第185話 いつやるの・・・まだでしょ。
四人で悩んでも、結果は変わらなかった・・・澪姉が
「・・・内藤少尉。ありがとうございました。残念ですけど時間も時間ですし、今日はもうお開きにしましょう。」
「・・・そうですね。残念ですが。」
「・・・澪姉・・・」
「もう、紬もそんな顔しないの。議論は尽くした。でも残念だったね・・・」と皆一様に暗い表情だった・・・そんな空気を察したのか内藤少尉が
「いけないですね、こんな空気を打破するには恋バナに限りますね。」と紬の方を見て言った。紬は
急いで部屋から出ようとしたが、あっさりと内藤少尉に確保されたしまった。
「ではでは、先ずは馴れ初めからいきますか。」とテンションが上がってきた内藤少尉を澪と葵は止められなかった・・・・紬も必死に黙秘権を使おうとしたが、内藤少尉の巧みな話術により陥落した・・・
内藤少尉の攻勢はまだまだ続いた・・・
「さて、お次はどちらですかな・・・?」と次の獲物を狙うハンターになった内藤少尉はどちらにするか選んでいた・・・・そして
「では、お次は葵さんにしますか。」と言って内藤少尉の魔の手は、葵に向かって行った・・・危機を察知した葵は、急いで部屋から出ようとしたが、既に扉の前には内藤少尉が仁王立ちしていた・・・
「・・・では、葵さんも紬さんみたいな恋バナを聞かせてください。」
「・・・恋バナなんてないです、総ちゃんとは・・・」と言ったところで、葵は墓穴を掘った事に気づいた・・・
「・・・誰も、葵さんと加地さんの事とは、言ってないんですけどね・・・まぁ自覚があるならいいんですけど・・・」と内藤少尉のニヤリとした顔を見て葵は顔を真っ赤にしていた。そんな葵を見て澪が
「葵もそろそろ、告白でもしたら?きっと上手くいくと思うんだけど?」と澪の問いに葵はいつも通りに
「私には無理だよ。」と言って頑なに告白する事を拒絶していた・・・何度もこのやり取りをした、二人にとってはいい加減じれったいと思っていた・・・普段はここで終わるのだが、今日は少し暴走気味の内藤少尉もいる・・・
「じゃあ、総一郎に電話してみよう。」と澪は携帯を取り出し、早速電話をしようとした。それに気づいた葵は止めようとしたが、紬に阻止されてしまった。
「プルルルル、プルルルル、プルルルル、・・・・・・」としばらく鳴らしたが、総一郎が出ることはなかった・・・・
「・・・寝たのかしら?総一郎にしては早い時間ね。」と言いながら、次は陽斗に電話をかけ始めた。
「プルルルル、プルルルル、プルルルル、・・・・・・」と同じ位鳴らしたが、陽斗も出ることはなかった・・・・・
「次は司ね・・・」と澪は少し、躊躇いつつ、電話を掛けた。
「プルルルル、プルルルル、プルルルル、はい、澪姉なに?」と司は出たので
「あ、司? 今電話大丈夫?」
「大丈夫だけど何?」
「今部屋?総一郎に連絡したんだけど、電話でなくて。」
「ああ、ここに総も陽斗もいるよ。」
澪は司に
「ちょっと、総一郎に代わってもらえる?」と言うと
「はいはい、総。澪姉から。」と言って携帯を総一郎に渡した、そのタイミングで澪は携帯の音声をスピーカーにした。
「なに?澪姉?」と総一郎が聞いてきたので澪は
「あんた、葵にいつ告白するの?」とストレートに聞いた・・・隣では葵や内藤少尉も聞き耳を立てていたが、
「・・・澪姉・・・そこには、葵も、紬も、それに内藤少尉もいて、それで揶揄っている最中と・・・付き合い長いから、そんな感じでいいかな。」とまるで今の光景を見ているかのように的確に言い当ててきたので、澪は
「やっぱり、分かっちゃうか。」と澪が関心していると
「でも、ちょうどよかった。自分達もアイデアを出したんだけど、聞いてもらえる?」と男性陣の考えたアイデアを内藤少尉に聞いてもらう事になった。
今まで、思いつくようで思いつかなかった事に驚いていたが、内藤少尉は
「・・・上に掛け合ってみます・・・」と言ってその日はお開きになった。