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第64話   写真は部屋の金庫の中


 「ここにいなさい。」強くはっきり言われた。


 「葵ちゃんは間違ってる、今あなたは何に迷ってるの?」


 「ですから、転校するか、しないか、」


 「違う、皆と離れたくないかどうか迷っているの!そうでしょ、勉強の事だけ考えたら当然、東京の方が断然いい、でも迷っている、それは、総や司くん、陽斗くん、紬ちゃんや澪ちゃん達と離れたくない、と本当は分かっている、でも、また皆に迷惑かけるかもしれない、だったら転校しようと、思っているんでしょ。」


 と、葵自身思っていたことをズッバっと言われた感じがした。


 「・・・そうかもしれません・・・でも、色々迷惑を掛けました。前回も今回もだからこそ・・・」


 「誰か迷惑なんて言った?言ってないでしょ、総も皆も言ってないはず。」


 「・・・ですが、こんな事が続けば・・・皆・・・」


 「誰も、葵ちゃんの事を責めないし嫌いにならない。皆を信じられない?」との問いかけに


 「・・・・怖いんです・・・もし、嫌われたら・・・と思うと・・・」


 「大丈夫、うちの総だけは何があっても葵ちゃんのこと大事にしてくれるから・・・」との朱鷺子の言葉に少し胸のつかえが取れた感じがした。


 「分かりました。もう少しだけ考えてみます。」


 「そう、夜更かしは乙女の天敵だから早く寝なさいね。」と返事があった時、葵は思い出した。


 「あの、朱鷺子さん小学生の時のお泊り会の写真って・・・まだ・・・」


 「ああ、勿論あるわよ、一緒の布団で寝た所、水着の写真、肝試しで泣いちゃった写真と、まだまだあるわよ♪。」


 「・・・朱鷺子さん。恥ずかしいので処分して下さい。ってお願いしましたよね!」と確認しても


 「あら、思い出はちゃんと残さないと、大丈夫、しっかり鍵の掛かる部屋の金庫に入ってるから♪」


 「そういう、問題じゃ・・・」と葵が頭を抱えていると


 「・・・どう、少しは楽になった?」とハッとした。確かに今まで少し肩に力が入りすぎていたのかもしれない。そう思い、


 「・・・ありがとうございます。朱鷺子さん、私決めました!」


 「・・そう、じゃ帰省楽しみにしてるわね。おやすみなさい」


 「おやすみなさい。」と言って電話を切った。


 翌日、葵は聖魔法クラスへ編入が正式に決まり、転校の話は一旦無くなった。

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