113話 のぞき見
翌日、目が覚めるとそこには切り裂きジャックが布団の横で立っていた。
「……なにこれ私殺されるの?」
「殺しはしない」
だが切り裂きジャックの服には血がびっしりとこびりついているようだった。
「……一旦その服洗いな?」
「いいのか?」
「うん、その格好だとどこか人々を怖がらせるから」
「そうなのね」
こびりついた血の落とし方が分からない私はとある道を通って集合住宅に向かった。
「おーい、いるだろ?」
私はフローズンさんの家を訪ねた。
「ん?どうした?」
出てきたのは40代ぐらいの女性だった。
「あれ、誰?」
「人間違いなのかな……」
でもどこか空気が一緒ということに気が付いた。
「フローズンさんはいます?」
「フローズンね、今爆睡してるけど起こす?」
「起こしてください」
私は出てきた人に頼んでフローズンさんを起こしてもらった。
「ん~?」
フローズンさんはシャツとパンツ一丁で出てきた。
「フローズンさんいつもその恰好で寝てるんですか?」
「そだよ~だってこの服の方が涼しいんだもん」
「そんな清々しい顔で言われても」
そして私は事の用件を伝えた。
「なるほどねぇ~」
フローズンさんは私が持ってきた服を見てこういった。
「こびりついちゃってるね~」
するとフローズンさんは家の中に戻り、デカい桶を持ってきた。
「これに水と中性洗剤をドバー、そしてこの衣類を叩く」
フローズンさんは小さな手で衣類を叩いた。するとみるみる血の汚れが消えていった。
「凄いなぁ」
「まさかこれの処理をさせるために呼び出した?」
「そうだけど」
「後でケーキ奢って」
「いいけど……依頼料代わりなのかな」
「そう」
そして私はケーキ屋に向かうことになったがどうしてフローズンさんはケーキが好きなのだろう?
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