第73話 足の捻挫
葵と初詣の約束をしてから、数日後、久々に降った雪もすっかり溶けて、大晦日になっていた。
正月用意も大掃除も終わり、後は年越しそばを食べつだけとなっていた。
「もうすぐ今年も終わりか。いろいろあったな・・・」としみじみしていると
「そうね、大怪我で入院て言われた時はビックリしたわよ。まぁ、後遺症も無かったし、良かったわ。」とたまには母親らしい事をいうと思っていると
「あんた、初詣は、明日の昼過ぎ位に行くんだよね?」と聞いてきた。
「・・ああ、皆、昼過ぎ位からが集まりやすいからな。」と少しソワソワしながら返事をした。そんな分かりやすい態度でいると
「大丈夫、葵ちゃん達しっかり、綺麗に仕上げてあげるから、男どもは、ソワソワしながら待ってな。」と今自分が思っている事を当てられ、
「・・・そんなんじゃ・・・ないけど期待しております。」と素直に返事をしておいた。
「あら、言うじゃない。期待してなさい。」と答えると、年越しそばを作る為にキッチンに向かい用意を始めた。蕎麦を茹でていると、携帯が鳴った。画面を見ると葵からだった。
「もしもし、葵、どうしたこんな時間に?」と聞くと、
「あ、良かった、実は雪代さんが、足を捻挫しっちゃったみたいで、今はリビングのソファーで寝かしてるんだけど、寝室に運びたいんだけど、私一人では全然無理で、夜遅くに申し訳ないんだけど来てほしくて、」
「分かった、すぐ用意していくよ。・・・待って、母ちゃんが代わりたいって。」と言って携帯を渡した。
「葵ちゃん、雪代さんは大丈夫そう?分かったわ、薬箱からシップだけ貼っておいて、それから年越しそばはまだ?じゃ一緒に食べましょう。うん、分かったわすぐに行くわ。」と言って電話を切った。
「え、大丈夫?すぐに行かなくて?」と聞くと
「大丈夫、大丈夫、死ぬ事は無いし、あんたも葵ちゃんと早く会えてうれしいでしょ。」と揶揄いながら言ってきた。
「な、バカ言ってないで早く用意しよう。俺、コート取ってくる。」と言ってコートの用意をしていると
「あ、総、先に行ってて蕎麦出来たら持っていくから。」と言ってきたので自分は先にお屋敷に向かった。




