132話 中々濃い一日
午後9時、私たちは大海町に戻ってきた。
「戻ってきたぞー!」
「やっと戻って来たね……だけど暗いね」
当然の通りあたりが暗く、いつ悪霊やら変人が現れてもおかしくはなかった。
「うーん、私が送っていくよ。どうせ私しか戦えないもの」
「確かに、だけど悪霊は任せときな!}
「心強いな、なら頼むよ」
そして私たちは周りを気にしながら寺に帰っていった。
「ただいまー」
「おっ、おかえり。どうだった」
「大槻レオはこの町に居る」
「そうか……は?」
「だから大槻レオはこの町に居るんだって」
「……ちょっと待て、この町に居るんだよなあいつが……」
「そうだけど?」
「面倒だな」
「もっという事あるでしょ!?」
「じゃ、後は任せた。私は家に帰るよ」
フローズンさんは暗闇に溶け込むように消えていった。
「だがレオがこの町に居るんだったら家を回って行けばいつか見つかると言う事だよな」
「いや、あのレオがそれを想定してないと考えにくい。どうせあいつはじめじめした場所に居ない。どこか予想のできない場所に居るはずだ」
「予想できない場所……レオはこの町に居るんだよね」
「そうだ……今森熊村って大海町に統合されてるんだよね」
「そうだが……まさか森熊村に居るってのか!?」
「私の予測ではな……町中にアジトを構えていたら私たちと鉢合わせても不思議じゃあない。つまり人目がつかない場所。森熊村だ」
「……知らず知らずのうちに私は敵地に乗り込んでいたのね」
「そうらしいな……だとすると点と点がつながるな」
綾瀬さんは点と点がつながったと言った。
「だって千尋と巴が森熊村跡地に調査しに行ってたまたまレオか取り巻きが見つけ、そして私たちに警告しに来たって思ったら」
「確定かな」
「そうだ、だから今から私たちは力を蓄え、森熊村に向かうぞ!」
綾瀬さんは即九丈家に連絡を入れた。森熊村……もう一度行かないといけないのか。
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