第196話 訓練は続くが・・・・・
夕食も終わり、シャワーを順番に浴びて、自室にこもって今日の訓練のレポートを作成していると、部屋の扉がノックされた。扉を開けると
「加治さん。今大丈夫ですか?もしよろしければ、少し食堂で話しませんか?」と源さんが言ってきたので
「ええ、構いませんが、少しだけ待ってください。今レポートをまとめますので。」
「・・・では、先に向かっていますので。」
そう言って源さんは食堂に向かって行った。急いでレポートを終わらせ、食堂に向かうと源さんは既に椅子に腰かけて待っていてくれた。
「すいません、待てせてしまって。」
「いえ、いきなりの申し出ですから仕方ないですよ。」と笑顔で言ってくれたが、何故かその言葉を額面通り受け取る事は出来なかった・・・
「ところで、どの様な話ですか?」と早速質問をすると源さんは
「いえ、葵さんの最近の様子を知りたくて。一応元婚約者・・・だったので・・・」と元婚約者と言うところを強調しつつ、言ってきたのが少し癪に障ったが、ここは大人な対応を見せてこそ、転生者たる自分の余裕と思い
「ええ、元気にやってますよ。教官達からの信頼も厚く、他の学生とも良好な関係ですし、最近では今後の進路も決まった様で・・・」と葵の普段の様子を当たり障りのないの無い範囲で言うと
「・・・そうですか・・・いえ、充実した学園生活を送っているんですね。実は連絡先も分からず困っていたんですよ。できれば葵さん携帯の連絡先を教えていただけませんか?」と言ってきたが、本人が教えていないのを自分が勝手に教える訳にはいかないので
「すいません、そういうのは葵の確認を取ってからじゃないと、教える事は出来ないです。」とキッパリと断った。
「そうですよね。では、加治さんの連絡先を教えてもらっていいですか?今後もいいライバルとして切磋琢磨していきたいので。」とのお願いに、多少のモヤモヤを感じつつ
「いいですよ。」と快く連絡先を交換した。その後は、他愛の無い世間話や、自分達の学園の教官に対するグチ等、話が盛り上がっていたが、明日もあるもで、早めに切り上げお互いの部屋に戻った。
自室に戻り、源さんのセリフに引っ掛かりを覚えていてた。
(・・・ライバルか・・・どういう意味かな・・・)と思いつつも
(負けられない・・・絶対に・・・・)と心に誓い、もう少し勉強しようと机に向かった・・・・
源は自室に戻ると、
「・・・・庶民の分際で全く、忌々しい・・・・が、所詮は庶民か・・・そんなに気にすることも無いが・・・・念には念を入れておくか・・・」と何処かへと連絡していた・・・・・
翌日も同じ内容の訓練を続けたいたが、昨日より感覚が悪くなっている感じに焦りを覚えつつ、焦らずに訓練を続けていく事しか出来なかった・・・
お昼になったので訓練は一旦終わりになった。
お昼を早食いして、休憩時間はまだあるので、少しでも先日の感覚を思い出そうとしていると、源さんが
「どうですか?調子は程は?」
「中々上手くいかないですね。」
「ですよね。他の二人も中々苦戦してまして。」と源さんが指をさす方には、小泉さんと石渡さんを見ると、自分と同じく早食いして、同じく感覚を思い出そうとしていた。その光景を見て
「・・・やっぱり、こういうのはいつの時代も変わらないのかな・・・」と前世の自分も色々な事に挑戦し、その度に何回も何回も繰り返し練習等をしたのを思い出していると、
「・・・どうかしましたか?加治さん?」と源さんの声で我に戻り
「・・・なんでもないです・・・」とわざとらしく誤魔化す事しか出来なかった・・・
午後も訓練を続けていたが上手くいかずに、疲労だけが溜まっていった・・・・
そのまま、時間が過ぎ、本日の訓練も終わりになった。訓練も後僅かになり焦りが更に高まってきた。
(・・・少しでも、葵の隣に立っても恥ずかしく無い様にしたいのに・・・・)と焦りつつ、何もできない自分自身が嫌になってきた・・・・




