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私の髪の毛はなんでこんなにも傷んでるのだろうか。
おっかしいなぁ、前世はここまでひどくはなかったんだけどなぁ。
きちんとお風呂に入って、シャンプートリートメントばっちりなのにここまで痛むのは才能なんじゃないかと思います。
お手伝いさんに髪の毛をきちっとお団子っぽく纏めていただいて、椿油の艶出しスプレーを振りかけて何とか誤魔化す。
パーティードレスは妹のつばきの物を借りました。
私は同い年と比べると体が小さめなので、つばきのドレスがぴったりだった。
でもつばきのドレスはどれもつばきのためにあるような可愛らしいデザインだったので、地味な私が着られるものを探すのは少し難航した。
結局、濃紺のスカートが少しだけふわっとしたドレスを着ることになった。
キラキラフワフワした飾りもついておらず、上品なレースが少しあしらわれている程度の大人っぽいデザインだったので、顔が華やかでない私でも鏡で見ると服に着られてなかった。
つばきは「おねえさま、可愛いですわ、綺麗ですわ!」と褒めてくれた。
えへえへ。うれしいな。
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パーティー会場はサロンの内装によく似せていて、それでいてクリスマス感満載だった。
クリスマスと言っても、シャンシャンシャン!!リンゴーン!!と言う感じではなく、華やかだけれど上品さがあった。
とても大きいクリスマスツリーが中庭にあってテンション上がった。
フォーマルな格好をした男子生徒の先輩や、華やかなパーティードレスを着た女子生徒の先輩達がクラスを片手に談笑している。
煌びやかだわぁ、目がチカチカしちゃう。退避退避。
パーティーが始まると先輩方は優雅に社交ダンスを踊り始めた。
なんていうのあれ。ワルツ?ゆったりとした三拍子でふわふわパーティードレスが舞っている。
勿論私は踊れるはずがないし、踊るつもりも相手もいないので今日はビュッフェをもさもさ食うつもりだ。ぐふふふ、どれも美味しそう。
皆談笑していてあまり人がいない、座って食事をとれるテーブル席の端っこの方で、ビュッフェでたくさん取ってきたローストビーフやスイーツをもっさもっさ食う。
んー、旨い。最高。来てよかった。
着てるのがパーティードレスなのであんまり食べれないのが残念だ。
くるくる踊っている先輩方を見ながらフォークで肉を口に入れる。
やっぱみんな踊れてるなぁ。私も踊れた方がいいんだろうか。社交ダンスなんてお嬢さまのたしなみだもんね。つばきも習ってるし。
というかつばきはピアノにヴァイオリン、お琴に三味線に、社交ダンス………習い事多すぎだと思う。本人が楽しいならいいけど。
原作の漫画の中でも、なんでもできる完璧なお嬢様だったもんね。小さい頃からの英才教育と努力のたまものだったのかあれは。
凄いな妹よ。
「あれぇ、神子戸さん?こんなところにいたの」
げっ。
聞き覚えがめちゃくちゃある声。
口を拭いて振り向くと、羽澄生馬が立っていた。
「………………コンニチハ」
「うん、こんにちは」
この話の冒頭部分が、盛大な重複をしていました。
申し訳ございません、確認不足です。本日修正いたしました(11月12日)
今後、このようなミスをしている箇所がございましたら、優しくご報告いただけると嬉しいです。
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