第19話 涙と追及
いつもは六人で集まる喫茶店に、女性陣三人しかいない。テーブルを挟んで、葵が泣きながら。
「また、助られたのに、何も、何もでき、何も出来なかった。」
「・・葵・・とりあえず、泣き止もう。ね。」
「そうよ、カッコいいセリフも聞けたしよかったでしょ。」
そういっても葵は泣き止まず、更に言葉を詰まらせながら
「でも何度も、何度もた、助けてもらってるのに、何の恩返しも、」
「そんなの総は求めてないから、ただ葵が大切なだけだから、ねぇ、もう泣かないの。」
「うん、うん、葵は愛されてるよね~」
「こんな時に冷やかさないで、バカ紬、でもありがとう。少しスッキリした。」
「でも、葵はいつから総の事意識し始めたのかな??」
「澪姉もイジワル・・知らない・・」
少し不貞腐れる態度を見せた葵を見て、二人は少し安堵した。
そして、店長からココアの差し入れが三人の前に、提供され一言
「私も気になるわね~もう店閉めたからじっくり聞かせて貰おうかしら。」
皆の追求に抵抗しようと黙秘しようとしたが、昔からの付き合いである。動揺を誘いつつ誘導尋問を行い、遂には葵は根負けしてしまった。