第36話 実現したい夢
「・・・・・ん」
「そ・・・・ん」
「総ちゃん!」と葵に揺さぶられて起きた、時間は午前1時頃を指していた。頭の中が軽くパニックになっていた。
(え、俺、なんで、葵の部屋に・・・え・・・と・・・・)記憶の呼び覚ますと、息を潜めていた時に寝落ちしたと思い出した。
「ちょ、ごめん、葵がソファーで寝落ちしてここまで運んで、寝落・・」と言った所で葵が口を手で塞いできた。
「朱鷺子さん起きちゃうよ、静かに、ね。」自分はそのまま首を縦に振った。すると葵が顔を真っ赤にしながら
「ごめん、急に、手・・・」と言った所で自分も葵の口を右手で塞ぎ、左手で(シー)とのジェスチャーをして互いに首を縦に振ってお互いにゆっくり口から手を離し、二人で状況を確認する。
どうやら二人とも寝落ちしたものの、葵はいつもより早く寝たせいか、目が覚めてしまいしまいには、自分が扉の前に寝落ちしている光景に動揺しつつ、起こしてくれた形になった。
「ごめん、すぐ自分の部屋に戻るわ。」
「待って、少しおしゃべりしない?」とパジャマ姿の葵のお願いに、
「じゃ、・・・縁側に行こう。」流石にこのまま、部屋の中でお喋りに興じる事などできなかった。
縁側に出て、夜空を見上げると、満点の星空が見えた。
その星空に見とれていると、不意に葵の頭が肩に乗ってきた。
「また、寝・・・」
「ちゃんと・・起きてる、・・・懐かしいね、満点の星空を見上げるなんて。昔は夏休みなんかに皆でお泊り会で、夜遅くまで起きて見ていたのにね。」
「そうだな。」
「皆少しずつ変わっていくんだね。少し寂しい感じがする。」
「仕方ない、皆大人に成っていくんだし、夢もある。」
「例えば?」
「俺はまだ見つけていない。けど、実現したい事はある。」
「え、初耳、気になる、教えて、教えて。」
ここでしまったと思った。なにせ実現したい事は、葵と・・
「・・それは、秘密・・・さぁ部屋に戻ろうか。」
「え~、聞きたいのに、でも私も夢と実現したい事あるんだ~。」
「でも、聞いても。」
「私も内緒。ねぇ、もう少しだけでいいからお話しない?・・少しでいいから。」との葵のお願いに。
「じゃあと30分だけな。」といいつつ、二人して長話をしてしまい、寝不足気味な自分達を見比べて、朝食時に母親から
「あら、二人とも昨日早く寝たのに寝不足?」とニヤニヤされながら揶揄われ、葵とのドキドキのお泊り会はこうして終了した。




