2話 祓えない悪霊
綾瀬さんと巫女は御幣を持ち、向き合っていた。
(これ……どうなるの!?)
「行くぞ綾瀬!」
スタートを切ったのは九丈家の巫女だった。
「ってスピードだけは速いんだから……だがそのパワー、利用できるんだよね」
綾瀬さんは九丈家の巫女の顎に手を突いた。
「巫女ってのは、霊力だけじゃ務まらないんだよ」
「おっとぉ!?」
九丈家の巫女は思いっきり後ろにこけた、だが地面と頭の間に手を入れていたため脳震盪にはならなかった。
「へぇ、何度もやってるから対策されたのか」
「そうだ……だが手は痛いけどね」
「っと、結界術張った方がいいぞ」
「どうしてなんだ?」
すると綾瀬さんは私に札を投げてきた。
「……やっぱり」
物凄い音が鳴り響き、上を向くと何かを伸ばしている誰かが居た。
「九丈家の巫女さんよぉ、これは……お前らが仕掛けた事か?」
「いいや、巫女が悪霊を作るわけないだろう」
「だよなぁ……この下にでも死体でも埋ってるのか?」
すると九丈家の人が呪文を唱え始めた。
「黒より出でで闇より暗く、その罪を禊たまえ」
するとあたりが暗くなっていき、周りからの音が消えた。
(この感覚は何だろう……物凄く奇妙な感覚が)
「やっぱ九丈家のこれは最高だね、勝負は私の負け、だけど千尋は渡さない」
「フン、それでいいんだ」
そして二人の持っている御幣が光始めた。
「……お前の式神、強いのか見せてもらおうか」
「それ毎回言ってない?もう、負けを認めたらいいのに」
すると私に向かって何かが飛んでくる。
「って私狙いか!?」
「どうする、あいつを守るかそれとも悪霊を祓うか」
「……俺が守りに行く、綾瀬は奴を祓ってこい」
「ああ、分かったぞ」
そして九丈家の巫女がこっちに来た。
「余計な真似をするんじゃねーぞ」
そして綾瀬さんが空に飛んでいった。だが地面に綾瀬さんが打ち付けられた。
「大丈夫か!?」
「いや……祓えないほどの霊力をもってる……逃げるのもありだ」
「だがこのままだと一般人に被害が行くぞ」
「そうなんだよ……」
すると私に向かって何かが飛んできた、だがそれは私に憑いている霊が止めてくれた。
「……これ、ちーたんに当てようとした?」
すると霊は飛んできたものを投げ返した。
「なんじゃありゃ……」
そして私の中に霊が入ってきた、すると体力がどんどんと増えていくような感覚に陥った。
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