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【書籍化決定!】転移した転移した先が滅びかけ!?〜万能クラフトと解析眼で異世界再生スローライフ~  作者: 夢・風魔
2章

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47/52

47:誤解→謝罪→アルト。

「えぇぇ! レイアちゃんと渡錬くん、同じ部屋で寝てるのぉ!? きゃ~~~~っ」

「やるじゃん、シド! お前はもっと奥手だと思ってたんだけどなぁ」

「「そんなんじゃないから!」」


 エリサとアルトを教会へ案内した。二人ともつかれていた様子だし、休んでもらおうと思ったのだが……。

 教会に到着するなりこれだ。


「し、仕方ないんだよ。教会だと、まともに使えるのがこの部屋しかないんだからさ。寒くなってくると、あっちの礼拝堂じゃ広くて温まらないだろ」

「そ、そうなのっ。別に他意はないんだからねっ。本当よっ」

「あ、れれ? そうなのぉ、レイア?」


 エリサは猫のレイアを抱き上げ、何かごにょごにょ話していた。

 その間、俺はアルトに絡まれる。


「なぁ、シド。ほんっとうに何もないのか? 十七年ぶり――じゃなくって数日ぶりか。いやそれでも前世で数年ぶりだったじゃん。久しぶりに学校のアイドルと再会したんだぞ。もう、懐かしい恋心とか湧かないか?」

「大沢、何言ってんだ……」

「あ、うん。わかった。ほんっとお前って淡泊だよなぁ」

「悪かったな」


 懐かしいって、それじゃまるで、以前から俺が彼女に恋してたみたいじゃないか。

 そりゃあ風見さんは優しくて美人だったし、いいなと思ったことはある。

 でもそれだけだ。

 ロクでもない家庭環境だった俺みたいな奴と、付き合おうって人はいないだろう。

 いや、いたとしても……相手に迷惑をかけるだけだ。

 俺は恋人なんて、望んじゃいけない人間だったんだよ。


「にしても……凄いところだな」

「凄い? あぁ、ここってずっと前に滅んだ町だから、瓦礫ばっかりで――」

「いやそうじゃなくってさ。レイアは今猫の姿だし、ある意味人間はお前ひとりじゃん。他は獣人族にユタドラゴン、それからアルパディカだぜ。あ、あと猫」

「猫って言わないでっ。猫だけど」

「あっはっは。なんかウケる」


 レイアが抗議をしたものの、本気で怒ってるわけじゃない。その証拠に彼女は笑っていた。

 ま、確かに人間率が低いよなぁ。


「オ、オレたちは先日から、その、ここでご厄介になっているだけで」

「あ、そうなんだ? へぇ。ってことはもともとこの町の住民じゃなかったのか」

「あぁ。オレたちはここから西の山を越えた先で暮らしていたんだ。だが盗賊に襲われ……」


 バサラが悔しそうに唇を噛んだ。


「バサラたちの故郷を襲ったのって、鈴木たちなんだろ?」

「そうだ。だがあの男とその仲間は、奴隷商人に雇われただけの連中だ」

「ちょっと待って。鈴木って、まさかあの鈴木か!?」


 鈴木の名を聞いただけで、アルトは声を荒げた。俺たちにとって鈴木は、自分の仇ともいえる奴だからな。陽気な性格の大沢だって、さすがに頭にくるはずだ。


「はぁ……あの野郎もいると思ったけどさ、まさか以前以上の悪党になっていたとは」

「あぁ、まったくだよ。ただの不良では終わらす、正真正銘のクズになりやがったんだ」

「はぁ……三年二組の面汚しだ」

 

 俺たちは互いに溜息を吐き、それからうつむいた。


「ふ、二人はあの盗賊の頭と知り合いなのか? その、奴も志導殿のことを知っているようだったし」

「あ、その……」

「知り合いって言えばそうなるか。な、シド。実は俺たち、同郷なんだよ」


 そう言ってアルトが目配せする。

 そういうことにしておけってことだろう。それに、ある意味間違ってはいないし。


「あいつさ、とにかく曲がったことばっかりする奴だったんだ。里を出た後どこに行ったかと思ったら、まさか盗賊になっていたとは。でも、思いもしなかった、とは言えないんだよな」

「あいつの性格だと、なるべくしてなったと言えなくもないな」


 アルトの話に合わせておく。

 それを聞いたバサラたちは、素直に納得してくれたようだ。


「だから、ごめんっ」

「な、なにを!? ア、アルト殿っ」

「俺たちのせいで鈴木がああなったわけじゃないけど、それでもごめんっ」


 アルトは獣人族に頭を下げた。

 彼のこういう素直なところが、俺は好きだった。だから友人になれたのかもしれない。


「い、いや、頭をあげてくれアルト殿っ。同郷だという理由だけで、君らのせいではないのだからっ」

「それはわかってるけどさ。それでもやっぱり、俺の気が済まないから。俺なんかで力になれることがあったら、なんでも言ってくれよ。シドがどうにかしてくれるはずだから」

「そうだよ、バサ――ん? 俺がどうにかするのか?」

「そうそう。シドが」

「俺だけ? お前は?」


 アルトはにっこり笑って「見てるだけ」と答えた。

 真剣な話をしているのかと思ったのに、相変わらずシリアスに耐えれない奴だなぁ。


 おっ。そうだ。


「アルト。お前って冒険者ってことは、強かったりする?」

「ふっ。よくぞ聞いてくれた! 冒険者ってランクあってさ。七段階あるんだよ。上がSで、次がA。最後がFなんだけどな。俺さ~、Cランクなんだぜ~」

「ふーん。ど真ん中じゃん」

「おまっ。バカ言うなよ。冒険者界隈ってのはな、ほっとんどがDとEランクなんだよ。なんだったら何年たっても最下位のFのままって奴だっているんだぜ」


 だからCは、腕利き冒険者の枠に入るらしい。

 なら好都合だ。


「アルト。俺の代わりに獣人族の里にいかないか?」

 

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