第69話 ホットミルク
葵は布団の中で中々寝付けずにいた。
(総ちゃん、気付かなかったのかな、少し残念だったな。)
(せっかく、出来立てを用意したのに気づかないなんて)と少し不機嫌になりながらこの後の予定を考えていた。
(卒業まであと二年・・・その後は各地に配属になるから、皆バラバラになる。こんな体験二度と出来ないだろうな・・・でも、楽しかったな。いろんな経験もできたし、まさか自分に料理の才能があるなんて思わなかった。それもこれも、ここに来たから、総ちゃん、司君、陽斗君、紬に澪、それに村の人達が温かく迎えてくれた。本当に嬉しかった。でも、あと二年でこの生活も終わりそのあとは・・・)
いろんな事を考えれば考える程、眠気は覚めてくる・
(お水でも飲んでこよう・・)と思いキッチンに向かった。
キッチンに向かう途中にふと外を見ると雪が降っていた。
(ホワイトクリスマスか・・・少し外に出てみようかな。」とパジャマ姿のまま外に出た。
(・・寒いな、でも、何故か心が落ち着く・・・)少しの間、雪の降る中で考え事をしていた。
(・・・・私は、これから・・・・)と考え事をしていると
「このバカ!!何やってんだ!!風邪引くだろう!!」と総一郎が羽織を持って来て駆け付けた。
「・・・なんで、ここに」
「・・・目が覚めて水でも飲もうとしたら、雪が降ってるから見ようとしたら、まさか葵がこんな薄着で外にいるんだもん。ビックリしたよ。」と少し怒りながらも、とても心配してくれていたのが分かった。
「・・・ごめんなさい・・・その・・」その後の言葉が出なかった。
「取り合えず、家に入ろう、マジで風邪引いちゃうから、」と手を握ってくれた。
家に着くと
「ちょっと待ってろ。今ホットミルク作るから。」とキッチンに向かう総一郎に
「・・大丈夫・・だか・・・クシュン。」と小さくクシャミをしてしまった。
「大丈夫じゃないだろ、すぐ出来るから待ってろ。」とすぐに用意してくれたホットミルクを受け取り
飲んでみると
「・・美味しい・・」
「だろ!実は・・・」
「ココアとハチミツを入れてるのね。」と答えると
「・・やっぱり、分かるか・・ちょっとビックリさせようとしたんだけど。」
「・・ちょっとビックリしたよ。牛乳を温めるだけかと思ったから。」
「まぁ、よかった、・・じゃ御休み。」
「・・・ねぇ、なんで外にいたか聞かないの?」
「・・・言いたいか?」
「・・・・・・・」
「じゃ、いい、風邪だけ引かない・・・そうだ葵、聞きたい事があった。」
「なに?」
「昨日の煮物の味付け、何かいつもと違ったんだけど何か知らない。」
「・・え、、」
「いつも通り美味しかったんだけど、微妙に違うような、いつもより俺好みポイ感じなんだけど・・」
「・・・いつも通りだとおもうよ・・・」
「そうかな?言葉では説明がムズイんだけど、う~ん、分からんな~。」と総一郎が頭を抱えていると
「・・じゃ、おやすみなさい。ホットミルクありがとう。」
「おう、おやすみ。」と葵は急ぎ部屋に向かった。
葵は部屋に入って
(・・・気が付いていた・・うれいし・・がん・・ば・・て・・・よ・・)と、ここで深い眠りに入ってしまった。




