21話 3カウント
そして部屋の中に突入するとき、巴さんはいろいろと体操をしていた。
「これは体の柔軟さを試されてるからな……怪我しないように体操するのも事実だ」
そして私と綾瀬さんは踏み台になった。
「さてと、3カウントで上にあげてよね」
「3カウントって何なの?」
「知らないの?」
すると私たちの手に足をかけた。
「3カウントをしたとき、私は飛び上がる、二人は私を押し上げて、例えば……321」
綾瀬さんは無言で上にあげた。
「ってうおぉぉぉあああ!?!?」
「……手が滑っちゃった☆」
「手が滑る要素はないが」
「って何やってんだ綾瀬ェ!!」
巴さんは綺麗にベランダに着地し、部屋の中にいる悪霊を引っ張り出してきた。
「オラァ!1!」
そいつは丸っこくてなんだか不健康そうな肌をしていた。
「ケケケ……」
すると私に向かって何かやった。
「……?」
「ウゲ!?」
「何やったかわからないが……この傷の恨み……晴らそうかしらね……」
「ゲ……ゲゲェ!?」
「何言ってるかわからないがな……」
私はかかと落としをした、そして悪霊は地面とキスすることになった。
「私はお前をためらいなくボコボコに出来るんだよな!!!」
私はマウントを取り、高木を腕だけに憑りつかせ、ボコボコに殴った。
「ホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラァ!!!!」
悪霊は私の顔を見てもうやめてと言っているようだが、その可愛さが仇なんだよなぁ。
「ならこれでも食っとけ!!」
私はおかしで持ってきていたミカンを悪霊の口に無理やり突っ込み、私は立った。
「千尋……何をするんだ?」
「やっぱり最後は華々しく祓わないとね」
私はそのミカンを蹴り抜く気持ちで踏んだ、ミカンの果汁が悪霊の目や鼻に入り、悶えていた。
「ゲアァァァ!!」
「ふん、墓場まで直行だな」
そして悪霊は動かなくなった。
「ふぅ、この札が無ければ暴れてたな」
体を見ると一つの札が張られていた。
「この札って?」
「この札は悪霊退散の札だね、だけど妙だな」
「ああ、綾瀬もそう思うか?」
その時、依頼者はこう言ってきた。
「弟は戻るんですよね!?」
「いいや、戻らないかもしれないんだ……」
私は綾瀬さんに聞いた。
「どうして戻らないんだ?」
「まだわからないのか?普通の悪霊なら祓われた時、体が消えるだろう、だがこいつは消えなかった。だとすると……?」
「……人?」
「惜しい、人だったものがこれっていうのだ」
綾瀬さんは人だったものを触った。
「……そっか」
綾瀬さんは一つため息をつき、依頼者にこう言った。
「本当に申し訳ございません、弟さんは戻らないので……」
「そうですか……ならそばに行っても」
「ええ、危険性はないので」
その時、物陰から何かが離れていく影が見えた。
「……フローズンさん物陰」
「ああ、わかっている。私たちの仕事だな」
そしてフローズンさんは物陰を探し始めた。
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