第201話 風属性の特殊訓練内容・・・
日本海を進むフェリーの甲板上で生徒達はは優雅なクルージングを楽しんで・・・いなかった・・・
折しも、新潟から乗船してから、風と波が強くなり、大半の生徒が船酔いになってしまった。もちろん紬も船酔いになってしまい、大部屋のカーペットの上で横になりながらこの航海の終わりを祈っていた・・・そんな中でも船酔いしない生徒は何人もおり、司はそちら側の人間だった・・・
「紬。大丈夫?」と言いながら、冷たいタオルをあててくれた・・・
「・・・ありがとう、司・・・」と感謝を言うと
「いいよ。ゆっくり休んでて。」と言いつつ、他の船酔いしている、生徒の元に冷たいタオルを配りながら、精力的に動いていた・・・・その光景を見て
(・・・司も人の為に動く事が出来る様になって・・・うぅ・・・無・・・・理・・・)といつも自分勝手な行動が多い司の成長に感心しつつ、まだまだ航海はつづくのであった・・・・
朝早く、小樽港に着く頃には船酔い組はグッタリしていた・・・・ここから、目的の演習場には、列車とバスを乗り継いで行くので、幾分は楽であった。宿舎に着く頃には、皆の体調もすっかり元に戻り、この日は夕食後はそのまま自由時間になった。それでも皆疲れから早く寝る者が多かった・・・
翌日の訓練開始時に、総一郎達を同じ訓練を行い、振るいに掛けられた・・・ただ、最初の選抜では全体で5人程の合格者が出て、紬と司の両名とも一次選考は通過した・・・
一次選考を通過した者は宿舎を移動し、今度は体育館に集合した。
「皆さん。私は風属性の首席指導員の米城と言います。それで右から、谷沢、早坂指導員です。」
と指導員達の紹介もそこそこに、訓練が始まる事になった。まず、米城指導員がこの訓練の目的を説明を始めた。
「皆さんの風属性で思った事があると思います。火や水、土といった属性に比べ直接の攻撃力が低く、
力負けしてしまう事に。しかし風属性には他の属性には無い魅力的な事が出来ます。 それは、自分の力のみで空を自由に飛べる事です。他の属性では出来ない唯一無二の事です。」と言うと、そこに居た生徒達は盛り上がっていた・・・自分の力で空を飛ぶ・・・そんな事が出来るなんて、と想像しただけで夢が広がっていた。もちろん、司も紬も気分が高揚していた・・・そんな雰囲気で訓練が開始された。
最初に自身の体を浮かせる訓練を開始した。足元から風を噴出させ、また両手からも風を噴出し、バランスを取る・・・これが想像以上に難しかった・・・足元の風が弱いと飛ばない。強すぎると、一気に上昇して最悪そのまま地面に叩きつけられる可能性もあり、最初は訓練用に作られた部屋の中で、バランスを取る訓練をしていた。それでも皆苦労していた。
「ハァ、中々難しいわね・・・」と紬は浮き上がりはするけど、苦労していたが
「お・・・ほ・・・どうだ・・・」と司は中々上手くバランスを取れていた・・・その様子を見ていた米城指導員は
「小野寺訓練生。いい調子ですね。・・・もう少し、噴出させる風のバランスを意識して・・・そうです、そうです。いいですね。」とお褒めの言葉を貰いつつ、その日はひたすら室内での訓練に明け暮れた。
訓練終了後、司は他校の女子学生から質問攻めにあっていた。
「小野寺君。何かコツはあるのかな?」
「小野寺さん、どういうイメージでやってますか?」と聞かれていたが、当の司は少し困惑しながら
「・・・難しいです。指導員の言う通り本当に自分の感覚でこんな感じかな・・・て、やっているだけなので・・・」と、説明に苦労していた・・・紬もアドバイスを貰おうとしたが、
(・・・後にしますか・・・)と思って宿舎の方に戻った・・・
宿舎の部屋に戻り少し、荷物の整理をしていると、部屋のドアをノックされ紬が返事をすると、
「紬?今いいかな?」と司が声を掛けてきたので、紬は部屋の扉を開け
「なに?」と司に聞くと?
「さっき自分になにか用でもあった?俺、他校の人に質問攻めにされてて」と聞いてきたので紬は心の中で
(・・・全く、余計なお節介ね・・・)と思いつつ。
「ほら、もうすぐ夕食でしょ。それが終わったら、皆にちゃんとコツでも教えなさいよ。」と、言うと
「はいはい。」と言いつつ、紬と司は食堂に向かって行った。




