90話 意味違いのやってくる
風呂から上がった私たちは着替え、マッサージチェアに座りイチゴ牛乳を飲んでいた。
「しかし銭湯に置いてある自販機、ビンから紙パックになっちゃったな」
「いいんじゃない?割る危険性が無くなったし」
「でもあれじゃなきゃザ・牛乳っていう感じじゃないんだよ!」
「まぁ確かにそうだね、あれがあってこその銭湯なんだけどなぁ、メーカーの都合だろう」
「ってフローズンさんコーヒー牛乳好きなんですね」
「ああ、コーヒーに最近ハマっていてね、体の体液の40%はコーヒーっていうぐらいに飲んでる」
「たしかに飲んでるね、なんなら最近豆から淹れてるって」
「豆から……飛んだコーヒー通だね」
そんな話をしていると客が少し多くなっていった。
「ちょっと混雑してきたね」
「そうだな……ベンチに座るか」
マッサージが終わり、私たちは手ごろなベンチに座った。
「一気に人が増えた、なんだろ」
そんな話をしていると奥から季節外れのトレンチコートを羽織り、カウボーイハットを被った人が近寄ってきた。
(なんだあの人、こっちに近寄ってくる……吠えようかな)
私は近寄ってくる人に威嚇をした。
「千尋、それレッサーパンダの威嚇」
フローズンさんは何か感じ取ったらしく、ストローを紙パックから引き抜いた。
「人のリラックス時間を邪魔するな!」
フローズンさんは引き抜いたストローでトレンチコートの人の目を狙った。
「俺の邪魔をしないでくれないか」
トレンチコートの人はストローを華麗にかわし、私の手を引いた。
「あれっ、何!?ナンパ!?ナンパなら高くつくよ!」
その時、トレンチコートの人の背後には莉奈さんが居た。
「あれぇ?やぁっと見つけた男だな……遊ぶんだったら私だよ?」
その風格はまるで狂犬、ケルベロスのようだった。
「さぁて、ホテルは何処にあったっけ」
「姉ちゃん、ちょっとまって!?」
「だいじょぉぶ、ブローズン、ちょっとやってくる」
そう言って私の手を掴んでいる手が自然に離れ、二人はラブホテルに向かって行った。
「……やってくるってまさか」
「いや、千尋の考えているやってくるとは違うやってくるかもしれない」
(何言ってるのか分からないが……私にもわからないぞ……)
「まっ、私の家でコーヒーでも飲んでいく?どうせ数時間で帰ってくる」
「いいけど……お姉さんに言わないの?」
「行動パターンは分かってるんだよ、だから行こ」
そう言ってフローズンさんは私の手を引いて住宅街に溶け込んでいった。
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