第63話 夜の電話
マスコミによる不正を行った上級国民や役人たちの対応も一段落した頃新たなクラス分けが発表された。
しかし、皆の適正魔法は分かっているのであまりワクワク感は無かったが、唯一葵のクラスがどこになるのか
学園中が気になっていた。
葵の持つ水、風、聖と三属性を全て伸ばす事も不可能ではない、しかし、その為にはこの島ではなく、東京にある魔法学園の本校へ転校が必要になり、地元に帰る時に非常に負担になる。
教師陣もこのイレギュラーな事になかなか対応できず、最終的に葵の進路をどうするか、葵個人の判断になった。
葵当人も非常に迷っていた。世界でも中々いない複数の属性持ち、しかも数少ない回復魔法の使い手、選択肢は一択に思えた。
転校先のカリキュラムの都合上決めるのは明日のお昼まで、どうするか・・・自室にて考えていた。
(・・・本来なら・・・がベスト・・・だと・・思う・・・でも・・・・)結論が出ないまま時間だけが過ぎていく・・
(誰かに相談したい・・・でも、そんな人・・・)
葵は紬や澪に相談した。しかし、
「最終的には葵が決断する事、どんな判断でも私達は受け入れるから。」と言われた。嬉しくもあり少し複雑だった。
(どうしようかな・・・こんな時・・・頼れる人なんて・・・)と悩んでいると、いきなり携帯が鳴りだした。
(誰だろう?私に電話なんて・・・まさか・・・・)と、画面を見ると知っている人物の番号表示がされていた。電話に出ると
「あ、葵ちゃん元気?朱鷺子です、ごめんなさいね、こんな夜遅くに、」と電話の主は朱鷺子だった。
「葵ちゃん達いつ帰って来るの?総一郎に電話したんだけど出なくて、ごめんなさいね。」と言われた。
「あ、いえ、私もまだ寝付けなくて、大丈夫です。えっと、終業式が24日なので、問題なければその日の夕方に帰る予定です。」と答えた。
「あら、そう、総一郎25日に帰るとか言ってたけど・・」
「補習があったらそうでしたけど、合格したので皆一緒に24日に帰ります。」
「そう、ありがとね、・・・葵ちゃんなにか・・・悩み・・・有るの?」葵はビックリした。
電話口でこの僅かな会話だけで、自分の異変を察してくれた。それだけでも嬉しかったが、今まで沢山支えてくれたこの人にこれ以上余計なことで心配させたくない・・そう思った。
「いえ、だ・・・」
「大丈夫・・・じゃないでしょ・・頼りなさい・・頼りないけど・・聞くだけは聞きわよ。」そう言われ
泣きそうになった。私の事を見てくれ相談できる相手がここにいる。今にも泣きそうだが、葵は今の状況を話し始めた
聖魔法自体はここでも、勉強できるが回復魔法は専門の先生が東京にしかいない、転校するかしないか
と迷っていると。
朱鷺子はしばらく考えたのち答えた。




