表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化決定!】転移した転移した先が滅びかけ!?〜万能クラフトと解析眼で異世界再生スローライフ~  作者: 夢・風魔
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/49

46:男→女→再会。

 慌てて外に出ると、ユタが先に起きてて俺たちを待っていた。


「コッチ! ドッチ!」

「いや、どっちかなんてわからないって。ニーナ」

『南西の方角、なの。ユラ、もう向かってるの』

「いきなり殺したりしないだろうな。ユタ、お前先に行ってかーちゃんに捕まえるだけだと伝えてくれ」


 ユタは一声上げると、一気に加速して南西の方へ走り出した。

 あのスピードはどう鍛えたところで追いつけないだろうな。


「志導殿。俺たちも行こう」

「わしもいくぜ」

「獣人族の大人は三人だけ。残りは子供たちを。あと奥さんたちも残ってほしいんだけど」

「えぇ。子供たちのことは任せて」

「にゃ、志導くんっ」


 レイアが俺の肩に飛び乗り、それからバサラたち三人とアッパーおじさんとで走り出す。

 時折、光の玉が道を教えるように現れ、すぅーっと移動しては消える。

 俺たちはその方角へと走り、やがて――。


「ま、ままま、ま、待ってくれ。ユタドラゴンなら言葉がわかるよな? な?」


 瓦礫の向こうに男の姿が見えた。

 若い。高校生ぐらいか?

 けどこの声、どこかで聞いたことがあるような……。

 男の後ろには女がいて、こちらも高校生ぐらいだ。

 男の方は剣を腰にぶら下げ、軽装だが鎧も身に着けている。

 

 鈴木の仲間なら、あの女の子は――まさか奴隷!?


「ユラ、女の子を助けるんだ!」

「わかったわ。じゃ、このオスは殺してもいいのね――」


 それも止む無し、か……。


「ダ、ダメーッ! ユラ、殺しちゃダメっ」


 そう叫んだのはレイアだった。しかも俺の耳元で。


「レ、レイア、どうしたんだ?」

「ダメよ志導くん。だって彼――」


 彼? 彼……もしかして、レイアの恋人!?

 どんな奴だ!?


「どうするの? 殺すの? 殺さないの?」

「殺しちゃダメなんだってばっ」


 レイアの……風見さんの彼氏はどんな奴だ!?

 ユラがいて顔がよく見えない。近づいて行って、男の正面に立って奴の顔をじっくり……ん?

 派手な青い髪だけど、この顔は見覚えが……。


「えぇ? と、渡錬くん!? う、嘘ぉ。若返ってなぁい」

「渡錬? え、うっそだろマジか!? シドじゃん。お前……お前、転移したのか!?」


 俺を、知っている……。

 あ、あぁ……見覚え、あるはずだ。なんで俺、忘れていたんだ。

 高校三年間。友達と呼べる奴はこいつともうひとりしかいなかったじゃないか。


「大沢……お前だったのか」

「やっぱシドじゃんか! うわぁ、十七年ぶり――あ、お前にとっては数日か数十日ぶりかも?」

「はは。そんなところだ。ってことは、後ろの子は日下部さん?」

「覚えててくれたんだぁ? うれしい~っ」


 覚えてるよ。そのなんともゆる~いしゃべり方とかさ。

 思わず駆け出し、大沢とお互い肩を叩きあった。


「ふにゃっ」

「あっ。ごめんレ……」


 そ、そうだ。レイアと呼ぶわけにはいかないんだ。


「大丈夫よ、志導くん。エリちゃんには私のことを伝えてあるし、大沢くんにも話していいって言ってあるの。大沢くん、こっちの世界では初めましてだね」

「おぉ~。エリサから話は聞いてたけど、本当に猫だ。あ、初めましてだったな。こっちじゃアルトって名前なんだ。レイアだっけ?」

「えぇ。でもどうしたの、エリちゃん、アルトくん」


 あ、俺も二人を呼ぶときは、こっちの世界の名前で呼ぶべきなのか。

 日下部さんがエリサで、大沢はアルトか。

 どっちも元の名前をもじった感じだな。日下部さんが恵理って名前だったし、大沢は彰人(あきと)だ。「き」と「る」を入れ替えただけ。なんとも覚えやすい。


「いやさ、かざ――レイアが戻ってこないのが心配だってエリサがうるさくって」

「だって心配だもぉん。本当はアルトも一緒に行ってあげて欲しかったのにぃ、そんなときに限って聖都にいないんだからぁ」

「もっと前もってわかってたら一緒に行ってやってたさ。ったく。いくら英雄の孫だからって、ひとりで無茶し過ぎだぜレイア」

「で、でも、これは私の問題だから」


 英雄の……孫?


「アッ」

「ん? どうした、ユタ」

「カッチャ、カタマッテル」


 あ、しまった。


「ユタ、ごめん。この二人、俺の……俺の友人、なんだ」

「そ、う? そうね。悪いニオイではなかったもの。よかったわ、殺さなくて」

「ひぃっ。シ、シド。お前、テイマーのスキルを取ってたのか?」

「いや。なんか成り行きで名前を付けたら、契約しちゃっててさ。それより、懐かしいなぁ。な、水戸は?」

 

 水戸圭太。大沢と一緒に、よく三人でゲームをした仲だ。俺が友人と呼べる、もうひとりのクラスメイト。

 あの日、あの時、水戸もそこにいた。


「あぁ、水戸もこっちの世界に来てるよ。それがさぁ、ウケるんだけど。あいつ、貴族のぼんぼんなんだぜ」

「え!? マジかっ」

「まぁ男爵家の次男坊で、爵位継げないんだけどな」


 はは。せっかく貴族転生したのに、次男坊とはな。かわいそうだけど、どこか運がないのは水戸らしい。


「なんでぇ。敵じゃねえのか」

「え、敵――うわぁっ。ア、アルパディカ!? シ、シド。まさかこのアルパディカも?」

「名前は付けたけど、どうなんだろう? 契約してるのか?」

「かーっかっかっか。してやってるぜ」


 してるのか。ということは、奥さんたちともだろうな。


「し、志導殿の、ご友人?」

「あ、うん、そうなんだよ、バサラ。紹介するよ。俺の――古い友人でアルトっていうんだ。彼女はレイアの友人で」

「エリサって言いまぁす」

「よろしく! 俺は冒険者やってんだ」

「よ、よろしく、お願いします」

「えー、そんな敬語なんていらないって。俺の方が若いんだし。タメでいいって」

「た、ため?」


 どうやらこの世界には、タメ口という言葉はないらしい。

 ほんと、明るいやつだな大沢――おっと、アルトは。


ブクマ!!

★!!

お願いしまっす!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ