128話 山奥の別荘
車に揺られること数時間、東京の森の部分で湖の近くまで来た。
「さてと、ここからは徒歩だ。東京って思わないほどに森が生い茂ってるよね」
「綾瀬さんはここに来たことあります?」
「無い、だけどいい景色だ。ここだったら心置きなく小説をかけそうだな」
「まぁ、アイツは静かな場所に居るのが好きだからこの場所に家を建てたってのが理由らしい」
そして歩くこと2分、目の前に屋敷が現れた。
「ここか……?」
「そう、ここがその小説家の家だ。いるかな~?」
フローズンさんはドアをノックし、中に入って行った。
「誰かいるか~?」
フローズンさんの問いかけに返事は無かった。
「どうやら出かけてるらしい、仕方ないけどこの場所で張っておくか」
「おや、やっぱりここにいた」
敷地の入り口からひょろひょろの人がやってきた。
(あれ、あの顔どこかで見た事が)
「君、今考えた事当てていい?」
「いいけど……どうしたの?」
「あの顔どこかで見たなって思っただろう」
その一言はどこか私の心を掴むような感じだった。
「桐谷、昨日電話で言ってた2人だ」
「そうか、巫女っていう職業は本当に楽そうだな」
「それで単刀直入に言う、大槻レオのアジトは何処にあるんだ?」
「大槻レオのアジトか、今日調べて分かったことがある。アジトは大海町のどこかにある、だがそのどこかが分からないんだ」
大海町、それは綾瀬さんたちが過ごす街だ。
「まさか大槻レオはすでに町に居るってことか!?」
「そうだ、そして大槻レオが従えている中でアルカナの暗示を受けている者もいると言う情報がある」
「アルカナの暗示……?」
すると桐谷は手でジェスチャーをし始めた。
「ほら、フローズン見せてみろ」
「私の場合はアルカナ番号21の暗示、ザ・ワールドだね」
するとフローズンさんの周りに粒子が漂い始めた。
「それでカサリーネもアルカナの暗示を受けてただろ?」
「たしかチャリオッツだよね」
「そうだ。今判明している人でアルカナの暗示を受けているのは14のテンパランス、17のザ・スター、二人だ」
「私の知っている人でアルカナの暗示を受けてるのは3番4番6番7番8番12番15番19番20番21番だね」
ここで私の頭が理解を拒み始めた。
「ちょっと待って、私の知らない場所で知らない話題を話されても」
「そうだ、関係ない話だ。だがこれから起こること、それは私たちの戦争に巻き込まれるかもしれない」
「私たちの戦争?」
「ああ、未だ存在の分かっていないアルカナの暗示、それは0番1番2番5番9番10番11番13番16番18番だ、その存在は分かっていないがこの地球上に存在していると言われている。当然私たちとは友好的か敵対的かすらわからない」
「……言ってる意味が分からないのだが」
「まっ、私たちしか理解できないってわけね」
「そうだ、それでテンパランスとザ・スターと戦うんだろ?ならフローズンのほかに月の裏切者たちを連れていったらどうだ?」
「月の裏切者……か」
「カサリーネもそうだ、だがテンパランスとザ・スターの能力が分からない以上、何が起きたのかも確認することすら難しいだろう。だから少し私と特訓をしよう」
すると桐谷の後ろに何かが見え始めた。
「見えてきたかい?これが私のレガリアの象だ。実際のところ精神力の源と言ってもいい」
「へぇ……」
「じゃ、私を殺す勢いでかかってこい」
いきなり殺す勢いでかかってこいと言われ、私は少しだけ戸惑った。
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