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第199話   小さな自分・・・大きな世界・・・


 葵の声を久々に聞いて、少し気が楽になった気がした・・・


 第三学園の小泉さんと石渡さんは訓練を辞退したので、午後は自分一人だけになってしまったが、それはそれで気楽だった。


 小嵐指導員の監視の元、訓練を続けていた・・・魔法の感覚を研ぎ澄ませ、あの時の感覚を思い出そうとしていた・・・しかし、思いだけ出来るほど甘くはない・・・・時間だけが無情にそして着々と経過していた・・・


 (・・・落ち着け・・・落ち着け・・・)と思えば思うほどドツボにハマっている感じに更に焦りが生まれ、時間が過ぎればまた焦りが生まれる。


 (・・・何をしているんだ俺は・・・)と思いつつ、タイムリミットは刻一刻と迫っている。

既に魔法力も残り僅かになっており、次の鍛錬が恐らく最後のチャンス。そう思いつつ、荒井指導員に言われた事を思い出していた。


 (・・・自分自身で壁を作るな・・・か・・・壁ってなんだろう・・・一般的には家の壁や・・・いや、今の状況での壁とは・・・自分自身の心の中で出来た壁の事を指すはず・・・自分自身で壁・・・そんな事は無い・・・本当にそうか?・・・劣等感に苛まれて・・・自分自身を信じられなくなって・・・いつの間にか、周りが見えてなかった・・・そうだ・・・自分を信じて・・・それが結果に繋がる・・・そうさ、会得出来なくても、葵の隣に立つ方法なんていくらでもある。二度目の人生・・・人よりアドバンテージがあるのにな・・・世界は広い・・・今の小さな世界でなく、もっと広い世界を意識して・・・集中して・・・・)


 と、目を閉じ、最後の力を振り絞って集中した・・・・やがて、指先に熱を感じた・・・目を開けるとそこには小さくも確かに炎が灯っていた・・・


 (・・・・そうか、自分を信じていれば良かっただけなんだ・・・たったそれだけだったか・・・でもそれが一番自分に出来ていなかったか・・・)と思いつつ、一旦魔法力を解こうとすると小嵐指導員が


 「加治訓練生、そのまま維持してみろ。」と源さんをは違う指示をしてきた。


 「はい。」と返事をして、そのまま炎を維持していた・・・5分・・・10分・・・と過ぎても、灯し続けた・・・・そして15分になろうとした所で


 「加治訓練生、もういいぞ。」と言われたので、一旦魔法力を解いた・・・そこで、力尽きたのか倒れ込んだ・・・・






 目が覚めると・・・ベットの上にいた・・・ここ3、4日過ごした、部屋の天井だと少しして気づいた・・・


 「あれ、俺は・・・・」と呟くと


 「お疲れさん。」とそこには荒井指導員が居た・・・自分は少し混乱してると


 「・・・限界まで魔法力を使ったから、倒れたんだ。まぁ小嵐の判断だがちゃんと、倒れる寸前に受け止めて、ケガは無いから安心しろ・・・・よくやったな。」と言われ、ベットに横になりながら


 「・・・はい・・・良かったです・・・」と言いながら、ふと疑問に思った事を聞いた。


 「なんで、源さんの時は、直ぐ止めて、自分の時は止めなかったんですか?」と聞くと


 「・・・まぁ、個々の魔法力の特性に合わせてな、それより腹減ったか?」


 「・・・そういえば・・・腹ペコです。」と答えると


 「もう、9時過ぎだが、おにぎりと味噌汁の用意はあるから、食堂に行くぞ。」と言われ、自分はおぼつかない足取りで食堂に向かい、遅い夕食を食べ、お風呂に入り、ベットに着くとそのまま深い眠りについた・・・・荒井指導員と小嵐指導員は自分の様子を見届けると


 「・・・・どうですか。荒井さん・・・・」


 「・・・・決まっている。奴は魔法兵団のトップになれる・・・」


 「・・・ここまで、予測してましたか?」


 「まさか、想像以上だよ・・・この件、本庁に連絡を入れておいてくれ。」


 「分かりました。」と二人の指導員はその後、詳細な報告書の作成に夜遅くまで掛かる事になった。






 「・・・・クソが・・・・なんで・・・・あんな奴が・・・・」と源はやり場の無い怒りに震えていた・・・・


 


 

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