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転移した先が滅びかけ!?〜万能クラフトと解析眼で異世界再生スローライフ~  作者: 夢・風魔


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11/12

11:結果→大丈夫→それ。

【解析結果:古代の禁術を用いた獣化の呪い。解除方法:不明】


 呪いを解く方法は、わからない。だが。


【その方法は古代魔法王朝の地下に眠る、膨大な魔導書のどれかに記されている】


「君の呪いを解析してみたんだ」

「え!? か、解析できたの? そ、それでっ」

「それで……解除方法が書かれた魔導書が、地下迷宮にあるってことしかわからなかった」


 そんな情報、何の役に立つって言うんだ。そもそもレイアの目的地は地下迷宮で、呪いを解く方法を探してそこへ行こうとしていたんだ。今更、重複するような情報を出されたって意味ないだろ。


「ごめん、レイ――「よかったぁ。解く方法があるんだわ」え?」

「方法が何もなかったらどうしようって、それが一番不安だったの。でも志導くんのおかげで、方法があるってわかったわ。しかも魔法王朝の都市に!」


 そうか。方法があるってことがわかったんだ。

 あるのかどうかわからない状況より、ぐんと進展したと考えていいのか!


「呪いを解く方法が、もうすぐそこにあるんだわ」

「あぁ。都市の地下に――あっ」

「ん? どうしたの」


 忘れてた。都市の防衛システムが暴走しているんだった。


「も、もう一つ大事な話が……実は――」


 ニーナから聞いた、都市の魔導装置の一部が暴走していることをレイアに告げた。

 レイアはきっと、直ぐにでも都市へ行きたいはずだ。そんな彼女の希望を打ち砕きたくない。でも黙っていれば、真実を知った時にもっとダメージを受けることになる。

 何より危険だ。


 話す間、レイアの表情がどんどん暗くなっていくのが見て取れた。


「そんな……都市は半日の距離にあるっていうのに。やっぱりこの呪いは、解けないんだわ」

「何を言っているんだレイア! ここまで来て諦めるのか君はっ」

「でも中に入れないんじゃどうしようもないじゃないっ」

「方法はある! 俺が必ず見つける! この解析眼で必ずっ」


 今にも泣き出しそうな彼女の肩を掴み、俺はその瞳をじっと見つけた。

 必ずと言ったけど、自身がある訳じゃない。解析するには、それをこの目で見なきゃいけないんだ。

 入ることが不可能だったら、解析すら出来ないことになる。


 けど、ここでそんなこと言ったって彼女を落ちこませるだけだ。

 俺がなんとかする――その気持ちに嘘はない!


「大丈夫だレイア。この町の魔導装置だって解析眼と万能クラフトで治せたんだ。暴走装置だって、なんとかなるなる」

「解析眼……万能クラフト……それがあなたのスキル、なのね」

「そ。便利スキルだろ?」


 掴んでいたレイアの肩から手を離す。

 彼女は目に浮かんだ涙を拭うと、それから笑みを浮かべた。


「うん。私、あなたを信じる」

「あぁ、信じてくれ。必ず見つけるよ、古代迷宮都市へと入る方法を」

「ん。私も手伝うわ。戦闘は任せてっ」


 そう言ってレイアは胸をトンっと叩く。


「あぁ、任せるよ。情けない話だけど、俺は戦闘系のスキルがないからさ」

「ふふ。適材適所、でしょ」

「あぁ。そうだね」


 適材適所、か。

 そういえば、ずっと昔にもこんな話を誰かとしていたような。

 高校? いや、もっと前だったような、高校の時だったような。その両方?


「ンアァァーッ!」

「うわぁっ。ユ、ユタ!?」


 レイアを向かい合って話しているそこへ、ユタが割り込んできた。

 俺の脇から顔をズボっと突き出し、尻尾をビタンビタンと床に打ち付けている。


「な、なんだよ!?」

「ラモ……オイ、ラモ、シドー、マモル!」

「え?」

「ふふ。ユタも志導くんを守りたいんだって。いい子ね、ユタ」

「クフフフフフーッ」


 ちょ。俺、守られ役? ま、まぁ確かにこの中で最弱なの、俺だけどさぁ。

 こんなチビっ子にまで守られるとは。

 体、鍛えようかなぁ。


「ク。メ、シ、クウゥ」

「お、飯か。そうだな。ご飯にしよう。あ、聞いてくれよレイア」

「え? どうしたの」

「ユタが立派な兎を狩ってくれたんだ。な?」

「フンフン。クアァーッ」


 ドヤーっと、ユタがまた仰け反る。そして後ろ向きに盛大にこける。

 ワンセットだ。


「ぷふっ。そうなんだ。凄いわね、ユタ。ほら大丈夫?」

「クゥゥゥ」


 こけたユタを、レイアが起こしてやった。

 その瞬間――解析眼が反応する。


 レイア、それからユタの隣で伸びまくっているエリクサー。その両方が視界に入り、それでこんな解析結果が出たのか!


「レイア、君の呪いを呪いを一時的に緩和出来そうだ」

「呪いを緩和? そ、それってどうやってっ」


 レイアが前のめりになって、顔が近くなる。その表情は希望に満ちていた。

 そんな彼女の顔を見て、思わずドキっとしてしまう。

 

「こほんっ。えっと、ポーションで緩和出来るそうだよ」

「ポ、ポーション?」

「あぁ。エリクサーのポーションだ」


 途端、レイアの表情が曇った。

 あ、あれ? 嬉しくないのかな?

 

「エ、エリクサー……そんな……そんな貴重な薬草……見つからないわ」

「いや、あるよ」

「え?」


 きょとんと首を傾げるレイア。俺は彼女の直ぐ右を指さす。


「それ」

「ど、どれ?」

「いやだから、君とユタの隣に生えてるその草。エリクサーだから」

「ん?」


 彼女は見つめた。捲れた床の下から蔦を伸ばした、細長ーい草を。


「それがエリクサー」

「クアッ」


 やや間があって。


「えええええぇぇぇぇぇーっ!?」


 レイア声が夜の町に響いた。

 


呪いの解除方法――それは……今すぐブクマをすることだ!?


ハッ!?

俺は何を言っているんだこれは罠だ宇宙人の罠なんだ!


次回【エメラルド→欲望→埃。】

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