プロローグ
私は栗栖千尋っていう者……だが……目が覚めた場所は四方八方にお札が張られている場所で真正面に巫女がいた。
「さて、君、死刑ね」
「……は?」
私はけだるそうに言ったが巫女は構うことなく話し始めた。
「死刑は死刑、だけどね、法律がそう言ったわけではない、私の独断で死刑っていう判決」
「死刑ってどういう事なんだ……」
「その前にこの映像を見てくれぇい!」
巫女がノリノリで出してきたのは40年前ぐらいのテレビだった。
「さて、これで再生できるのかな~?」
私はとある映像を見せられた。
「おい、お前を拘束する、私はクルセイダーズの凍だ、ついてきてもらう」
すると私から何かが出てきた。
「……やっぱりあいつから聞いていた通り、一筋縄ではいかないな」
「あ、ここでデータが途切れた、全く、あいつ……装備の手加減とか知らないんだから……」
「これはどういう事なんだ?」
「あなたには何かが取り憑かれているんだ、今できることは2つある、一つはこのまま私に処刑されるか、それともその霊をコントロールするかなんだ」
「コントロール……ねぇ」
するとお札がビリッと破れる音がした。
「まずい、封魔結界!」
巫女は私に結界を貼ってきた。
「……コントロールしてみたいな……もし無理だったら殺してもらっても構わない」
「なら今すぐそいつを引っ込めてよ!!!」
「わかった」
そして私はどうにかして憑いている霊を訳も分からず声でおとなしくしようとした。
「神様か仏様か悪霊か知らないけど、今すぐ力を弱めてぇ!!」
すると霊の力がどんどんと消えていくような気がした。
「……まさかね」
巫女は結界を解き、私に触れた。
「うん、問題はない、体にも、精神にも」
「……?」
「抑え込めてるね、レガリアなのかな……この能力」
「レガリアってなんなの?」
「レガリアかい?特殊能力、この前あった出来事、メカトロンという奴が地球に侵略してきたっていうの」
「あったね、私はバンカーにいたよ」
「それって政府公認?」
「いや、拾ってくれた人がやってた」
「……君はヘレティックなのね、でもどういう霊なのか、見ておきたいな」
すると呪文みたいなものを唱え始めた。
「我が内なる獣よ、主と眷属を守り給え」
すると巫女の姿が虎みたいな姿になった。
「これが私のレガリア……正式には降霊術型レガリア、そして力を借りてるのは白虎っていう聖獣、今から君の中にいる霊を引っ張り出す」
そして私の頭を掴み、無理やり何かを引っ張り出した。
「こいつが……君の霊だ……ってあれ」
すると霊が私の目の前に立った。
「……やほ」
「こいつ……喋れるぞ!?」
「幽霊って、喋れるの?」
「普通は喋れない、だがこれはどういうことなんだ!?」
「やほ、ちーたん」
「ちーたん……昔の呼び名だ」
「昔の呼び名……昔幽霊と話したことはあるか?」
「いや、ない……と思う」
「そうか、どうやらそいつは君の事を好きらしいな、お悔みだ、名前は?」
「千尋」
「上の名前は?」
「栗栖」
「そうか、栗栖千尋君、なにか起きたら電話を、即祓いに行く」
そして私はとりあえず解放されたが……解放された場所は寺っぽい場所だった、
「……どうやって帰ろう」
「ここに泊っていきなよ、どうせ河川敷に戻るんでしょ?」
「そうだね、というかどうして知ってるの?」
「知り合いの殺し屋から聞いた、ここに連れてきたのもその殺し屋」
「……そうか」
どうやら泊まる場所はここになるらしい。本当は帰りたいけどね。
「ちなみにここは私と夫がいるけど……我慢してね」
そして私の奇妙な日常が今から始まるようだ、私は平穏に暮らしたいと思っているが。