第53話 イッチョやってやるか!
葵にコテンパンに言い返されたSクラスのメンツは授業にも出席せず校舎の片隅にあるほとんど使われない教室で物に当たり散らかしながらイラついていた。
「マジ、あの女顔はいいのにムカつくぜ!!」
「ホントそれな、どうするマジ!」
「そうだな・・・あの女は自分自身はどうなってもいが、周りの人が傷付くのは許せないタイプだ。そんな自分のせいで、大切な人が傷付くのはどう思うかな・・」
「じゃ、・・」
「ああ、あいつの同郷の野郎が昨日自習室で絡んだ奴だ、アイツを今度の試験でボコボコにしてやる。」
「でも、試験の相手は抽選だろ・・ああ、なるほどあいつを使うのか・・」
「そうだな、試験が今から楽しみだな。」
そんな事情も知らずに皆試験を迎えた。最初の四日間は前回の試験同様無事に終わっていたが四日目の実技試験の相手の発表時に大きな衝撃が襲った。自分達のの対戦相手がこの前絡んできたSクラスのメンツだった事に学校中の注目カードになってしまった。
勿論、抽選でもあるし仕方も無いが何か作為的な物を感じるにはいられなかった。
学園の端にあるほとんど使われない教室でSクラスのメンツがニヤニヤしながら集まっていた。
「奴らビビッていたな、ザマアみろ、俺らに楯突くからこんな目に合うんだぜ!」
「全くだな、しかし俺の対戦相手もまさかあの女の同郷の奴なんだろ?しっかりボコボコにしてやるか」
「俺は、Bクラスの奴だが、こいつも同郷の奴みたいだぜ。あの女の泣き顔が今から楽しみだな。」
「まぁ、適当にボコボコにしてやるか。」と笑いながら過ごしていた。
一方、Sクラスとの対戦が決まった男性陣は
「いや~、参ったなこれは前回もそうだが今回も全敗記念になってしまうかな~。」とお気楽に構えていた。
「そうだな、実力差はあるだろうし・・ま、胸を借りるつもりでやりますか・・」
そんな会話をしていると、少し離れた所にいた澪に呼ばれた。
「皆、大丈夫?・・・あの・・・」
「なに、胸を借りるつもりで頑張るよ、試験の結果は難しくなりそうだけどな。」
「全くだぜ、早くランクアップする事を狙っていたのにな。」
「そうそう、まぁしゃあないなイッチョやったりますか。」
男性陣はあまりこの組み合わせに疑問を持っていないようだったが、女性陣は大きく疑問を持っていた。
(この前、ひと悶着あった連中とたまたま対戦相手になんてなるかな・・でも証明しようがないし何より皆、あまりきにしてないし・・・それよしも・・・)
澪や紬は葵の方を横目で見るとやはりというか
(やっぱり、私のせいなの、本当にごめんなさい・・・)と思いつめた顔をしていたが総一郎の
「葵、おれ頑張るな」の一言に
「うん、ガンバってね」と笑顔を答えた。
「あれ~紬は何か言わないの?」との澪の茶化しに
「もう、・・・・陽斗頑張りなさいよ。」
「任せろ、せっかくの応援も貰ったし頑張りますか。」
「え、俺は??」
「はいはい、頑張りなね、司」
「なんか、ずるいような感じがするな~」と少し司が拗ねていたが皆、明日の試験に向けやる気十分になっていった。




