第70話 外を見ると
雪代は晩酌の後部屋に戻って考え事をしていた。
(なにが、葵様にとって幸せなのか・・・)
(・・・しかし、あの方は・・・)
と、ずっと答えの出ない考えをしていた
(しかし、朱鷺子さんにも言われるように、大切なのは葵様の御意志・・・か・・・・)
(はぁ、この田舎に来てゆっくり出来るかと思ったら、いろいろあったな。)
(小さい頃はあんなに人見知りだったのに、今や御学友も多いし)
(それもこれも、ここの環境がこんなにも良かったからだろうな、他の候補地でも、こうなったかは分からない。ここの人々はそれほどいい人ばっかりだ。)
(・・まぁ、一番の出来事は・・・あの海の件かな・・・)
昔、葵が海でゴムボートで遊んでいた時、雪代は所用で村を離れていた。そんな中、事故は起きてしまった
幸い、葵自身に怪我など無く、泣きながら謝ってきたので、しっかり海の危険性を教えておいた。
その後の葵の態度が若干変化したのを感じた。主に一人の男子について
(・・あの時だったんでしょうな・・・恋・・・に・・・)
ふと、外を見ると雪が降っているのが見えた。
(・・・どうりで、寒い訳ですな・・・)と考え事の続きをしていると、外から声が聞こえた。
(・・誰か、こんな夜遅くにいるんですか?)と疑問に思いつつ窓から外を見ていると
(葵様!!何故・・と総一郎殿・・)二人は少し会話して家の中に入っていった。
(何か話していたようだが・・・)と気になって、二人はキッチンに向かったので、キッチンの見える廊下から二人の会話を聞いていた。
(・・・ただ、葵様の為にホットミルクを用意しているだけか・・・)
完成したホットミルクを渡した後、総一郎が煮物の味付けの件を聞いてきた。
(・・・味が違う・・・そうなのか・・全く分からなかった・・)
と、葵様を見ていると、嬉しそうな顔をしながら部屋に戻って行った。
(・・・葵様・・・・・)
雪代も部屋に戻り
(・・・・大事なのは・・・意志・・か・・・)と思いつつ眠りについた。




