第80話 課題は計画的に処理しましょう。
少し緊張しながら
「はい、なんでしょうか?」と聞くと
「すいませんが、この箱を隣の保管室まで、持って行ってくれませんか?少し重いもので、」と指さす方を見ると段ボールで二箱ばかりあり、見た感じ書類がパンパンに入っていた。
「・・・これは重そうですね、」
「ええ、腰が痛くてキツイもので、すいませんがお願いします。」と言って保管室のカギを持って一緒に行く事になった。まぁそんなに大した事でもないし、あまり雪代さんからお願いをされる事も無いので少しビックリした。
「さて、運びますか。」と気合を入れたが、かなり重くヒイヒイいいなが保管室の棚の上に置くことが出来た。
「総一郎殿、ありがとうございました。」とお礼を言われ
「いえ、大丈夫ですお役に立って良かったです。」と言って応接室に戻る事にした。応接室に着くと司がガッツポーズを陽斗がこの世の終わりみたいな顔をしていた。少し苦笑いをしている葵に話を聞くと
「司君は、英語の課題が澪姉から合格を貰ってのガッツポーズ。陽斗君は紬に出したレポートにダメだしを貰って今、絶望しているところ、かな・・・」と端的に教えてくれた。
「そっか、・・ほら、陽斗見直し手伝ってやるからそんな絶望な顔つきから戻ってこい。」
「・・・総一郎、もう疲れたよ・・・おや・・」
「寝かさないよ、ほら、さっさとやるぞ、」と再度気合を入れ直させ、四苦八苦、一時間後
「・・・・・・どうですか・・・・・」と出来たレポートを紬に見せて
「・・はい、葵・・・見て。」
「・・うん、澪姉・・・どうかな?・・」
「・・・・うん、合格。」とお墨付きを貰い今冬の課題は全完了となった。
「終わたよ・・・うん・・・うん・・・」と陽斗が少し遠くを見ながら、涙目になっていた。司も
「いや~ヤバかった。まさに死線を乗り越えた感じがする。」と二人が感謝を伝えていると
「いや、私達年末には終わってたわよ。」
「そうね、皆でやったら早かったわよね。」と紬と澪に言われ、最終的二人ともしょんぼりしていた。
そんな二人を見つつティーカップ等を片付けていると、葵から、
「総ちゃん、私も手伝うよ。」と言ってくれたので、キッチンに持って行くと、雪代さんがいた。
「総一郎殿、先程は助かりました。」
「いえ、あの位お安い御用ですよ。」と返しておいた。雪代さんもティーカップ等を返しにきっち来ており、課題の進捗状況を確認されたので無事?に終了した事を報告すると
「・・・総一郎殿、司殿、陽斗殿、皆宿題を溜めこむのは昔から変わりませんな、少しは葵様や澪様、紬様を見習いなさいませ。」としっかりっとご指導された。
その後は葵の屋敷で夕食をご馳走になりその後、皆各自の家に帰って行った。
夜遅くにも関わらず雪代さんの執務室の電気は点いていた。
「全く、忙しいな・・・しかし、・・・これも・・・・」と扉をノックする音が聞こえた。今この屋敷には葵と雪代しかいない、つまり訪問者は
「・・・どうぞ、葵様・・・・」葵が神妙な顔つきで部屋に入って来た。
「・・・あの、雪代さん、保管室に・・・総ちゃんが・・・」
「大丈夫です。あの書類は保管室の更に金庫の中にありますので、その金庫も私と葵様のカギ、両方揃い開く仕様です。・・・ご存じですよね。・・・・」
「・・・はい、・・でも・・・・」
「大丈夫です。問題は有りません。・・・もう夜も遅いですから早くお休みください。」と言って葵を落ち着かせた。
葵も雪代の態度で察したのか
「はい、すいませんでした。・・・・おやすみなさい。」と言って葵は部屋から出て行った。
その後雪代は大きなため息をつきながら
(・・・やはり葵様は・・・・いや・・・ダメだ。・・・そう・・・だよな。・・・)と深く考えつつ目の前の書類に再び目を通していた。




