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第38話   肉じゃが

 

 男性陣の追及が行われてた頃同時刻、葵の部屋にて女子陣にての追及が開催がされている。


 「葵ちゃんが大人の階段を昇ってしまったのね。お姉ちゃん寂しいわ~」


 「想い人と結ばれた今の心境は?」と紬に言われたので


 「だから昨日は屋敷が停電で朱鷺子さんのご厚意に甘えて泊まらせて頂いたの。二人が考えている事なんてない!」


 「でも、パジャマ姿を見してあげたと、まさかお風呂もベットも一緒に入ったとか。」澪の追及に


 「一緒に入る訳ないでしょ!!」と耳まで真っ赤になりながら、押し問答をしていたが、


 「でも、何もなかった訳ないでしょ?・・」


 「何にもなかった。ホントに・・」その僅かな動揺を見逃さ二人ではない。


 「さぁ~、尋問はまだまだ続くよ~」


 「だから・・あ、朱鷺子さん助けて~。二人がイジメるの!。」ちょうど皆の、お茶やお菓子を持ってきた朱鷺子さんは笑顔で


 「二人ともあまりいじめてはいけませんよ。」との言葉に少しほっとする葵であったが


 「でも、早く寝た二人がなんで眠そうにしていたかは、気になるわね~。」とのまさかの発言に、紬や澪ならず朱鷺子まで追及に参戦してくるなど、まさに想定外であり必死に抵抗しつつもついには。深夜の二人での語り合いの詳細を話す羽目になり、女性陣のボルテージは否応にも高まっていったが、葵が本気で泣き出しそうだったので、女性陣の追及もお昼には終わり、各々家に帰っていった。


 そんな中、葵と朱鷺子は二人で昼食の用意をしていた。


 葵は雇用主の娘ではあるが、自分でできる事は基本自分でするようにしており、一通りの家事は出来る様になってはいる。しかし葵一人分だけ作るのも効率的ではないし、多少多く作りそれを朱鷺子が持ち帰り、息子である総一郎に食べさせていた。むろん葵が作っているのも食べているのだがそれは内緒になっている。

 

 「葵ちゃんは家事全般に合格点よね、いいお嫁さんになるわよ~。総一郎には勿体無いわね。」


 「私はお嫁さんとか、少し照れますし、・・総一郎君にも私以外のいい人がきっとみつかりますよ。」


 「ねえ、葵ちゃん、本当に家の総はダメ?、親目線だけど、優良物件だと思うんだけど・・」


 「・・本当にごめんなさい、たぶん私に普通の恋愛は許されないので・・・よし、いい感じにできましたよ、朱鷺子さん。」そう言って出来たのは、総一郎の好物である(肉じゃが)である。朱鷺子が味見をすると、

 「・・うん、おいしいわ、じゃ夕飯はこれに冷奴とサラダでいいかしら?」


 「はい、大丈夫です。雪代さんも肉じゃが好きですし!」


 「・・じゃいつも通り家で食べる分貰っていくわね。総の感想は明日の朝伝えるから。」


 「はい、よろしくお願いします。」そう言って自宅へと帰宅する朱鷺子であるが、


 (なんで、あんなに恋愛を拒否するのかしら?葵ちゃんの両親てどんな人なのかしら?)と勤め始めからの疑問が思い返される。雇われる時も執事の雪代の対応で、まったく名前もわからないし、こんな屋敷の維持費やお給金の件のを考えても、相当のお金持ちとしか想像できなかった。

 

 (どこぞの貴族様のご令嬢だと思うんだけど、最近はそこまで身分の事気にする人も少ないし。)


 (まぁ、なるようになるでしょ。)と思いつつ帰宅を急いだ。


ちなみに、その日の夕食の肉じゃがを食べた総一郎は、


 「いや~やっぱり肉じゃがはお袋の味が一番だね。」と無邪気に食べていた。

そんな息子を見ながら、


 (・・この息子の無邪気な事・・・・先は長いわね・・)と思う朱鷺子であった。


 

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