第44話 卒業後の進路は事実上決まってます。
陽斗と紬のギクシャク以上にこの二人はギクシャクしていた。
皆と別れてから屋台巡りもせず、花火のよく見える浜辺で二人で並び合って座っていた。会話も全くなく
少し離れた屋台や波の音しか聞こえず、しばらくそのままで過ごしていたが葵が口を開いた。
「なんか寂しいね、皆がいなくなったみたいで・・」
「そうだな。」(会話が続かない・・どうしよう・・)
「ねぇ、総ちゃん・・・将来はやっぱり軍に入るの?」
そう魔法学園の生徒は卒業と同時に軍に入る事が条件になっていた。その分学生の身分でありながらお給料が少しであるが出ており、基本的に辞退は出来ない仕組みになっていた。
「そうだな・・・その条件で入学したし、少しでも早く親孝行したいからな。」
「・・そっか・・・でも結局は人殺しになちゃう。・・そんなのは・・・嫌だよ・・・なんで戦争は無くならないのかな・・・・なんで。」葵の悲しそうな顔を見て、俺は
「帝国の人達もそう考えている人達もいる。そんな人達沢山集まり世界が変わればいい方法がきっと見つかるよ。」との答えに葵は少し寂しい顔をしながら
「・・・そうだね、・・・・・きっとそうなるよね・・うん。」と答えた。
「さて、どうしようか屋台でも少し行ってみるか?」
「う~ん、そうだねまだ花火まで時間あるし少し行ってみようか。」との返事に
「では、お手をどうぞお嬢様。」とキザなセリフを言ったが自分でも分かるくらい顔が真っ赤になっているのが、葵も真っ赤にしながら
「照れるならやめればいいのに。」と微笑みながら手を繋いでくれた。
「じゃ何から見ていこうか?。」
「私りんご飴食べたいな。」との返事に辺りを見て、りんご飴の屋台を見ると結構並んでいた。時間が掛かると考えた俺は
「わかった、買ってくるからちょっと待って」と言って離れようとしたが
「いいよ、一緒に並ぼうよ。」との返事に二人で並びながら屋台に並びながら、休み明けの試験や久しく行っていないカフェの店長の事などを話しながらいると順番はすぐやってきた。
りんご飴を買い再び浜辺でゆったりしていると、司と澪が合流してきた。
「お待たせ、あれ、陽斗と紬はまだかな?」
「そうだな、、まだ来てない、連絡してみるか?」
「いや、いいや、その内来るでしょう。」と花火が始まる少し前に二人は合流し皆で花火を見ながら
自分は最後まで葵の少し寂しそうな顔が目に焼き付いていた。




