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第72話   雪かきのは大変です。


 「朱鷺子さん私も手伝います。」と葵の申し出も、


 「いいの、いいの、こういうのは男の仕事、それに葵ちゃんには、正月の用意手伝ってほしいから、」

と、葵や雪代さん達は雪を掻き分けながら向かった。自分は業者の車が入っていけるように、車線の確保が任務となった。その距離、いや、考えるのはやめよう・・・・


 (心を無にして・・・・・そうここは、無我の境地に・・・・)と自分自身に言い聞かせ


 掻いて、寄せて、掻いて、寄せて、掻いて、寄せて・・・・・・・・・心を無にしてやっていた。


 休憩を挟みつつお昼ぐらいには作業も無事に終わったが、疲労困憊になっていた。

座り込みながら、独り言を叫んでいた。


 「・・・疲れたよ・・・もう、おやすみ・・・」と言っていると


 「総ちゃん、お疲れ様。スゴイ、終わったんだ。」と葵が駆け寄ってきた。


 「おう、しっかり終わらせたぜ。あ~マジで腰痛い。」と嘆きながら言っていると


 「総ちゃん、オジサンみたい」と笑いながら、葵が


 「本当にありがとう。これで業者の人も助かるよね。」


 「そうだな、葵の為と思って必死に頑張ったからな。うん、いい仕事した。」


 「・・・うん・・・ありがとう・・・」


 「そういえば、昼飯はまだかな、もう腹ペコで、倒れそう。」


 「あ、そうそう、朱鷺子さんから頼まれたんだけど。」


 「なに?」


 「家でご飯にしよう。だって。」


 「了解。」と言って自宅に帰ろうとすると


 「総ちゃん、私の家だよ。」と葵に言われた。そう葵のお屋敷でのご飯となった。


 「え、でも、雪代さんが、」


 「雪代さんが、いいって、じゃ行こうか。」と葵が笑顔で言ってきた。


 (なんで、・・・まぁ、行くか・・・)と少しドキドキしながら葵のお屋敷に向かった。


 「はぁ~久しぶりに入ったけどやっぱし、デカいな・・・」久しぶりにお屋敷の正面から見たがやはり、普通の家とは比べ物にならない位に大きかった。


 「そんなことないよ、ほら、早く入ろう。」と葵に急かされながら屋敷に入っていった。


 お屋敷の玄関ホールには雪代さんが待っていてくれて


 「総一郎殿、雪かきご苦労様でした。食事を用意してますのでどうぞ。」と食堂に案内された。


  食堂に入ると、母親が


 「総、ご苦労様、腕によりかけて用意したから、しっかり食べな。」と言って食事を運んで来た。


 「いや、いつも食べてるのと、そんなに変わらないでしょう。」とツッコミを入れつつ


 (まぁ、場所によって少しは感じ方も違うかな。)と思いつつ、食事が始まった。


 内容は、生姜焼きに煮物、漬物、汁物といった感じの物だった。


 (やっぱり、少し味付けが違うような感じがする。・・・まぁ、気のせいかな。)と疑問に思いつつ、食事を終わらせると、


 「じゃ、総、午後からは、家の正月の用意を手伝ってね。」と母親から言われ、


 「え~少し休息下さい。」と不満を述べても


 「いいから、手伝いな。」と押し切られた。そんな中葵が


 「お手伝いしましょうか?」とかって出たが


 「いいのよ、家の用意なんてすぐ終わりますから大丈夫ですよ。」と母親が言ってこの話は無くなった。 


 食事の後片付けも終わり、家に帰ろうとすると、葵が


 「総ちゃん、いろいろありがとうね。今度は、初詣で会おうね。」と約束をしたが、自分は疑問に思った事を葵にぶつけてみた。


 「なぁ、葵、やっぱり、味付けいつもと違うような感じしなかった?」


 「・・・そうかな、いつも通りだと思うよ。」とにこやかに言われ


 「・・・そっか・・気のせいか・・・うん、じゃ、葵、また初詣でな。」と言って母親と家に帰って正月用意に勤しむ事にした。


 葵はそんな、ふたりを見送りつつ、


 (ありがとうね・・・・総ちゃん、)と思いつつ、屋敷の自室に向かって行った。

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