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204/205

第204話   出来る者と出来ない者の違い・・・


 夜遅くに早坂指導員が、病院から戻ってきた。谷沢指導員が


 「どうでしたか?早坂さん?」


 「とりあえず、ケガの方はありませんでした。検査の為一日入院ですか、問題なさそうです。」と淡々と報告してきた。その報告を聞きながら米城指導員が


 「・・・明日、辞退者出ますかね・・・」と言うと


 「・・・出るでしょね、もしかしたら全員辞退するかも・・・しれませんね・・・」と早坂指導員も同調した。そんな重苦しい雰囲気でも谷沢指導員は


 「なに、ケガが無いだけ良かったとしましょう。それに他の学生も中々見込みが有りますし。」と重苦しい空気を払うように明るく振舞っていた、そんな三人の目の前には本庁に提出しなければならない、改善報告書を三人で大急ぎ作成していた。


 翌朝、司と紬以外の生徒は訓練を辞退し、二人だけになってしまった。訓練開始前に米城指導員が


 「小野寺、五十嵐訓練生。確認だが訓練継続でいいのか?」との問いに


 「はい、ダチが一生懸命、訓練しているのに、どうして辞退出来ますか。会得できるかは別ですけど最後まで残ります。」と司が言い、紬も


 「そうですね。ここで辞退したら、皆に合わす顔が無いですし。私も最後まで残ります。」との両名の決意に胸を打たれた、米城指導員は


 「よろしい、少数精鋭になってより指導のレベルを上げて、厳しくいくので両名しっかりついてきなさい。」


 「「はい。」」と返事をした。


 その後は、室内で訓練を繰り返し、昼食を挟み、午後の訓練開始時に、まず紬が屋外訓練を行う事になった。谷沢指導員が


 「緊張しない様に。ゆっくり確実に。」と言われたが、昨日の事故を見ている紬はガチガチに緊張していた。


 「は、はい。」と緊張している人の見本みたいになっていた。


 その光景を見ながら司が、


 「紬が緊張するなんて、中々見られないね。これは陽斗に教えてあげないと。」と茶化していると


 「・・・司・・・あんた、後で覚えていなさいよ。」と怒りに震えていたが、緊張も同時に無くなった。紬は


 (・・・本当に・・・ありがとうね・・・)と決して声には出さず、目の前の事に集中していった・・・浮き上がる事は出来た・・・が、前進しようとしたところでバランスを崩してしまった。幸い浮き上がっていた高さがそんなに無かったので、大事には至らなかった。


 「大丈夫か!!五十嵐訓練生!!」と早坂指導員が駆け寄ってきて、ケガの有無を確認したが


 「大丈夫です。でも、浮きましたね。もうちょっとだったのに・・・」と少し興奮しながら紬は悔しがっていた。早坂指導員が


 「魔力を使って疲れたでしょう。一旦休みなさい・・・次は小野寺訓練生、来なさい。」

 

 「は、ハイ。」と司も緊張のあまり、声が裏返っていた・・・その様子を見て紬は、


 「・・・結構辛いわよ・・・頑張んなさい・・・」と、言って応援してくれた。


 「・・・紬が優しい・・・明日は槍が降ってくるな・・・」と冗談を言うと、紬は


 「・・・あんた・・・大丈夫そうね・・・」と呆れつつ、疲労感の為、紬は椅子に座って休む事にした。


 準備の終わった司は


 「・・・いきます・・・」と言って、紬と同じ様に静かに上昇した・・・そこまでは、上手くいった。次は、浮き上がりながらの前進・・・慎重にバランスを取りながら・・・そして・・・無事に地上に降り立った・・・


 「・・・・・・・・やった・・・・・・」と司は喜びを噛みしめていると、米城指導員が


 「よろしい。では小野寺訓練生明日以降も同様の訓練を行う。五十嵐訓練生もだ。」


 「「はい。」」と二人は力強く返事をした。


 翌日以降も司はスムーズに浮揚出来る訓練を、紬はバランスを取る訓練を続けていったが、最終日になっても紬は上手く浮揚出来なかった・・・・


 「・・・悔しいな・・・」と訓練が終わった後に紬は悔しがった・・・そんな紬に司は


 「・・・その、紬・・・」と、どの様な言葉を掛ければいいのか、分からないでいた。今まで学園では同じ訓練をしてきて、互いに切磋琢磨してきたのに、出来る者と、出来ない者がハッキリと分かれてしまった。紬は空を見上げながら


 「・・・飛びたかったな・・・」と言った後、両手で顔をバシッと叩いた。


 「よし、クヨクヨしても仕方ない。いい経験と思わないと。」と言って吹っ切れた。そして司の方を見ながら


 「・・・司って論文発表に、今回の飛行魔法といい、何気にスペック高いわね・・・」と言うと


 「お、やっと紬も俺の魅力に気づいた?」と言ってきたので、紬は少しイラっとした。


 「・・・あ、これはモテないな。」と司の心に大ダメージを与えつつ、紬の目からは一筋の悔しさがにじみ出ていた・・・・その事に司は気づきつつ、いつもと同じ様に振舞った・・・幼馴染として・・・


 その後、司は・・・総一郎達と同じ様に多くのレポート作成に追われる事になる事をまだ知らなかった

・・・その光景をみて紬は、内心ホッとしたのはここだけの事である・・・・



 

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