第99話 状況を開始する。
(・・・ああ、駄目だったか・・・)と内心思いつつ注記の所を見ていくと
【実技試験が未実施の為、後日実施する。】と書いて有り成績自体は問題無かった。
(そういう事ね。と意図を読み取った。)
「総ちゃんはどうだったの?」と葵が聞いてきたので
「結果から言うと駄目だったが、内容は良かった。」と返すと皆、頭の上に ”❔” 状態だったので簡単に説明し納得してもらった。
「まぁ、結果自体は悪くないし今回は事故みたいなものだからね。良かったわね葵。」と澪が言うと
「継続が大事だからな。油断するなよ二人共。」と陽斗がクギをさしてきた。
「全くよ。」と紬も同調した。
「とりあえず、後は、終業式まで休日みたいなものだしゆっくりと帰る準備でもしますか?」との澪の発言に
「・そうだね、ね、紬」
「・・そうね、ゆっくり準備でもしてようかな。」と陽斗と紬が反応し
「よし、図書室で本の虫になる。」と言って司は早速引きこもりの宣言をし
「・・・もう、司は、前回みたいに当日用意で大変だったんだから今回はしっかりしてよね・・・。私もゆっくり準備してようかな。・・・」と葵は司の発言に呆れた顔をしていた。
「じゃ、俺は追試をしっかり終わらせるか・・・」と気合を入れ追試に挑むことにし、そのままカフェに向かい店長に近況報告をして 【一人だけ追試記念会】の開催となってその日は楽しく過ぎていった。
翌日から追試に向け自分と佐々木さんと一緒に再度試験のやり直しを行なっていった。今回は講師が直接課題を渡し、それらのテーマに合った資料集め、検討、発表と順調に終わり試験はあっという間に終了した形になった。試験終了後佐々木さんと一緒に帰寮する事になり
「なんだか、拍子抜けだったね。」と言うと
「そうですね、本当に前回のは何だったんですかね?」と佐々木さんも疑問に思っていた。
「しかし、追試は自分達だけとはね。去年までは実技試験の結果次第では結構な人が追試だったんだよね。」と言っていると
「そうなんですね、去年までは色々大変だったんですね。」
「いや、どちらかというと英語でやられてたからね。」
「そうでしたね、名無しさん。」
「・・・ちょっと待って。それ誰から聞いたの?」
「情報源は黙秘します。」
「・・・司、あたりだな・・・帰ったら懲らしめてやる・・」と会話しながら寮の目の前まで来たところで
「あれ、司先輩じゃないですか?・・・なにしているんですかね?」寮の入り口辺りで明らかに怪しい行動をしている二人組を見つけた。司と澪だった。
「何してるの?」と澪に聞くとハンドサインで静かにとのジャスチャーの後小声で
「静かに、向こうを見ろ」と指さす方には陽斗と紬が辺りを警戒しながら歩いていた。
「?」と全く訳が分からないままでいると佐々木さんがやはり小声で
「デートですか。」と聞くと澪は
「そうだ、状況を開始する。」と言って尾行を開始しようとしたので止めようとすると
「私も参加します、準備してきます。」と言って佐々木さんも参戦しようとしたので止めようとしたが
「総、恵隊員も着替えてバスターミナルに向かえ。以後携帯を使って両名に連絡を禁ずる。」と言って司を強引に引き連れて行ってしまった。その光景を見つつ
「本当に行くの?」と佐々木さんに聞くと
「急ぎましょう。」と既に佐々木さんは女子寮に向かってダッシュしていた。
(・・・こういうの好きじゃないけど、暴走しない様にお目付け役はいるよな。)と言い訳を考えつつ自分も早速用意した。




