いから、魔素対策をする必要がある。


「ニーナ、大丈夫か?」

『はいです。いっぱい、人がお祈りしてくれるから、ニーナ元気ですの』


 確かに、獣人族が来てからニーナの髪艶がよくなった気がする。


「待って待って待って。その子土地神様? うわぁ、普通にいるんだぁ」

『ふあっ』

「普通って、普通はいないのか?」

「いないっていうか、あまり人前に姿を見せたりしないぜ。な、レイア」

「うん。普段は土地神様の像の中だから、姿を見るのって一年のうち数回ぐらいなの」


 エリサやアルトが暮らす聖国には土地神様がいない。だから余計に見ることがないそうだ。

 二人にもニーナのことは土地神様ではなく――。


「じゃあ、よろしく、ニーナ」

「よろしくお願いします、ニーナちゃん」

『ほわぁ。よ、よろしくなの』


 ――と呼ぶよう伝えた。


「ほ、本当に里へ行ってもいいのか?」


 バサラは嬉しそうに、同時に申し訳なさそうな表情も浮かべた。

 

「ん。再会できるなら、そうしたいだろ? ただ、覚悟はしてほしい」

「わかっている……。既にどこかへ連れていかれている可能性は高い。殺された人もいるだろうし」


 レイアの話だと、土地神様を少しでも長生きさせるために、襲った里の人は何割かは残すらしい。

 その中に彼らの家族がいるのかわからない。

 たぶんだけど、若い人は奴隷商人がどこかへ連れて行った可能性は高いと思う。残っているのはお年寄りだろう。

 奴隷として働かせるのは、若い方がいいからな。

 ここにいる獣人たちがそうであるように。


「私も一緒に行ければよかったんだけど。ごめんなさい」

「そんな。レイアはここで、子供たちをお願いする」

「えぇ、任せて」


 レイアは夜以外はか弱い猫だしなぁ。


「アッ」

「ん? なんだユタ。どうした?」

「オイラ」


 ん?


「オイライッテヤッテモイイゾコンチクショウメ。ドヤ?」


 どやって、どういうこと?


「ユタも一緒に行ってくれるのね。でも大丈夫? すごく遠いところよ?」

「トーイ……カッチャ」

「ユラ、できるなら君もアルトたちに協力してやってくれないか?」

「構わないわ。一緒に行って、彼らを守ってあげればいいのね」

「てことだから、ユタ。お前も母ちゃんと一緒に行ってくれ」


 ユラも一緒だとわかると、ユタはぱぁっと表情を明るくした。

 一度は親離れのために別れたけど、やっぱり寂しくて仕方なかったんだろう。

 だってまだ、生後数か月だもんな。親離れするには早いって。


「わしらもいってやるぜ」

「アッパーおじさん。いいのか?」

「雪ががっつり積もるのは一ヵ月後ぐれぇだ。それまではちびちび降ってはちっとばかし積もる程度。それまでに戻ってこれりゃあ、いいぜ」

「こっちにはルナとパーラを残していくわ。さすがに全員ってなると、レイアの負担が大きいでしょ?」

「助かるよ。みんな、ありがとう」





 

「万能クラフト――こうして、こう。そして――こうだ!」


 翌朝。インベントリ内に溜め込んだ瓦礫を使って、家のクラフトを行った。

 お試しなので、形はシンプルに。

 手前はリビングダイニングで、奥に部屋。屋根は三角にしてっと――。


「お……ちょっと魔力持っていかれるみたいだ」

「志導くん、大丈夫? やっぱり大きなものだと、魔力の消費が多いのね」

「みたいだ。さて、扉も付けるかな」


 さすがに家具は木材で作りたいから、今の作業でクラストしたのは純粋に家だけだ。設置した家には扉も窓ガラスもない。

 扉と窓を別にクラフトして、それから設置した家に取り付ける。これも万能クラフトスキルで行えた。

 既に設置済みのものにも、万能クラフトスキルで後付けできるのは有難い。


「うへぇ。家を一瞬で建てるって、凄いスキルだな」

「素材があればって前提だけどな。アルト、お前はどうするんだ? エリサはこのままここで暮らすって言ってるけど」

「んー、俺もそうしよっかなぁ。俺さ、三歳の時に親を亡くして家族はいないんだ。だからどこで暮らすのも、俺の自由だし」

「そう、なのか……じゃあさ、そうしろよ。俺もその方がうれしいし」

「え、俺、お前に惚れられても嫌なんだけど」

「お前の家なしな。はい、決定」

「いやぁーっ。嘘です嘘言いました。シド様大好き、マシ惚れる」

「やっぱり家はなしで」

「いやあぁぁぁぁーっ」


書籍化3月刊行予定!

ブクマ、★での応援を未来永劫お待ちしております><

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