第57話 取り調べ
葵達の顔の火照りも収まり、冷静になった様に装いながら病室に戻ってきた。
「・・お待たせ~飲み物買ってきたよ、はい、総」と澪からお茶を貰い
「・・ありがとう、所で今更だけど、そちらの騎士様は?」と、目覚めてからの疑問を聞いてみた
「ああ、名乗らず失礼、私は近衛騎士団所属の 内藤 彩 少尉 と申します。以後お見知りおきを。」
との発言に皆ビックリしていた。近衛騎士団は女王陛下の守護を主任務にしており基本的に首都から離れる事など無いからだ。そんな中
「・・まぁ、当然自分の所属を聞いて疑問に思うでしょうが特別な任務で来た事以外、あなた達に開示出来る事はありませんし、する気もありません。ちなみに今ここであなた達に命令をする権限も今の私には可能ですのでよろしいですか。」と強い口調で言われた。そんな中紬が
「皆、大怪我しているのにそんなの酷くないですか!」と強く抗議したが
「この学園に入学時に危険とは隣り合わせ。そう納得して今の地位、給金を貰ってるはずです。」と返され何も言い返せなかった。
しかし、内藤少尉は
「なに、幾つか質問等をさせてもらうだけですよ、すぐに終わります。病院に言って個室を借りましたので一人づつよろしいですか。」と言われ陽斗、司、自分の順番に行く事になった。
陽斗、司の番が終わり車椅子に乗り換えて行こうとした時、葵が
「私が押していく」と言って車椅子を押してくれた。正直まだ体のあちこちが痛いので助かった。個室までは少々道のりが長く、自分一人では大変だったに思った。・・葵は個室までの道中に今、学園が怪我人を出した事に大騒ぎになっている事、Sクラスのメンツが自室謹慎になっている事など、教えてくれた。そうこうしていく間に個室に着き、内藤少尉が、
「すいません、・・え、、っと、葵さんでしたか、少し調書の作成があって迎えに行けなくて」
「いえ、近衛騎士団のお手を煩わせるのも悪いですから。」と会釈して
「じゃ、病室で待ってるから。」と言って戻って行った。
病室に入った所で
「失礼、盗聴防止の魔法を掛けますね。」と言われた。なんでも風属性魔法の応用なのだそうだ。
「でま、これより、調書を取ります、この調査には正確に答え、偽りある時には軍法会議に掛けられ処罰されることを宣言致します。・・よろしいですか。」
「はい、わかりました。」と答え、調査が開始された。
特に、Sクラスのメンツが何故自分達に絡んできたのかを中心に、聞かれたが戦い途中の会話も述べていると、
「なるほど・・・わかりました、調査は以上です。後はゆっくり休んで下さい。ご協力ありがとうございました。病室までは、看護師さんに送らせますので・・」と内線を使い看護師さんを呼び出し、そのまま病室まで連れていてもらった。
病室に戻ると検査の結果が判明し、皆、大事を取って二日間の入院が決まり、週明けから登校できる事になった。その内、面会時間が終わり女性陣は寮に帰っていった。
本来であれば、近衛騎士団の内藤は立派なホテル等に泊まるのだが他の調査で時間が掛かった事もあり、女子寮の客室の一室を借りていた。
夜遅く皆が寝静まった頃、その部屋をノックする者がいたが、内藤は驚かずに
「・・どうぞ、お入りください。」とその者を招き入れた。




